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可惜夜(あたらよ) stand.fm #32

誰にでもある、一生でいちばん幸せな瞬間。その幸せな想いが胸に明かりを灯し、その後の人生をずっと照らしていくような。
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「可惜夜(あたらよ)」

その瞬間
ことばということばは
黙りこくった
だだひとつをのぞいては
神がひとに与え給うた
ことばなれども
ただひとつをのぞいては
すべてが意味を失った
明けまく惜しき可惜夜に

あなたの胸から
私の頬に
響き震わす
そのことば

思い出すだに慕わしき
あのとき
見上げた
あなた

※可惜夜(あたらよ)…明けてしまうのが惜しい、素晴らしい夜。万葉集9-1693
「玉櫛笥(たまくしげ)明けまく惜しき可惜夜を衣手離れひとりかも寝む」より

🌙詩と朗読 poetry night
第32夜は「可惜夜(あたらよ)」
スキマ時間に聴いていただければ嬉しいです(4分)。


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