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ラストマンシップの必要性

1.はじめに



ラストマンシップとは、文字通り最後の人として頑張るということだ。最後の人というと、凄まじくプレッシャーに感じるが、要するに責任感を持って働けということである。

仕事に責任感を持つことは簡単なようで難しい。よくお客様の感謝がやりがいに繋がるという言葉があるが、サービス業では1の感謝と79の無反応と20の罵声がスタンダードな勢いだ。片や、感謝等とは無関係に、市場だけを見て、淡々と仕事をすればいい業界もあるが、そのような仕事は実は社会的には存在しなくても十分成り立つことを当の本人達は自覚している。もちろん後者の方が金払いはいい。

よくJTCは生活保護のようなものだと言われるが、確かに工場で価値を実際に作り出している人たちから見れば、やる必要がないことを延々とやっているように思われてもしょうがないかもしれない。

また、現代には仕事以外に喜びを感じられるものが沢山ある。何か映えるもの(自撮り含む)をとってInstagramにあげたり、あえて伸びそうなツイートをしたり、手軽に快楽を得られるコンテンツが無数に存在する。

若者達はこれらを知っている。知っているからこそ、仕事に責任感を感じることは難しいし、ラストマンシップを持って仕事をしている若手はあまり見かけない。

一方で中間管理職の方々はラストマンシップを持っている方が多いように見られる。不思議な話で、若者よりはよほど社会の歪さや無意味さを見ているだろうに、なぜラストマンシップを持って、責任ある仕事ができるのだろうか疑問に感じるが、彼らも彼らなりにその結論にたどり着いているだろうし、自分はまだその域に達していない。

彼らに激励され、そこそこに仕事をしている自分の目線から、ラストマンシップの必要性や、方法論について書いていきたいと思う。

2.ラストマンシップの身につけ方


普通の職場であれば、徐々に若手に振るタスクのレベルを上げてストレッチしていく。しかし、現代の難点は働き方改革により、ストレッチさせることが難しいということだ。

定時になったら仕事をあがるというのは、理想的なだし、推奨されるべきことだが、勘違いしない方がいいのは、その時間から更に仕事は続いているということだ。

だいたいの仕事は管理職がこなしていて、気づいたら自分の知らないのうちに仕事が終わりかけている。これは喜ばしいことではなく、ある意味危機感を感じた方がいい。

一方で会社の命令で定時、もしくは早く帰るように言われていて、残業したくても残業できず、気づいたら残業のない前提の生活サイクルが出来上がっていて、簡単には変えられないという人もいるだろう。

今は時代が変わって、勝手に紙で印刷して家で仕事をすることもできないし、かといって会社に残り続けていたらマイナス評価に繋がるかもしれない。

「はじめに」ではラストマンシップの方法論を書くと言ったが、実際問題、ラストマンシップというものは意識するしかない。そして意識するだけでなく、無駄な時間をカットして、仕事に繋がる時間を増やすということが必要となる。

例えば、無駄な時間は、電車の中でソシャゲをやっている時間だったり、帰ってからyoutubeを見ている時間であったりする。

気を休める必要もあるが、単純な快楽を得ていると頭がバカになるし、人間の頭はそんなにオンオフを切り替えられるようになっていない。

それよりも、本を読み、絵画を観て、人と呑む時間を増やした方がいい。同じ娯楽であっても、常に仕事の考えながら、それらに取り組むのだ。

そして、ソシャゲと違って、それらはやりながら仕事を考えるのに非常に適している。例えば人が読みやすいものについて考えたり、どうしたら相対する相手が価値を感じられるか、考えながら話したりする。

そうすると仕事の時間に仕事のことを考えるのが、意外と苦にはならなくなってくる。

常に仕事に繋がるか考えながら動き、そしてそのようなことができるコンテンツを貪ることで、当事者意識を身につけるのだ。

3.ラストマンシップの効用


効用は、端的に言えば、自分が提供する価値が素の自分から1.1倍になるということだ。成長しやすいとも言う。

ネットを見ると、仕事は60%くらいでもすぐに上司に確認してもらった方がいいという言説がよく見受けられる。時と場合によるが、上司からすれば自分のもとに来る成果物は少しでも出来栄えがいい方が望ましいし、60%よりは70%の方がチェックもしやすく、結果的に上司の時間を奪わないことに繋がる。

またラストマンシップがある人は信頼されやすい。最後までやるし、分からないこともそこそこ自分で解決する意思のある人間の方が、接していて損になりにくい。

だからこそラストマンとして、常に仕事に取り組み続けている姿勢を周りに見せるべきだと思う。

おわりに


ラストマンであることは非常に面倒くさい。常に先のことを、最後の完成を考え続けながら動かなければいけないし、ラストマンシップを持っている人が少ない中で、自分だけが頑張ることは馬鹿らしいようにも思えることがあるだろう。

自分の場合は娯楽を若いうちに貪りすぎて飽きて、また仕事の内容がたまたま楽しかったというラッキーが続いている結果なので、人によっては環境を変えると意外とラストマンとして取り組んでもよいような面白いものに出会えるかもしれない。

責任感を持つということは、ブラックであることを甘んじて受け入れることではないし、好きなもの、マシなものに全力投球するというくらいに受け止めてもらえればと思う。


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