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省略された関係
人間同士の関係というのは数え切れないほどある。
家族関係、友人関係、恋人関係、主従関係……
パッと思いつくだけでもこの程度で、人と人との繋がりの数だけ関係があり、それら全てに名前がついている訳では無い。
したがってニュースや書籍にはできるだけ登場人物の関係名称は詳細に書くようになっている。
友人関係にあった被害者を殺害、A君とは恋人関係だ、僕とメイドさんは主従関係にある……そんな具合に。
しかし1個だけ、皆があえてその関係を書かないものがある。
それは身体の関係だ。
これに関しては「身体の」を省略し、「関係を持っていた」と表現されることがあまりにも多い。
芸能人Bと関係を持っていた女性……なんて書かれたらみなまで言わなくても何となくみんな察するのだ。
きっとコンプラが重視される前は今まで肉体関係、セフレ関係、淫売関係などその詳細を書いていた時代があったかもしれない。
いつの日からか俗に言うセンシティブなワードを排除した結果、逆に関係という言葉だけで肉体関係を連想させる世の中になってしまったのだ。
これは以前お話したように、規制しすぎることで規制された言葉=センシティブワードになってしまった事例とほぼ同じだ。
性器をあそこと呼んでも伝わるのと近い。
しかし、その弊害からか関係があるというだけで肉体関係だと誤解されかねない。
言葉の変遷、正確には言葉狩りの弊害というのはひしひしと日常の細かな部分で実感するものだ。