恐山に泊まる③(宿坊と朝の恐山)
前回の続きです。
宿坊での夕食は17:30から。5分前に食堂に集まるよう館内アナウンスが流れます。
豪華です。
精進料理なので肉や魚を使用しないメニュー。
味噌汁も出汁を引かず、お味噌だけのシンプルな味わいです。
恐山オリジナル塗り箸でいただきます。
食事の際には“五観の偈(ごかんのげ) 食事五観”を全員で読み上げました。
本来ならば適度に働いて、翌日働けるだけの食べ物を摂取して、それを繰り返して只生きていくだけでいいはずなのに、
人間って何でこんなに複雑なことになっているんでしょうかね。
お風呂には3分〜10分で入浴を終えてくださいと注意書きがあります。
目に入ると危険なので、洗顔や洗髪も禁止。
今まで入ったことのないような、形容し難い不思議なお湯でした。
内風呂の大浴場に入ったあとはもう何もやることがないので、部屋に置いてあった本を読んで20時半には寝落ちしました。
翌朝は日の出前に散策したかったので5時に起床。
硫黄の匂いが凄すぎて、友人とくさい…と言いながら起きました(何故か外より宿坊の中の方が強い硫黄の匂いがします)
朝風呂のあと寒さ対策をして外に出ると…
異世界………🥺
地獄ゾーンにはあたり一面霧が立ち込めていて、我々が歩く音と風車が回る音、水が静かに流れる音だけが聞こえます。
地獄を抜けて極楽浜へと向かうと
………
水面に山々が映り込み、霧が立ち込め、霧の中の湖にカモが浮かび、シルエットだけ遠くに小さく見える……
風車の傍らにはお花が供えられていました。
硫黄のガスの影響で、生花はすぐに枯れてしまうそうです。
昨日お供えしたふたつの風車も、朝の極楽浜を見つめていました。
この早朝の恐山は、宿坊に泊まらないと見ることができない光景です。
この宿に泊まってよかった…
散策のあと、6:30からは朝のお勤めがあります。
本堂などの写真はありませんが、読経と御祈祷のあと貴重な仏像を間近で拝見することができました。
こちらも宿泊客しか見ることができないそうです。読経は低音の美声と太鼓のビートの相性が良すぎてテンションが上がりました。
お勤めのあと7:30からは朝食です。お箸を持参して食堂へ。
朝も五観の偈を読み上げてからいただきます。
その後10:00にチェックアウト。
バスが来る前に門の外にある三途橋を見に行きました。
老朽化で橋を渡ることはできませんでした。
2024年に再建予定で、石造りになってしまうそうです。この赤い橋が見られるのも来年いっぱいかもしれません。
水の透明度がすごい。
リサイクルガラスのような淡いブルーグリーンが本当に美しいです。
大満足で下山します。
後々調べたらまだいくつか地獄があったらしく、見逃してました🥲
次回は地獄を全制覇したいです。
宿坊はスケジュールが決まっているのでとても楽。
観光とお風呂の時間もたっぷり取れて、ストレスフリーの宿泊でした。
恐山観光の際には是非宿坊に泊まってみてください。
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