れんげ摘み/詩と朗読 poetry night 第80夜
厳しかった季節はもう終わり
さわさわ揺れる緑葉を踏みながら
わたしのほうへ
歩いてくるひとがいる
💎「詩と朗読 poetry night」 第80夜は「れんげ摘み」。
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓
「れんげ摘み」
昨夜あんなに降った雨のあと
たくさんの蝶がとまっているような
小さな花が
春田(はるた)で次々と開いた
厳しかった季節はもう終わり
さわさわ揺れる緑葉を踏みながら
わたしのほうへ
歩いてくるひとがいる
遠くからでもすぐわかる頬
手を振っている
私も振り返す
やっと逢えたねと言った
あなたと一緒なら
心が和らぐ
あえいでいた傷の痛みが
ゆっくりと癒され
指の先まで
暖かさが満ちて
明けていく
静かな光の中
雲のように広がる紫の野で
れんげ草を一輪
摘もう
※れんげ草の別名は紫雲英(げんげ)、花言葉は「あなたと一緒なら苦痛がやわらぐ」「心が和らぐ」