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路地を歩けば/詩と朗読 poetry night 第44夜

「路地を歩けば」

古い町並みの
静かな道を往く
ふと呼ばれたような気がして
家と家の隙間から
路地裏へと入り
壁に手をあてながら
ゆっくりゆっくり歩いた

冷んやりしたブロック塀の
足元から蔦が
もさもさ這い上がる
焼き板の塀はじっとり光り
なまこ壁はどっかと構える
瓦屋根から猫が覗き
出窓の下には植木鉢
色とりどりの花が揺れて
如雨露も子供の自転車も
さっきまでいた 人の温もり

ふふふ  と笑う声に
あれれ?と見上げたら
軒と軒の間から青空
やけに高くから
見つけたぞ  と言うので
うん  みんな生きてるよ
と答えた
****
🌱「詩と朗読 poetry night」
第44夜は「路地を歩けば」。
路地を歩く。てくてく、ぶらぶら。
自分だけの小さな愉しみに出逢う時間。
スキマ時間に聴いていただければ嬉しいです。↓


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