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モハメド・サラーのドリブルを徹底分析
こんにちは!
サッカーのパフォーマンスコーチをしている田中五大です。
今回のnoteのテーマは『モハメド・サラーのドリブルを徹底的に深掘りする』
リヴァプール所属のモハメド・サラーのドリブルはスピードが速く、右サイドで中にカットインしてシュートや縦に突破して深い位置から潜り込んでクロスやシュートなどバリエーションが多彩です!
そんなサラーのドリブルにある身体の使い方や動きの特徴などについて見ていきます!!
サラーのドリブル
サラーがルイスをぶち抜いて決めたドリブル弾に対する海外メディアの反応
— FootballioN (@football_lion_) August 25, 2019
The Sun
「サラーがルイスをホラー劇場に招待し、リバプールがアーセナルを切り刻んだ」
The Independent
「サラーが幻惑に追い込み、ルイスにとってアンフィールドの悪夢は継続。脳をかき乱した」pic.twitter.com/PhofqNpRvx
セインツ戦の高速カウンター
— タマランチ (@akitasl) April 8, 2019
サラーの高速ドリブルに対して
フィルミーノが爆速で並走
両方ケアしないといけないDFは地獄
最後はフェイント入れてアンクルブレイク
CKからの高速カウンターは
W杯のベルギー戦でもあった
後ろから走りながら見てる吉田は思い出したかも pic.twitter.com/TSQIdq7g5Y
ファン・ダイクの無駄のないキック→サラーのトラップ、手を使って相手を引きつけないでスペースを作りながらドリブル→コウチーニョのようなお尻の筋肉を生かした強烈なシュート
— 弘誠@サッカー解説/トレーナー (@American__kossy) May 6, 2020
どれもレベルが高過ぎる。。。 pic.twitter.com/AFRa4yF1Wi
DAZNのYouTubeでサラーのプレー集見てたけど、ドリブルで抜いていく度に観客が徐々に立ち上がっていくの好き pic.twitter.com/zucG47vQrd
— REI (@fr32381) May 23, 2022
動画を見てもらってわかるようにサラーは縦にも突破できる上に、中にカットインしてシュートやクロスからのチャンスメイクなども出来ます。
チームのスタイルなどにもよりますが、サイドの選手は縦に突破することが一番怖い選手と言えます。
縦に突破できるから中のスペースが空いてカットインなどがより効果的に使うことが出来ます。
サラーがルイスをぶち抜いて決めたドリブル弾に対する海外メディアの反応
— FootballioN (@football_lion_) August 25, 2019
The Sun
「サラーがルイスをホラー劇場に招待し、リバプールがアーセナルを切り刻んだ」
The Independent
「サラーが幻惑に追い込み、ルイスにとってアンフィールドの悪夢は継続。脳をかき乱した」pic.twitter.com/PhofqNpRvx
このシーンは完全に縦というシーンではありませんが、ほぼ直線の突破です。
まずはこのシーンにある身体の使い方、動きの特徴を見ていきましょう。
サラーの縦突破
サラーがルイスをぶち抜いて決めたドリブル弾に対する海外メディアの反応
— FootballioN (@football_lion_) August 25, 2019
The Sun
「サラーがルイスをホラー劇場に招待し、リバプールがアーセナルを切り刻んだ」
The Independent
「サラーが幻惑に追い込み、ルイスにとってアンフィールドの悪夢は継続。脳をかき乱した」pic.twitter.com/PhofqNpRvx
このシーンで起こった現象を一つずつ見ていきましょう。
まずは一人目を交わしたシーンから。
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外側の空いているスペースへ1タッチで運び、加速して相手の前に入りスピードアップ。
スピードを上げたまま直線的にゴールに向かう。
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加速したまま少し中に入りながらディフェンスの走るコースの前に入る。
ディフェンスはサラーの背中に入るのでボールは奪えない。
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ディフェンスの前に入った後はシュートコースを見ながらスピードを落とす。
そのままファーに正確なコントロールシュートを打つ。
では、身体の動きを見ていきましょう!
一人目を交わしたシーンから加速が始まっていますが
一人目を交わすところは加速する前に直角に方向を変える動きが入っています。
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ターンする時は全て左足で。
右足→左足でそれぞれ方向を変えながらターンをスムーズにしています。
ターンする時の角度が深くなればなるほど難易度は上がるうえに、スピードが速い状況だとなお難しいと言えますが、このシーンでは"重心のコントロールを行いつつも向かいたい方向に脛と体幹を倒しつつスピードを維持してターンを行うことが出来ています"
ターンした後はひたすら加速です!
