解き放つ/詩と朗読 poetry night 第57夜
こうでなくてはならない人生なんて
あるのだろうか
今の命をそのままに
ひたむきに生きれば
それだけで
きっと
🌿「詩と朗読 poetry night」
第57夜は「解き放つ」
スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓
「解き放つ」
よろけるような字で
「人生は楽しい」―
購読している新聞で始まった
「みんなその日まで」というシリーズ
第一回目はALSの女性の話だ
文字盤を目で指して会話し
短歌も詠む
娘さんが介護
呼吸器を付けてから十二年を精一杯生き仏壇に残していた遺書に一言
こうあった
娘さんの心と身体から
張り詰めていた力が
すうっと抜ける
生はつらいだけのものではなかった
困難の中にも
楽しさが在ったのだ
世話をする人にも
される人にも
こうでなくてはならない人生なんて
あるのだろうか
今の命をそのままに
ひたむきに生きれば
それだけで
きっと
「だれにでもいずれやってくる、
その日。
その日まで、生きる。」
と記事の最後は結ばれていた
解き放て
人生を
*ALS…筋萎縮性側索硬化症