自分の中にあった真っ黒くて醜い塊。。
今日は、息子の卒業式。
新型コロナの感染予防のため、保護者の参加はなし。
式も各教室で、校長先生の話を放送で聞きながらになるそうだ。
本当に残念だけど、ある意味忘れられない思い出深い卒業式になった。
今年の7月で19歳になる息子は、生後2か月でアトピーを発症した。
髪の毛がほぼ抜けて、顔も真っ赤。
大豆系のもの全て、砂糖、お米、ヨーグルト、全てOUT 。
食べれるのは、おいも、カボチャと塩。
お米を食べれないから、キビとか食べたこともあった。
描きむしって泣く息子を抱っこしてどうにもならず途方にくれた。
何件も小児科を回ったけど、誰も「アトピーです」とは言ってくれなかった。
当時、アトピーという言葉が言われ始めたころで、誰もが「アトピーである。」事に敏感だった。「アトピーです。」と言われ医者と揉めるケースもあった時代なので、医者側もすごく慎重になっていたと思う。
ネットで検索してとても評判の良かった小児科にたどり着いて、始めて息子を連れて行った日「アトピーです。治療が必要です。」とはっきり言ってくれた。
家からとても遠く、人気があっていつも混んでいたけど、その先生を信頼し何年も通った。
その先生は、対話を大切にしてくれる先生だった。
「お母さん、心と体は繋がっているんですよ。そして母親の心と赤ちゃんも繋がっているんですよ。」
私は誰にも言えなかった、アトピーに対する葛藤や悲しみも先生は黙って聞いてくれた。
息子は、いつも小児用ベットでスヤスヤと寝てる場合が多かったので、どちらかというと私のカウンセリングの為に通っているような感じだった。
ある日ふと自分と母親の関係について話したことがあった。
実家にいたころ、わたしは「自分はダメな子」「この家に居ても居なくてもいっしょ。」「いつも母親に怒られてばかりの私は心が汚れた子」
そんな風に思っていた。
「先生、わたしは自分の中に真っ黒い塊があると思うんですよ。その塊は真っ黒で醜い塊なんです。。。それは衝動のようなもの、そんな感じがするんです。。。」
とぼそっと言う私に、
「お母さん、醜いだなんて言わないでください。その塊は真っ黒かもしれない。でもその塊の中には悲しさや、つらさがいっぱい詰まっているんですよ。。。」
静かにそう言われた。
その時、
自分の中で「パリーン」と何かが割れる音がハッキリ聞こえた。
声を上げて泣いた。
不思議な事に、その夜、いつもは夜中に描きむしって泣く息子がスヤスヤと朝まで眠った。
私の心が癒されたとき、息子にも伝わるんだ。
本当に母親と子供は繋がっているんだ。
息子のアトピーがあって、この先生と出会うことが出来た。
そして、私の心の中に何十年も「あった」黒くて醜い衝動のような塊がなくなった。
息子は、少しずつ少しずつ除去する食べ物が減り、小学校入学前にヨーグルトが解禁となり、すべて食べれるようになった。
そして、私と母親の関係も大きく変わって、今はとっても仲良しになった。
これも息子のお陰だと心から思っている。
🐈 本日のネコフォト 🐈
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