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呪いを解く魔法/詩と朗読 poetry night 第103夜

🌿詩と言葉の美しさをお届けするラジオ番組「詩と朗読 poetry night」。
第103夜は「呪いを解く魔法」。スキマ時間に聴いていただければ幸いです。↓

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「私なんか、美しかったことなんか一度もないわ!」
雨でビショビショになりながら、大声で泣くソフィー。そっと傘を差しかけるカブ。

人なんかどうでもいい。
濡れそぼってあられもなく泣きわめきたい。
人は誰しもそんなつらい想いを抱えている。待っていても暖かい傘は来ない。
呪いをかけているのは誰だろう?呪いを解く魔法はどこに?
「あのひとはまっすぐよ」
「ソフィーはきれいだよ」
「貴方にしかできないわ」
そんな言葉をくれる人は、本当の自分を見つけてくれる人は、いるのだろうか?

この『ハウルの動く城』でも『千と千尋の神隠し』でも、最後に主人公は試される。
見かけの良い、または見かけの醜い、たくさんのモノの中から、余計なモノを捨て、大事な人を見つけられるのか。自分を見つけてほしいなら、自分から見つけに行かなくては。
観ている私たちも自分に問いかける。私ならどうだろう?

それは、その人を大事だと思う自分の心を信じられるかどうかにかかっている。
力を持った猛禽の爪も翼も火も、無くした心も、すべて自分の中にある。呪いでさえも。
呪いとは、ある種の契約であり、そして契約とは、自分が自分の心と結ぶものなのだ。

追記:それにしても、あんなイケメンと一緒に空を歩くなんて経験をしたら、もう惚れるしかないよね。


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