見出し画像

CASIO RUNMETRIX レビュー:高精度なランニングフォーム解析に期待大、しかし実際の体験は...

こんにちは、GO ASIA TRAIL のつつみです。今日は、最近購入したカシオのRUNMETRIX について、実際の使用体験をシェアしたいと思う。

RUNMETRIX の概要

RUNMETRIXは、カシオとアシックスが共同開発したランニングフォームを解析するための腰に装着するモーションセンサーである。このモーションセンサーには、GPS やジャイロセンサーなどが搭載されており、これらのセンサーからの情報を使ってランナーの詳細なフォーム解析ができるようになっている。

購入のきっかけは、2024年1月にアールビーズ主催の「大阪冬30K」というフルマラソン向けの 30km の練習会。カシオが参加者全員にこのモーションセンサーを貸出をしていて、30km走ったあとに後日ランニングのフォーム解析レポートが送付されてくるのだが、これが個人的には良いと感じたので、購入に至った。


具体的には、6つの指標ごとにスコアリングがされて、自分のランニングの状態を可視化できるところだ。また、レースといった長い距離であれば、区間ごとに分析されて、序盤はフォームがよかったけど、終盤は疲労などでフォームが崩れたといったところまで細かくレポートしてくれる。もちろん、区間ごとにフォームのスコアリングがされる。

また、ランナーのフォームの癖なども解析してくれるようで、私の場合は「右脚の着地が左に比べると衝撃が強い」と解析されている。

このレポートを見て、おもろいなーと思ってアマゾンでポチったというのが経緯。しかし、実際の使用経験は、いくつかの問題点を露呈した。

購入後、1週間で故障・・・

まず、購入後一週間で、トレーニング中にセンサーの電源が勝手に落ちる事態に遭遇した。しかも、途中までのデータが残っていればよかったものの、すべてのデータが取れていない事態となっている。

特に、1/21に参加したハーフマラソンでのデータロスは致命的だった。スタート前に、念入りに電源が入っていること、GPS がちゃんと捕捉できていることを確認した上で出走したのだが、ゴールして見てみると電源がOFFになっていた。もちろん、走行データは消失しており、非常に残念であった。

これは、明らかに初期不良で、ハズレを引いてしまったという感じであった。この場合は、カシオのサポートに連絡した上で、アマゾンと初期不良ということで交換すればよかったのだが、最終的には「返品・返金」という決断を下すことになった。

1週間ぐらい使ってみて、いろいろ考えて見たが、「使いづらさ」というのがもう一つ挙げられる。

モーションセンサーのUXが残念

センサーの取り付けがシビア

RUNMETRIXのクリップ部分

モーションセンサーの取り付けには、クリップをランニングパンツに挟んで、ロックを掛ける形になっているのだが、ランニングパンツによってはクリップのロックがうまく掛からないため、走行中にズレることがあった。

さらに、センサーを固定するためには、比較的薄手の生地を選ぶ必要があり、ランニングウェアの選択肢を限定してしまう。メーカーに確認すると、
厚み約2.8mm以下で2段ロック可、厚み約3.5mm以下で1段ロック可として設計しているそうだ。

ランニング用のモーションセンサーとしてはでかすぎる

サイズとしては、手のひらぐらいのサイズのセンサーではあるが、実際に腰につけて走行すると存在感がある。身近にあるほかのものと比較すると、Anker Soundcore Liberty 4 というワイヤレスヘッドホンのケースとほぼ同じぐらいのサイズだったのだが、これを腰につけて走っていると思ってもらえれば良い。

使い勝手が悪い

正直、使いやすいものではないと感じた。

そもそも、LED が2つしかないので、今どのような状態なのかを確かめるには、結局スマートフォンと連携するか、説明書を読んでLEDの光り方を覚える必要性がある。ユーザーインターフェイスに問題あり。スティーブ・ジョブズなら激おこする仕様…ここまで筐体サイズであれば、簡易的な液晶を設けて、文字で「GPS探索中」「ランニング測定中」といった表示ができればよかったのにと思う。

RUNMETRIX は、スマートウォッチとの連携もできるのだが、Apple Watch はサポートしているものの、Wear OS(AndroidのスマートウォッチOS)の場合はなぜかカシオ製のスマートウォッチ(G-SHOCK)しかサポートしておらず、明らかにグローバルで売れまくっている Google Pixel Watch や Samsung Galaxy Watch には対応していない。てか、OS 単位でサポートしてくれたら良かったのに、なぜ Apple と CASIO だけに限定したのかがよくわからない。

あと、GPSの捕捉にも時間を要することも課題。私が持っている Coros Apex Pro 2 であれば、最短で10秒程度で GPS の捕捉が完了するが、RUNMETRIXは GPS を捕捉するのに1分以上かかる。本体価格 7万円 vs 1.5 万円だと、搭載できるGPSセンサーのグレードも違うだろうから、仕方がないとは思うが・・・

改善提案

GPS の捕捉に時間を要するのであれば、あえて GPS センサーを取り外して、ジャイロセンサーなどの他のセンサーのみに限定すればよかったのではと思う。GPS 計測やジャイロセンサーのステータス管理に関しては、スマートフォンや他社製スマートウォッチに任せれば良いと思う。

そうすると、モーションセンサーサイズも小型化できる上に、UI/UXも向上できるし、本体価格もおそらく1万円以下で提供できる。ぜひ、次期バージョンでは、「RUNMETRIX mini」という名称で売ればよいかと思う。

終わりに・・・

というわけで、RUNMETRIX のレビュー記事となったが、日本メーカーということでめっちゃ期待したものの、品質面や使い勝手の面で、残念ながら他社メーカーのセンサーと比較して、良いものではなかった。

現在は、結局カロスの「COROS Pod 2」に買い替えて、現在はこちらで運用中。COROS Pod 2 に関しては、機会があればレビューしたいなと思う。


いいなと思ったら応援しよう!