筆が乗らない
びっくりするくらい何も思いつかない。何かを書きたいのに頭が真っ白だ。
分かりそうで分からない単語を思い出そうとしている感覚や、腹痛が治りかけた時に再発したようなやきもきとした気持ちがある。
俗に言うスランプなのだろうか、歌を歌っても絵を描いても、文章を書いても納得がいかない。
多分傍から見ればどれも普段通りの私の作品なんだろう。でも自分自身から見ればどれも同じようでつまらない作品に見えてくる。
こんなものばかり増やしてもなんにもならないのに、ただ何も生み出さずなにもしない事に罪悪感が湧く。
最悪の気分だと酒を飲んでも、いいアイディアが浮かぶ訳でもない。
寝落ちして明日の朝に生産性のない一日を振り返って自己嫌悪に苛まれるだけだ。
せめて書かずに放置している日記を書こうとはするものの、これも筆が乗らない。
日々起こったことを綴るだけなのに、それすらも同じものを書いている感覚になる。
毎日同じように生きて、なんの面白みもなく死んでいくのだろうか。
精神的な渇きが満たされないが、どんな人生を歩もうと、もしも表現者として有名になろうとこの渇きが満たされることは無いのだろう。
そう考えると何を頑張っても無駄な気さえしてくる。
こんな心情がいつまで続くのだろうか、どうしようもないからまた酒を飲んで布団に潜った。