ゲームプロデューサーが委託先を選ぶ際に考えていること
こんにちは。
本日は現在の大規模したゲーム開発には欠かすことができない協力会社や委託先、個人事業主の方などパートナーを探し、選択する際のことについて書きました。
パートナー探しや決定は、プロジェクトの成否に影響を与える重要な要素です。
アートディレクター、ディレクター、リードプログラマー、リードプランナー、サウンドデザイナーなど各職種のリーダーなども選定には関わりますがその最終的な意思決定はプロデューサーの仕事です。
どの時期にどれぐらいの人材を投入するのか、アセットを制作するのかということについてはプロジェクト全体の工程段取りとスケジュールと予算の兼ね合いから判断します。
そのためにPL(損益計算書)やBP(ビジネスプラン)、WBS、アセット管理リスト、アサインリストなどを作成、管理しています。
プロデューサーの仕事については、noteに書いているので貼っておきます。
ディレクターとプロデューサーの違いについて解説しています。
違いをまとめたEXCELファイルも添付しています。
プロデューサーはクリエティブもビジネスも好きな人が向いてます。
数字も大切なので、バランスを取る仕事とも言えます。
そしてシリーズタイトルでは、そのブランディングやIPを育成したり、価値を上昇させることも考えないといけません。
単発で売れるものを作れば良いというわけではないのです。
とちょっと脱線しましたが、話を元に戻します。
ゲーム開発では委託先としてもっとも使っているのはアートアセットです。
具体的には
・3Dのキャラクターモデリング(人物、モンスターなど)
・3Dの背景モデリング
・3Dモーション
・3Dカットシーン(ムービー)
・2Dアニメーション
・Live2D/Spine
・2Dイラスト
サウンドもたいていが委託です。
サウンドデザイナーをインハウスで配置しているデベロッパーは稀です。
メーカーでも縮小の傾向が強いです。
・BGM、SE、ジングル
音声収録も委託です。
声優の手配からレコーディングスタジオの手配、音響監督の手配など。
シナリオやフレーバーテキストなども委託するケースが多いです。
それぞれに考慮することは異なるのですが、共通してあるのは
・制作実績
これまでにどのようなタイトルのどんな制作に関わっているのか
・制作能力
どのぐらいの人員がいて、月産でどの程度の制作が可能なのか
・コスト
制作費がどれぐらいなのか
・得意なジャンル、不得意なジャンル
どういうものを得意としていて、どういうものが不得意なのか
・リテイク回数の制限
どういう条件で何回までのリテイク対応をするのか
・発注資料への要望
発注資料がどの程度、細かいものが必要なのか
・クオリティー
これはMtgだけでは分からないのでポートフォリオをもらい、さらにテスト制作をしてもらって、その成果物で判断します。
・対応可能時期
ラインの空き状況が発注したいタイミングと合っているか
ということを確認します。
また、発注しようとするものがオリジナルではなくIPものの場合には、そのIPを知ってるかどうかも確認します。
何故かというとIPを理解するのにも時間と労力が必要なので、それを省けるのはお互いにメリットがあるからです。
また、既存タイトルの運営用のアセット制作の場合はそのタイトルを知っているか、遊んだことがあるかということは確認します。
この有無だけで判断することはありませんが、プラス要素にはなります。
完全新規オリジナルタイトルの場合は、予めこちら側でこの人に、この会社へ頼みたいというのを調べて決めていたりもします。
ここでも大切なのはコストとクオリティーのバランスです。
どんな良いものを制作してくれるとしても、あまりにも高くてBPに照らして合わない場合には発注をしませんし、安いからといって実績もなく、品質も低い場合にはもちろん発注しません。
この辺のさじ加減もプロデューサー次第です。
仕事を受けたいと思っている個人や企業の方にアドバイスするならば、制作実績、特に誰もが知ってるようなタイトルがあればそれはしっかりアピールした方が良いです。
そういう制作実績がなければ、数で勝負なので関わったタイトルはプレゼンしましょう!
また、ポートフォリオや制作物はすぐに提供できるようなものをパッケージしておいた方が話が早いです。
もちろん、案件によっては非公開などあるので公開できるものでOKです。
また、非公開案件でもどんなジャンルのものかどんな規模のものかなど言える範囲では伝えた方が良いです。
なんでもできるはなんにもできないなので、しっかりと自分の、自社の強みと弱みは棚卸しして明確にしておき、説明した方が良いです。
そして、案外と知られていないケースが多いので不断の営業活動は結構大事です。
クライアントになりそうな企業のHPの問い合わせ窓口でも良いですし、知り合いへの連絡でも良いですが、とにかく知ってもらう努力は大切です。
私もつい先日、探していていろんな知人、友人に聞いて知らない会社をたくさん開拓できました。
このように業界で25年ほど働いていて、プロデューサーをしていも知ってる会社の方が少ないわけです。
すぐに仕事に繋がらなくても、フィットする案件があった時には連絡がきますから積極的営業活動をオススメします。
HPなど作って待ちの営業も良いですが、そもそもそれはあなたやあなたの会社のことを知っていないとほぼたどり着かないので、あなたから接触することは大切です。
私も日頃からアンテナを貼って、新しい協力パートナーとなりうる会社や個人のクリエイターを探していますので、情報ありましたら教えてください^^/