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大人の集団下校

集団下校はいちばん嫌いな行事だった。

早く家に帰りたいのにみんなの歩くペースに合わせなければいけないし、家が近いだけの人と長い帰路を共にしなければいけない。

さらに筆者は諸自称により戸籍と異なる隣の丁に住んでいたため、いちいちそれを教師に言うのがめんどくさかった。

義務教育が終わると途端に集団下校はなくなった。

自分のペースで歩き、音楽を聴きながら帰る時間は最高だった。

そして社会人。

なんと集団下校が復活してしまった。

正確には毎日が集団下校のようなものになってしまった。

通勤時間と退勤時間はラッシュで、オフィス街勤務の筆者はほぼそこにいる全員と同じルートで歩く。

大量の社会人やスーツケースを引く人で道は塞がれ、ほぼ波に乗って歩かなければいけない。

小学生の頃より歩くスピードは早いものの、自分のペースで歩けないし止まれない。

筆者はこの時集団下校を思い出した。

大嫌いな行事を毎日やらなければ行けなくなった。

退社に関してはたまにカフェで時間を潰してから帰れば人気がなくなるが、出社だけは憂鬱だ。

いつになれば集団登校を辞められるのか。

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