Ozone 9でローエンドの覇者に
もくじ
・新機能
・Low End Focus
・Master Rebalance
・Master AssistantにVintageモード
・Tonal Balance Control 2
・細かい(でも嬉しい)アップデート
・まとめ
新機能
Ozone 9で追加された主な新機能は下記の通りです。
・新モジュール「Low End Focus」「Master Rebalance」
・Tonal Balance Control 2
・Master AssistantにVintageモードが追加
・Match EQが独立したモジュールに
・UIのリサイズ
新機能については公式の動画をご覧頂くのが一番わかり易いと思うので、この記事では僕がOzone 9のベータテストの中で特に気に入ったところを書いていきます。
Low End Focus
iZotope、またしてもやってくれました。ローエンドの問題を、EQやコンプでこねくり回さずにスパッと解決してくれます。弄るパラメータの少なさに対してかかりの調節のしやすさが絶妙です。見ての通り、パンチを出したいかスムーズな音がいいか、強い成分と弱い成分のコントラストをどれだけ効かせたいかを指定するだけで低域がほどよく締まります。締める帯域は自由に動かせますが、僕はこのデフォルトの設定(250Hz以下)が好きでした。
Master Rebalance
RX7でMusic Rebalanceが入ったので来るかなとは思ってたんですが案の定来ましたね。2mixの中からボーカル、ベース、ドラムの音量だけを変更出来る凶悪なモジュールです。これがあれば、ミックスで不十分だった/やり過ぎたボーカルのオートメーションが直せたり、ミックスした環境で足りていなかった/多すぎたベースの量を微調整出来ます。2mixを書き出してOzoneで読み込んだ後に「やっぱりベースが…」なんてこと、結構あるんじゃないかと思うんですが、Ozone 9からはDAWに戻らなくても前に進めそうです。
Master AssistantにVintageモード
Ozone 8を使っていて「何でOzoneにはこんなに色んなモジュールがあるのにMaster Assistantでは全部使わないんだろう?」と疑問に思ったこと、有りませんか? 僕はあります。Ozone 9では解消されています。Vintage EQやVintage Compressor、Vintage LimiterがMaster Assistantの提案の中に含められるようになりました。今までOzone 9の外で色付けしてからOzone 9に持ち込んでいた人も、Ozone 9だけで完結しやすくなるかも。
Tonal Balance Control 2
ただのメーターでは無かったメーターが、更に只者ではないメーターに進化しました。Tonal Balance Control 2の中から別トラックに刺さったOzone EQやRelay等にアクセス出来るのは前バージョンと変わらずですが、そこに帯域ごとのソロ、そしてAlt + Click(MacではOption + Click)でクリックした部分だけの試聴が出来るようになりました。ジャンルのプリセットも前バージョンから格段に増えて13ものプリセットから選べるようになっています。ミックス全体のバランス調整をNeutronやOzoneで行っていれば、Tonal Balance Control 2の中だけでミックスの微調整が完成し、ホストDAWのミキサー画面を左右に行き来するまでも無くなるかも。
細かい(でも嬉しい)アップデート
UIのリサイズがOzoneにも来たことと、Dynamics、Exciterを起動した時のデフォルト状態がシングルバンドになったのはUXの観点から言って地味にありがたいポイントだと僕は感じます。Ozone 9 EQの見た目がNeutron 3やNectar 3とちゃんと揃ったのもすっきりポイント。あと、独立モジュールになったMatch EQは恐らく皆さんが思ったよりも自然にさり気なく音をマッチさせてくれると思います。今バージョンからマッチさせる帯域を限定出来るようになったのもポイントです。
まとめ
iZotopeはこれまでも従来のワークフローの改善ではなく新しいワークフローを提案してきましたが、Ozone 9でもその問いかけは健在でした。今後ミキシングやマスタリングは一体どこまで楽で楽しいものになっていくのか、今から期待してしまいます。