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ボールタッチ→加速
の順番で動作を行なっています。
加速する時に脛が前方に傾くこと、進行方向に向けることでスムーズな加速を行うことが出来ます。
サラーも画像にあるようにこの脛/体幹の傾きを作れているのでスムーズかつ爆発的な加速が出来ています。
さらに足が地面に着いた時の足首は、適切な固さを作れたまま接地しています。
この固さによって地面からの反力を身体に伝えることが出来ているので、より爆発的な加速を実現出来ています。
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横から見た時はこのようになっていて脛の傾きによって、加速がスムーズになってきます。
その後加速したまま中に入っていき、シュートまで持っていきます。
シュートの前には緻密なボールコントロールが必要になります。
そのためにこのシーンではある程度のスピードは維持したまま、減速してボールをコントロールします。
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左足でボールタッチした後、右足の接地でシュートを打ちやすい位置に身体をコントロールするための減速+方向転換をしています。
その時に必要な要素として、加速の時は脛の角度は前に傾くことでしたが、減速の場合は反対になります。
このシーンでは脛が立つことで減速の成分が加わるので、向かいたい方向にスムーズに向かうことが可能になります。
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その後のシュートはファーサイドに少し巻きながら流し込む綺麗なコントロールシュートです!
サラーのカットイン
ファン・ダイクの無駄のないキック→サラーのトラップ、手を使って相手を引きつけないでスペースを作りながらドリブル→コウチーニョのようなお尻の筋肉を生かした強烈なシュート
— 弘誠@サッカー解説/トレーナー (@American__kossy) May 6, 2020
どれもレベルが高過ぎる。。。 pic.twitter.com/AFRa4yF1Wi
次はサラーのカットインです!
右サイドから鋭い切り返しで中に入っていきそのままシュートはよくみる形だと思います!
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ディフェンスと正対した状況から鋭い切り返しで中へカットイン。
そのまま加速。
ディフェンスに追いつかれるが振り払う。
振り払ってからそのままシュート。
サラーの得意な形のカットイン。
トラップもめちゃくちゃ上手いのですが、ディフェンスを一瞬で剥がすカットインはサイドでプレーする選手は持っておくべきスキルの一つと言えます。
ディフェンスを一瞬にして置き去りにするための身体の使い方、動きを見ていきましょう!
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このカットインにある身体の動きを見ましょう。
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後ろから姿勢をみた図になります。
右脚は外に開いて、体幹も右に傾いています。
右脚を外に開いて着くことで、方向転換を行う脚となり、地面からの反力を得て切り返しを行うことが出来ます。
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また、一瞬右肩が右に傾くことで左側の体幹側面が伸張されることで、伸張反射が生まれより速い切り返しを可能としています。
さらに切り返しに使う右脚の内転筋も伸ばされます。
それにより内転筋の伸張反射も使うことが出来るので、爆発的な切り返しを行うことが出来ると言えます!
鋭く切り返す時には切り返しに使う軸足を外に開きつつ、体幹も一瞬傾けることでより速い爆発的な切り返しが出来ると言えます。
サラーのカットイン/切り返しの局面ではこのような身体の使い方と動かし方があると言えます。
次に切り返して中に入っていくシーンです。
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鋭い切り返しが出来たとしてもディフェンスは付いてくる可能性はあります。
切り返した後に急加速が出来ればディフェンスをより剥がせることが出来ます。
加速をするために脛を前に傾ける必要があると前のシーンで説明しました。
このシーンでも同様にサラーは脛を前に傾けています。
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脛と体幹が前方に傾くこと、進行方向に傾くことでより速い加速かつスムーズな加速をすることができる身体の使い方であると言えます。
やはり、足が速いと言われている選手はこういった身体の使い方が共通してしっかり出来ています。
さらに急加速、爆発的な加速を生むために必要になるのが"足首の安定/固さ"です!
足首の固さを作ることでよりアキレス腱や足底の伸張反射伸張反射を生み出すことが出来ます。
このシーンで言うと左足でボールタッチをした後に、左足を着いて左足で加速を行います。
左足が付いた瞬間に左足首が固定出来ずに足首が深く曲がりすぎてしまうと、効果的に地面からの力を受け取ることが出来ずに、加速する力は落ちてしまいます。
なので、足首の角度は固定したままの状態で地面に着くことが求められます。
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足首の固さを作ることはフットボーラーには必須のスキルと言えます。
このシーンにおいてもサラーの身体の使い方/動きは理にかなっていると言えます。
サラーの深い切り返し
もう一つサラーの得意なプレーと言える"深い切り返し"を分析してみます!
