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Fruhling ist da!

 春が来て、町は明るい。夜中三十日の深夜二時五九分から、三時の時間を飛ばして、四時になる。サマータイムのスタートである。三月下旬であるというのに、今日の日没は二十時。つまり、夜八時まで町が明るいのだ。徐々に長くなる日は夏になると一〇時近くまで町を照らす。ドイツ人たちは漏れなく非常にご機嫌である。動物や植物が春の到来を喜ぶのと同じように、彼らも非常に春を喜ぶ。私も例外では無い。

 木曜日にはアクセルとバトミントンをやる。大きな体育館に行き、二時間ほどバトミントン。その後わたしの前にいた寮でパーティーをやる。日本食を振舞う。

 金曜日にはアレックスと会い、楽しく語る。

 土曜日には友人の家探しに付き合い、ドイツの典型的な家族の家にお邪魔する。その後はヤンと寮の友人達とビリヤードをやり、バーに行き語る。帰り道、デニースやスザンネたちと五人で腕を組み帰路に着く。
 
 日曜は日本人とケーキを食べ、一六時から留学生とサッカーをやる。グランドに行く。芝生のグランドは非常に広い。天気が良い。五十人以上いたであろうか、サッカーを久々にやる。レベルが高いが、非常に楽しめた。(二時間で体力の限界に)。

 留学の楽しさを味わった三月であった。毎日が楽しい。天気がいい。春。暖かい。日が長い。暮らしに慣れてきた。あぁ、この大好きなドイツにもう少しいれたらなぁ。ドイツ滞在は七ヶ月になるのか。というより、明後日で帰国まで四ヶ月だ。足し算で滞在を数えてきたが、徐々に引き算になる。あと四ヶ月、あと三ヶ月、あと二ヶ月、あと一ヶ月、そして日本への帰国……。正直、帰りたくない。
 前半はいろいろと厳しかった。ドイツ語や文化の差、学科の勉強の多難さ、それを二月に通り抜け、三月になり、やっと楽しめるようになった。夢のようなドイツ滞在。後四ヶ月しかない。四ヶ月を悔いの無いように頑張るというよりは、春の眩しい日差しを全身で浴びるように、留学を楽しみたいと思う。不思議な時間が私を包んでいる。日本では体験したことが無いような、そんな素敵な時間が。

 さて、四月下旬から徐々に授業が始まる。二セメスター目の正規学生の授業も非常にインテンシブである。国民経済学、植物栄養学、動物栄養学、土壌学だけなのだが、朝は八時から始まり、一七時に終る日が三日あるが、後の日は二十時に終る。
 家に帰れば、予習とノートのまとめなどに追われることになりそうだ。
 否、それでは駄目だ。私の留学は一年しかない。一年で自分のドイツ留学を完結させる。大学は教養課程で力をつけ、専門課程で力を使う。冬学期で私はドイツの大学の教養課程を知った。後は、専門課程である。
 滞在そのものが一つの論文になるようなイメージ。前半ドイツ生活の準備、中盤ドイツ学生の教養課程、春休み、そして、専門課程。
 専門課程、私のやるべきことは卒論だ。四ヵ月後の完成をめざし、徐々に進めていこう。

● 論文日記
 『ヨーロッパの有機農業』(平成四年 家の光協会)を読む。
 Invetheen教授への論文相談事項をまとめる。
 計画を頭で立てる。
 ドイツ農業史を通読する。社会学で受けた最新の有機農業事情を頭に入れる。月曜日にInvetheen先生の論文指導につけるかどうか聞いてみる。ゲッティンゲン市街地にある優秀といわれる有機農業に短期間実習にいく。参与観察で一次情報を得る。そこから会うべき人にあう。毎週水曜日には菊池教授に報告する。

● イラク戦争について
 私の日記の中の「戦争について」のコメントは、二十世紀最大の哲学者ラッセルの引用を再掲しておけばそれで十分である。
 退屈をまぬがれたいという願いは自然である。事実、あらゆる民族は、機会があるごとにこの願いをさらけ出してきている。人類の罪の少なくとも半分は、退屈を恐れることに起因している。戦争、迫害、虐殺、全て退屈からの逃避の一部。
 以上。
(反戦のコメントは他のホームページに溢れている。)

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