キックフェイントの実態❷
前回、キックフェイントについてマフレズがしたキックフェイントから紐解いていきました。
そして、キックフェイントだけをみていたら他にもみえてきたものがあったので今回はキックフェイント第2段という事で記事を書いていきます。
マフレズはキックフェイントでの切り返しの中で主に2パターンあると考えます。
1つ目は前回の記事であげたシーンのようなキックフェイントでそのまま進行方向に進むパターン。
キックと見せかけて蹴り足で進みたい方向にボールを出して進む。
絶妙なボールタッチが求められると思います。
キックの蹴り足をそのまま進行方向への推進力へと活かせるので相手はついてくる事が出来ません。
非常に効率の良い交わしと言えます。
次のパターンがキックフェイントを入れてから少し止まるパターンです。
3分17秒からのシーンです。
GIFにしてしまうと少しわかりづらいですが、キックフェイントを入れ、切り返してすぐに少し止まってから進行方向へのボールタッチをしてます。
相手が大きく引っ掛かったというのもありますが、このシーンだけでなく他のシーンでもみられるため多用しているものと思います。
少し止まるため、次のタッチの確実性は高まりますし、正確なボールタッチは行えます。
しかし、少し止まる分相手に時間の猶予を与えてしまうため、詰められる可能性もあります。
このシーンでは相手が大きく引っ掛かったことで詰められることはありませんでしたが、あまり引っ掛からなかった時に相手から寄せられてしまう可能性は十分にあります。
このパターンを行なっている選手が日本にもいました。
話題になっているセレッソ大阪の坂元です。
左足でのキックと見せかけてボールを止める。
左足で進行方向へボールを運びつつ右足で加速する。
相手の矢印をずらすためには大きなモーションを入れる必要がありますが、大きくしすぎると次の動作が遅れる可能性があります。
そこを含めても坂元のキックフェイント・切り返しは秀逸と言えます。
今回はこのような2つ目のパターンについて深掘りし、思考していきたいと思います。
キックフェイントおさらい
まずはキックフェイントのおさらいをします。
前回の記事でこのようなポイントがあると説明しました。
・本当のシュートとの踏み込み足の違い
・大きなシュートモーション
・重心の位置
・胸郭と骨盤の関係
・伸張反射
この5つをポイントとしてあげました。
本当のシュートでの踏み込み足の違い、大きなシュートモーションではいかに相手を騙せるかということも重要になります。
重心の位置は非常に重要で大きく変化することはないということがポイントです。
人間の身体での分離運動は欠かせないもので、キックフェイントでは胸郭と骨盤の関係がそれにあたると書いています。
そして伸張反射では側方の伸張反射を利用している事が大きいと考えました。
上下だけではなく側方の伸張反射も使える事でパフォーマンスはより大きくなるのではないかと思います。
ざっくりですが、このようなキックフェイントにはポイントがあると考えています。
止まるキックフェイント
ここから前回の記事を踏まえた上で2つ目のキックフェイントであるフェイントを入れてから止まるについて深掘りしていきたいと思います。
C大阪の坂元の切り返し。
坂元のキックフェイントにはなぜやられてしまうのか。
一度止まることのメリットは何か。
みていきます。
このシーン対浦和レッズ戦がわかりやすいです。
特徴としては
大きなキックモーション
角度の深い切り返し
脚の入れ替え
と言えます。
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