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— Liverpool FC (@LFC) June 10, 2022
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ペナルティーエリアの少し外でボール受け、ターンと足裏で2人かわす。
少し中に運んだタイミングでキックフェイント/切り返しをして最後の1枚を交わして右足でシュート
左足でのキックフェイントをしてから深い切り返しをして縦の深い位置まで運び、右足でシュートをしたシーンです。
その前の2人ほど相手を交わしたシーンも圧巻ですが、最後の切り返しはディフェンスも予想出来なかったと思います。
狭いスペースの中で、これだけ深い切り返しを行うための身体の使い方には何が隠されているのでしょうか。
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このキックフェイントで切り返したシーンです。
軸足が着くと同時にボールタッチを行います。タッチしたボールは縦に流れ、急加速をしてシュートまで持ち込む。
キックフェイントなので切り返しをするだけと思われがちですが、この狭いスペース、短い時間の中で確実に再現性高くプレーを実行出来るのには理由があるので詳しくみていきましょう。
ボールタッチした左足は方向を変える足となり、右足は加速の足となります。
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この画像では左足でのボールタッチと同時に切り返しを行なっています。
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ディフェンスと被っているので少し分かりづらいですが、この場面では右足での加速を行なっています。
キックフェイントで方向転換をする時は"次に進む方向を決めること"が重要になってきます。
つまり方向を定義することが大事になります!
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どっちの方向に進むのか。
このシーンではほぼ直角に切り返しています。
ボールのどこに足を着くのかによって進む方向を決まります。
基本的に着いた足と反対方向が進む向きになります。
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このシーンでは直角に切り返しているので、ボールの真横に足を着いています。
さらにボールタッチする直前に右足を少し引いています。
右足を引くことでボールが通るスペースを開け、よりスムーズなキックフェイントを行なっていると言えます。
足の着く位置によって次に向かう方向が決まることは非常に重要で、スムーズな切り返し、方向転換を行うためのポイントの一つになります。
さらにこの切り返しでは身体の回旋を使って効率的な切り返しを行なっています。
このシーンでは画像から体幹は左に回旋しています。
左腕は背中の後ろに回り、右腕も身体の前まで回っています。
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体幹が左に回ると骨盤は相対的に"右"に回りやすくなります。
切り返したい方向と骨盤が回る方向は一致しているのでより効率的な動きと言えます。
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キックフェイントはキックが前提のフェイントなので体幹が捻れる動きが入ります。
それによって効率的な切り返しを行なっていると言えます。
トレーニング
*HOP*
https://twitter.com/godai_strength/status/1527173722234179589?s=20&t=0ujSkL7cS9DkgLricgPZ8w
船さんありがとうございます😂
— 田中五大 Godai Tanaka (@godai_strength) May 19, 2022
ここ最近は毎日跳ねております🦵🦵🦵#サニトレ#HOPチャレンジ#マサイ族を超えたい https://t.co/rzpeHPQD56 pic.twitter.com/ffAyzg9DPR
縦に突破するときに地面からの力も使って前への推進力を得ます。
ロスを減らすために地面と足が接地している時間をなるべく短くすることが求められます。
そのための基本的なトレーニングでHOPは有効になります。
力を使って高く跳ぶのではなく、地面からの伝わってくるエネルギーを筋肉や腱などを使って跳びます。
効率よく跳ぶために、足の位置、骨盤の位置など丁寧にセットしてから行います。
*wide HOP*
カットインなどの方向転換に必要な身体の使い方。
踵を外に弾くように脚を外に開きます。
急激な方向転換を行うために必要なムーヴメントと言えます。
*Cutting Movement*
切り返しや方向転換に必須のステップスキル。
地面からの反発/反力を得ることは推進力を生み出します。
地面反力のような外的なエネルギーを得ながらも、地面に足が着いた瞬間に生まれる伸張反射になどによる内的なエネルギーも使うことでより爆発的なエネルギーで一瞬のスピードを生み出すことに繋がります。
まとめ
今回はモハメド・サラーのドリブルについて分析してきました!
サラーは縦にも突破できる、中にも入っていける、狭い中でも切り返しができるなど様々なパターンを持っています。
それゆえにプレミアリーグで得点を量産出来ているのだと思います。
今回サラーのドリブルを分析して
縦突破に必須の急加速
足首の安定/固定
カットインの時の足の着き方
切り返しの時の方向決め
主にこの辺りが重要になってきます。
加速をする時の足の使い方やカットインするときは方向転換の足の使い方など、基本的な身体の動き/使い方ですが、非常に重要なことです。
最初にも書きましたが、サイドの選手は縦に突破することがディフェンスにとっては一番怖いと言えます。
縦に突破することで中のスペースが相手来たりなど、ディフェンスとの駆け引きを行うことが出来ます。
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ここまで読んでいただきありがとうございます!!
次回の記事も楽しみに待って頂けると嬉しいです!
Writer by Godai Tanaka
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