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散歩からトレランまでマルチパーパスなベアフット系トレイルランニングシューズ / メレル トレイルグローブ 7(Merrell Trail Glove 7)

厚底・カーボンのシューズが主流の今の時代ではあるが、私はその時代の流れを逆行する形でベアフット系シューズを好む。厚底でクッションが柔らかいシューズが私の足に合わないという事情もあるのだが、10年以上ずっとベアフット系シューズを履いて走っている。これは、2020年1月〜2023年1月で私がデカトロンアンバサダーをやっていた期間も含めてだ。ウルトラディスタンスなレースを走るときは、もちろん安定感のあるシューズを履くが、それでも他のランナーよりも軽量なシューズを履くことが多いと思う。

Inov-8 x-talon 212


ニューバランス MT10


Vibram Fivefingers V-Trail

さて、この10年、ベアフット系シューズを幾度なく履いてきた。Vibram Fivefingers、Newbalance Minimus シリーズ、地下足袋、Inov-8 X-Talon、Luna Sandals、merrell trail glove、台湾サンダルなどなど。ただ、最近は多くのメーカーがあまり薄底シューズを作らないようになり、今の時代の潮流である「厚底」「マックスプロテクション」「カーボン」が主力商品になっている。まあ、これが悪いわけではないし、自己ベスト更新をしたり、マックスプロテクションのおかげで100マイルレース走れたという声もちらほら聞く。ただ、私の足に合わないので履いてないだけ。

ほんで、今回、久しぶりにベアフット系トレイルシューズを新調しようと思い、いろいろ探し続けた結果、Merrell Trail Glove 7 をチョイスすることになった。メレル は、ベアフット系が絶頂期だった10年ぐらい前からずっと Vapor Glove と Trail Glove という形で今でも作り続けている。実は、私は Merrell Trail Glove の初代モデルも履いて山を走っていたし、記憶の残っているシューズではある。

今回 Trail Glove 7 をトレイル・ロードを含めて20kmぐらい履いたのだが、私の中では久しぶりのヒット商品ではと思っているので、今回の記事を書き上げることにした。結論から言うと、結構幅広いランナーにおすすめなシューズである。

ベアフット系シューズの中ではマックスプロテクションで厚底?

Merrel Trail Glove 7

Merrell Trail Glove 7 は、一応ベアフット系のシューズではあるのだが、ベアフット界のなかでは厚底だw

スタックハイトが 14mm あり、ミニマル系シューズにしてはちゃんと8mmのミッドソールがある。10年ぐらい前にリリースされた初代 Trail Glove は、完全にミニマル仕様でペラペラの薄底シューズだったのだが、明らかに仕様変更されている。ただ、メレルのミニマルトレイルシューズにはもう一つ Vapor Glove というモデルがあり、こちらはミッドソールが無い 6mm 仕様なので、私が当時履いていた Trail Glove は Vapor Glove に引き継いだ形になる。

なお、Trail Glove 7 はゼロドロップであり、トレイルシューズの中では超軽量(実測で26.5cmで219g)。実際走って履いてみるとやはり軽くて、特にトレイルの上りは非常にスムースに移動ができる。また、下りでの走行では、Vibram ECOSTEP RECYCLE というラバソールのおかげで、結構しっかりグリップが効く上に、必要最小限にミッドソールが入っているので、そこまで足裏に刺激が入るわけではなく、割と安心して下りを走れる。

一番気になるガレ場やロッキーなテクニカルなコースでは、流石に攻めた走りをすると足裏が痛くなることもあるが、適度にペースを落とせば十分に対応は可能。ただ、濡れた岩場だと滑ることがあったので、そこは要注意。アウトソールは結構固めなので、濡れたところは少し苦手かもしれないが、その分アウトソールの耐摩耗性は高いだろう。

あと、つま先にちゃんとトゥーガードがあるので、ベアフット系シューズではよくある「トゥーガードフリー」ということはないので、岩とかにぶつけてもダメージは抑えられるとは思う。


履き心地は最高

あと、Trail Glove 7 をチョイスした最大のポイントは履き心地。

私の足のワイズが 4E もあり、しかも甲が高いというシューズの選択肢が狭い。こういう事情もあり、以前はアルトラのローンピークやスペリオールなどを履いていたのだが、数年前から少し足型の設計が変わったのか、幅は合うのだが、甲が合わなくなって履かなくなった経緯がある。海外ブランドの幅広シューズは、「幅は広いけど、甲が低い」という傾向があり、アルトラだけでなく Vivo Barefoot や Topo Athletics も似たような傾向であるので、なかなか合うシューズが無い・・・

Trail Glove 7 は、メーカー公表ではワイズが 2E だが、甲の高さも考慮して作られているためか、私の足には合う。そして、Trail Glove 7 のアッパーは、全然補強が入っていないのと、布だけで足を包み込む感じの設計になっているので、履いていて気持ちいい。普段履きでも履きたいぐらいだ(というか最近はデイリーユースでも履いてます)。

NOODOやグランズレメディなどでシューズの匂い対策は必要だが、素足でも履けるように設計されており、個人的には素足で履きたいなーとは感じている。

現実的なベアフット系トレイルシューズ


Trail Glove 7 を一言で表すと「現実的なベアフット系トレイルシューズ」という言葉が似合うだろう。

ベアフット系シューズって、ガチのものは本当にペラペラで、トゥーガードもついてない、結構履く人を選ぶシューズだったりする。10年前はブームで売れていた傾向はあっただろうが、シューズの潮流が「厚底」「マックスプロテクション」に移行してからは、マイナーなシューズになってしまった。ただ、ランニングフォームを向上させたり、またランニングそのものの楽しみを広げる意味でも、ベアフット系は無くてはならないとは個人的には感じている。

Trail Glove 7 は、必要最小限のプロテクションとクッションは入っているし、トゥーガードも搭載。それでいて、軽量でゼロドロップで、足裏感覚を完全に損なわないスタックハイトではあるので、初めてベアフット系シューズを試すにはいいモデルではあるとは思う。

また、私のように昔から Vibram Fivefingers や ワラーチなどを履いてる人にとっては、ある種のレーシングシューズとしても活用は可能だ。最近は、ランナーの安全面の観点で、レギュレーションでワラーチなどのサンダル系のシューズが禁止されている大会も見かけるようになった。また、レース中に何らかのアクシデントがあったときも、必要最小限のプロテクションがあるだけでも安心感はあるだろう。

Trail Glove 7 は、ベアフット界への登竜門的な存在であり、現実思考なベアフット系トレイルシューズであると言える。守備範囲も広いし、私はめっちゃおすすめであり、久しぶりのヒット商品だなと感じている。価格も定価15,400円で、実売は13,000円前後で買えるので、最近のトレイルシューズにしては安めではある。


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