【ようこそ沈没船へ】金融業界ノススメ
6月1日なので書かなければいけないと思った。
タイトルでは金融業界だけがオワコンのように見える書き方をしたが訂正しよう。
まずオワコンなのは日本だ。日本に依存する金融機関もオワコンだ。
主語が大きいように見えるかもしれないが、事実として日系金融業界は日本を見捨てつつある。
いや金融業界が日本を見捨てたのではない。国民が金融業界を見捨てたから、金融業界も日本をまた見捨てるのだ。
昔はどこにでもあった支店は規模を縮小し、ATMも各地から消えつつあるだろう。保険商品は昔よりもしょっぱい掛け捨てが増えたし、カードもポイントの改悪が続きつつある。
昔は日本の下流から中流階級は金融機関のおかげでそれなりに美味しい思いをしてきた。バブルで美味しいおもちゃを取り上げられてからは、無駄に付けたマネーリテラシーや、暇な時間で現場を混乱させ続け、損害を与え続けた。もちろん金融機関側もコンプライアンスが著しく酷い時代があって、それだけのことをされてもしょうがなかったかもしれない。
いずれにしても、その報いを受けるのは子孫たちというわけだ。
無駄に複雑化されたシステムと、しょっぱい金融サービスと、インフレによって苦しめられ、さらに日本がオワコンになっていく。
話は少し変わって、よく海外へのばら撒き、正式には政府開発援助が批判されている。国民の多くは勘違いしているが、海外ばら撒きは、そもそも日本にメリットがあることなのだ。
(大前提としてそもそも日本では使えないお金なのだが、そこは一定の知識が無いと分からないので飛ばす)
海外でばら撒いたお金はきちんと商社やメーカー、金融機関が進出した際にきちんと効果を発揮している。ODAでは現地の当局が懐柔できて、そこで日本の企業が稼いでくる。一方、日本でお金を配っても貰うことに慣れきっていたり、使い方が下手くそだったりして何のメリットも生まれない。こういった環境で、海外に投資して、できる日本人に回収してもらうのは至極合理的だ。
話が逸れてしまったが、無駄に付けたマネーリテラシーも、もはや誤差の範囲になってしまうだろう。
金融機関はもう貧乏人や一般人を相手にしている余裕はない。もちろん表向きにはきちんとサービスを提供し続けるが、どんどん無駄だけど便利なものは減らして、逆に便利だけど複雑なのものを増やして、対応のコストを減らすだろう。
さて、またまた話は変わって、これから金融業界に足を踏み入れようとしている諸君。
昔の金融業界はバカでもできる仕事が沢山あった。君たちより遥かに馬鹿な奴でも出世して、イキリ散らしていた。
今はもう違う。頭が良いやつしか出来ない仕事ばかりだ。何故ならバカができる仕事はバカを相手にする仕事で、そのバカはもう銭種にならないから切り捨てようという寸法なのだから。
チャームがどうとかも、もはやあって当たり前で、無い上にバカだと話にならない。
上には高学歴で愛嬌があって、ゴルフができて、それなりに腹黒いことも笑顔でできる連中がうじゃうじゃいる。
幸いなのは、肝心の会社側にそこまでの魅力がないことだ。
できるやつはドンドン転職して、中ぐらいにいれば、なんとなく出世できるくらいにはなっている。ただし若さを失って、役職定年になると、もうロクな出向先はない。、
安心して欲しいのは、日本を主なマーケットにしている業界はみんな一緒に衰退しているというだ。○○業界はオワコンというのは、日本がオワコンだから起こっている現象なので、そんなに心配しないで良い。そのうち、いやもうすぐ外資のおこぼれをちょうだいする国になるだろう。
さて、最近世の中は生成系AIの話で持ち切りだろう。AIはいわゆる知性ある万能機ではないが、少なくとも根拠をもとに、言語化できる過程から何かを生み出す仕事の多くは影響を受けると考えられる。プラグインと、学習を積み重ねれば余裕だ。
何故こんな話をするかというと、もうこんなものに頼らなければならないほど、金融機関、いや日本全体が人材不足に悩まされているということだ。もっというと人材の練度不足ともいえる。
これは非常に当たり前の話であって、常に何かを改善させようと、その時代の最先端をいく人間が社会を、金融サービスをカスタムし続ける。そして、税法や法令はますます複雑化する。複雑化した時代を作り上げた人間はまだいいが、その後に生まれた世代は、最初から複雑な仕組みが出来上がっていて、維持するのも精一杯だ。それなのに新しい仕組みを作ろうとするから、当時作った人の意図を、それぞれが汲み取れず余計におかしいものができてしまう。
さて、ここで金融業界の中でも、営業が嫌だから、専門職についたり、専門職につくほどの頭はないからシステム系に進もうという学生もいるだろう。私も2020年代という怠惰な時代に学生をやっていたから、手に取るように分かるぞ。
残念ながら複雑化されすぎた仕組みはもはや手に負えないし、いくら自己研鑽しても、仕組み自体が自分が生きてきた期間よりも遥か前から多く作られているから着いていけたら奇跡だ。
さて悲報と朗報がいったりきたりで恐縮だが、あまり心配する必要はない。複雑化されすぎてもはや仕組みがわかる人はあまりいない。みんな本質は分からずになんとなく仕事をしている。嫌になった人は転職している。当局の人間ですらだ。このまま何も手を打たないといつか業界全体に報いが来るのではないかとビクビクしている。
これから金融業界に入るみなさん!
人生は素晴らしい。仕事なんて人生のちっぽけな一部に過ぎない。そんなものより友情や愛情、誰かを守り愛することはとても尊く素晴らしい。
だがしかし、金融という複雑化された仕組みと、無知なものを踏み台にする盤石な概念を、好きで好きでたまらない皆さんは、きっとそんな尊いものには興味がないだろう。
もしかしたら、僕と同じ場所で働く人も中にはいるかもしれない。その際はよろしくお願いします。
それでは、せいぜい勉強を頑張って、一緒に業界の行く末を、日本の末路を最前線で見届けましょう。