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聖書とは?
人類史に存在してきた無数の本の中で、最も読む価値のある本とは何でしょうか?それは間違いなく「聖書」だと言えます。
日本では聖書は完全に教育から外されていますが(進化論ありき)、世界的な規模で見れば、その頒布数や影響力はいかなる書物とも比べものになりません。そして、聖書がそこまで多くの人を魅了している最大の理由は、この本が「神の言葉」として、広く認められている点にあります。
では、聖書とはどんな本なのでしょうか?それが本当に「神の言葉」だと言える、どんな根拠があるのでしょうか?そして、聖書が書かれた目的とは?
●聖書とは
66冊からのなる書物群
聖書とは単一の書物ではなく、合計66冊からなるいわば書物郡です。その内容は、旧約聖書(39書)と新約聖書(27書)に分かれています。
最初に書かれたのは、旧約聖書で、今から約3500年前です。そして、イエスキリストの降誕より約400年前に旧約聖書は完成しました。39冊で成る旧約聖書は、1000年以上にわたって書き継がれてきました。一方、新約聖書はイエスキリストが十字架上で死に、3日目に復活され、天に昇られた後に、イエスキリストの弟子達により書き始められ、紀元100年頃に完成しています。27冊でなる新約聖書は約50年あまりかけて書かれています。書かれた言語は、旧約聖書はヘブライ語(一部はアラム語)、新約聖書はギリシャ語です。聖書は約40人の記者が約1600年もかかって書き記しています。
なお旧約聖書と新約聖書の間の期間を「中間時代(約400年)」と呼びます。この期間は神様からの預言はありませんでした。新しい啓示は与えられませんでしたが、神が休憩していたということではありません。この期間は、新しい啓示を必要としない時代でした。神は、契約の民イスラエルを忘れておられたわけではなく、ご自身の計画を進めておられたのです。中間時代は、メシア登場の舞台が整う時代だったのです。
●40人の著者
聖書には、合わせて40人の著者がいます。それぞれの書簡が書かれた時代背景や、記者の職業的背景は全く異なります。例えばその中には、王や祭司、戦士、預言者、漁師など様々な職種の人がいました。しかし、本当の著者は神ご自身です。「聖書は、神の霊感に導かれて記された」(第二テモテ3:16)と言われますが、これはどういう意味でしょうか?例えば、社長が誰かに手紙を送る際に、秘書に自分の意図を伝え、その手紙を書かせる場合があります。聖書もこれと同様で、完成の背後に、社長役である神が存在し、その神の意図によって、秘書である霊感を受けた著者たちが、聖書を書いていったのです。では聖書が、確かに神の霊感によって書かれたものだと言える、どんな根拠があるのでしょうか?
●一番多く読まれている
聖書は人類史上、最も多くの人々に読まれてきた書物です。1815年~1998年だけでも、約39億冊が販売・配布されたと推定されており、他のいかなるベストセラーとも比較になりません。現在の世界人口が約70億であることを考えれば、この数字がいかに大きなものかを理解できるでしょう。
●一番多く翻訳されている
最新のデータによると、聖書はこれまでに2,798の言語に翻訳されており、知られているほぼ全ての言語で入手可能で、世界中のあらゆる人々が読めるようになっています。このような本は、聖書を除いて他にはありません。
●著者たちの正直さ
聖書の記録が信頼に値すると言える別の側面は、著者たちの正直さにあります。どの時代、どの国でも、勝者が自分にとって都合の悪い真実を封印し、都合の良い歴史だけを描いて、それを広める傾向があります。ところが、聖書の記録には、そのような不公平さはなく、著者や自国についての失敗が、克明に記録されているのです。
●全体の統一性と調和
聖書は、約1600年もの時間をかけて様々な著者によって書かれましたが、全体の内容に、見事な統一性と調和が見られます。1600年もの長い期間に、異なる人間が執筆していった書物郡が、矛盾の無い一貫した内容となることは、まずあり得ません。では、聖書全体に驚異的な統一性が見られるのはなぜでしょうか?それは、一人の真の著者、つまり神様が存在しているからです。
● 科学的に正確な記録
一般的に、古代文書の多くには非科学的な記述が見られるものですが、聖書の記録は、最先端の科学と照らし合わせても、驚くほど正確なのです。一例を挙げれば、ノアの方舟に似た話は、バビロニア神話にも見られますが、そこに記録されている箱船のサイズは、船舶の形としては全く理に適っておらず、浮かばせれば、すぐに転覆してしまいます。ところが、聖書に出てくるノアの箱船は、現代の巨大タンカーなどにも用いられる黄金比「30:5:3」で設計されており、高さ30メートルの高波に遭遇しても、浸水・転覆・破損をしない強度を備えていたのです。
●歴史的に正確な記録
聖書の歴史記録の信頼性は、これまで批判の的となってきましたが、考古学の発掘調査による新たな発見によって、その記録の信頼性は常に立証されてきました。例えば、創世記19章には、ソドムとゴモラの滅亡に関する記録があります。聖書によれば、「神はかつて、道徳的に退廃の極みに達していたこれらの町々を、天からの火と硫黄によって滅ぼした」とありますが、この話は多くの人からその信憑性を疑われてきました。
ところが、1924年に、W・F・オルブライト博士とM・G・カイル博士が探検隊を組織して、死海付近を探索したところ、その地域から多数の土器やその他の遺物と、硫黄の混じった泥灰層を発見しました。それらの発見は、紀元前二千年頃に、繁栄していた住民が突然消え失せたこと、その原因が火と硫黄であったことを示していたのです。ソドムとゴモラの滅亡に関する聖書の記録は、歴史的事実だったのです。
●聖書が書かれた目的
聖書が書かれた目的は、「神の栄光」を啓示するためです。「人類の救い」は、神の栄光が表されるための一つの要素ですが、それがすべてではありません。