ゲーム業界も人件費増が訪れています。
こんばんは。
これは最近に始まったことではないのですが、ゲーム業界にも人件費増の波が来ているということについて書きます。
ざっくりというと7年前と比べて、人月単価は30万近く上昇しています。
業界によっては「人月単価」という言葉に馴染みがないかもしれないので、ご説明します。
ゲーム開発はもちろんコンピューターやソフトウェアを用いていますが、それらを使ってゲームを制作しているのは人なので、結局どれだけの人数の人がどれだけの期間かけてゲームを作るかということが、製作コストになります。
1ヶ月、1人の人材を確保した場合のコストを人月と呼んでいます。
この人月コストの中身は
・人材への報酬
・オフィスの賃料
・パソコンやソフトなどの機材費とその維持費
・福利厚生費
・人材採用費
・バックオフィス費(開発者だけでは会社は回らないので、経理、総務、
営業、人事など非開発部門、間接部門と呼んだりしますが、それら開
発には直接関わらないが会社の事業運営上必要な人材の報酬など)
etc…
では何が要因としているのか。
オフィス賃料はコロナ渦のリモートワークなどによって、解約が増えて首都圏に限って言うと空室率は高い水準で推移しているので、賃料が押し上げているということは要因には当たりません。
ちなみに人月単価が上がっているので、実際に働いている労働者、クリエイターの賃金も上昇しているかというと、正社員でいうとそんなこともありません。
おそらくそのような実感を持っているクリエイターは、一部の企業の人たちに留まってると思います。
これが今の日本という国の病です。
企業経営者も先行き不透明なので、内部留保にもっていってしまってるんでしょう。
また、そもそも労働生産性が低いので利益率が低いのでせっかく出た利益を残したいという心理が働くのも分かります。
話を戻しますが、人件費を押し上げているのは物価上昇があります。
今年に入って電気代もガス代も上がり続けていますし、半導体不足でそれらを使う製品の値段も高止まりしていたり、上昇しています。
さらには物流費も世界的に高くなっています。
そういうものの蓄積で間接コストが上がっているのです。
また、他の産業同様に少子高齢化の影響で人材不足が始まっています。
ゲーム産業が労働生産性が低くブラックな労働実態なのもあって、優秀な人材が集まりづらくなっています。
人材採用費や優秀な人材(経験やスキル)の獲得のためにそういった人たちを雇用するための費用が上がっています。
ここでも二極化しているわけです。
特に顕著なのが派遣会社の派遣費が高騰しています。
プランナーはわりと安い職種なのですが、これぞという経験とスキルを持つ人だと人月80万〜90万円します。
プログラマーともなると100万円というのもザラです。
特にサーバーエンジニアなど、絶対数が少ない職種は人月120万円とか普通にあります。
ただ派遣会社は40〜60%程度とってるところが多いので、そういった人たちの賃金も必ずしも高いわけではありません。
現在、開発会社の人月単価は90〜100万円です。
メーカーやパブリッシャーともなると150万円以上のところもあります。
人月の上昇が労働者、クリエイターの賃金上昇に繋がっているのならば良いのですが、そうではないところが悲しい現実です。
最近発売されているコンシューマゲームの定価が9000円近いものが増えている理由は、この人月単価の上昇です。
賃金と連動するようになることを願うばかりです。
あとは、生産性の低い状態を改善できると様々な問題が改善するように思います。
そのためには?ということは間接的ながら、これまで書いているような人材育成やプロジェクトマネジメント、組織マネジメントなどの実践と積み重ねではないかと思っています。
引き続き、私のできる範囲で公私ともに頑張っていこうと思います😀