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オブスタクルスポーツデモ大会2024in吉野川
閲覧ありがとうございます。
テレビ番組「SASUKE」に4度出場(2024年4月時点)林野庁職員の後藤祐輔です。
2024年4月20日に開催されたオブスタクルスポーツ(障害物競走)のデモ大会「オブスタクルスポーツデモ大会2024in吉野川」という大会に出場し一般参加者男性50人中2位になったので、その記録を書こうと思います。
大会概要
本大会の主催者は一般社団法人日本オブスタクルスポーツ協会 JOSA(Japan Obstacle Sports Association)。
2028年ロサンゼルスオリンピックの近代五種で馬術に代わってこのオブスタクルスポーツが採用されることを受け、デモ大会として開催されました。
徳島県吉野川市鴨島に新たに作られたオブスタクルスポーツの競技施設のお披露目、競技の運営・進行のテスト、審判団の育成等の目的も兼ねて、一般参加者を募って開催されたものです。
競技の概要としては、
全長100mの中に12のオブスタクル(障害物)が設置されたコースを用いたタイムトライアル
といった所です。
ここで、設置されている12の障害物を紹介しておきます。
1.OFF SET STEPS
左右の足場を使って進む
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2.MONKEY BARS
うんてい状のバーにぶら下がって進む
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3. 1.5m WALL
高さ1.5mの壁を乗り越える
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4.BALANCE BEAM
平均台の上を渡って進む
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5.4 WHEEL RIG
4つのリングにぶら下がって進む
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6.2m WALL
高さ2mの壁を乗り越える
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/138250817/picture_pc_f45feb44b8a0d42a58f07a6ad6684835.png?width=1200)
7.ISLAND STEPS
円柱状の5つの足場の上を渡る
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8.RING RIG
吊り輪にぶら下がって進む
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9.LOW CRAWL
ネットの下を潜り抜ける
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10.CLIFF HANGER
壁から突き出た突起にぶら下がって進む
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11.TARZAN SWING
ロープに捕まって対岸へ渡る
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12.WAVE WALL
湾曲した壁を駆け上がる。垂れ下がったロープを使用しても良い
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以上の12の障害物からなる100mのコースでスピードを競います。
主なルール
・各障害物で失敗した場合はその障害物のゴール地点を超えた所まで走り、さらにその障害物のスタート地点に戻って再挑戦する。同じ障害物で2度失敗すると失格となる。
・各障害物には少しでも触れれば良い。したがって、足場や雲梯をスキップして進むことが認められている。
・一部のぶら下がり系の障害物では、障害物のゴール地点に設置されたベルに触れなければならない。
いずれの障害物もSASUKEと似ており、SASUKEで培った体力・技術・知識・経験をフル活用すれば優勝できると思い、この大会への出場を決意しました。
SASUKEとの違い
さて、SASUKEと似ているから勝てると思ったとは言え、SASUKEとは異なる部分がいくつかあります。
特にSASUKEとは大きく異なると思った点を3つ挙げておきます。
・本番セットを使用しての事前練習が可能
個人的にSASUKEと一番大きく違うと思う点がこれです。事前練習により、距離感や感触を事前に確かめることができるので本番でのミスが格段に減ります。また、事前練習では成功・失敗のさまざまなパターンを無制限に試すことができるので、最適・最速の動きを探ることができます。繰り返し練習することで攻めた動きの成功率を上げることもでき、一発勝負では決してできない攻めのプレーが可能になります。
・スピード勝負のタイムトライアルのため、スタートからゴールまで全速力で行かなければならない
SASUKEの場合は制限時間内にゴールできればスピードは関係ありません。そのため、コースの随所で小休止を挟んだり、立ち止まって注意点を確認したりすることができます。SASUKEでは常に呼吸を意識し出力を最小限に抑えることで有酸素運動で進むのがセオリーですが、オブスタクルスポーツではスピードが最大になるように出力を上げて進む必要があります。いわゆる無酸素運動への耐性が重要になるのがオブスタクルスポーツです。
・池がないため落下のリスク、心理的な恐怖感が少ない
SASUKEの象徴でもある池。失敗するとずぶ濡れになり、ずぶ濡れは敗者の象徴でもあります。さらに、SASUKEのコースは巨大なセットが物々しく電動で動いたり、煌びやかな照明でライトアップされたりしており、恐怖心・緊張感を煽るようになっています。
一方、今回参加したオブスタクルスポーツのコースには当然SASUKEのような池はなく、コースの規模もSASUKEと比べると大きくはありません。恐怖心・緊張感はSASUKEと比べると格段に少なく、失敗を恐れず攻めたプレーがしやすいのがオブスタクルスポーツです。
大会優勝に向けた取り組み
たまたまSNSでこの大会の開催を知ったときから優勝を狙う覚悟を決めて準備を進めてきました。
優勝を狙う上で重要だと思ったことは以下の3点。
・有力選手に情報を与えない
本大会開催にあたり、一般社団法人日本オブスタクルスポーツ協会 JOSAの公式SNSアカウントが開設されましたが、大会開催の告知は非常に小規模で、尚且つ公式アカウントのフォロワーも非常に少ない状態でした。すなわち、大会自体の認知度が非常に低く、ライバルになりうる有力選手も少ないと予想していました。そのため、今回は大会の情報は敢えて拡散しないようにし、有力選手の参加が極力少なくなるようにしました。
・事前練習を最大限に活用する
SASUKEでの経験上、この手の大会では事前練習が大きなアドバンテージになるのは承知していました。
大会実施要領によると事前練習は、4/19(金)12:30〜15:00、4/20(土)7:30〜9:30となっていました。
4/19(金)は平日であり、この事前練習時間を最大限に活用することで、一般的な社会人や遠方からの参加者と差を付けられると考えました。
そこで4/19(金)の仕事を1日有休とし、12:30からの事前練習時間をフル活用することを決めました。
案の定、4/19(金)の事前練習参加者は少なく、コースはほぼガラ空き状態でした。ここで、昼下がりののどかな雰囲気に飲まれることなくゴリゴリに事前練習すると決めていたので、各障害物での動きをいろいろと試し、入念に練習しました。
また、ぶら下がり系の障害物の練習では手の皮が剥ける恐れがあったのでしっかりと手袋を着用して対策しました。実際、本番前日にも関わらず手の皮がむけてしまった練習参加者や、夢中になりすぎてボロボロに疲れるまで練習してしまった参加者もおり、この点に関しては長年のSASUKEトレーニングの経験から対策や練習の止め時を見極められたと思います。前日練習の後は、温泉施設で温冷交代浴を行い、疲労箇所に冷却スプレーを施して、万全を期しました。
4/20(土)本番当日。朝7:30〜9:30で事前練習が可能だったので、8:00頃に会場入りし、前日に練習した動きを確認する程度で事前練習を行いました。
・コンディショニングにより最高の状態で本番に挑む
本番のスタート予定時刻は13:05。それまでの時間で意識したことは
・できるだけ座って過ごす
・身体を冷やさない
・早め(11:00)に昼食→11:15〜11:45昼寝→11:45〜エナジードリンクを飲んでウォーミングアップの流れを行うことにより眠気・疲労を飛ばして本番に挑む
です。
朝9:30のルール説明から本番スタートまでの流れはSASUKEと酷似しており、会場入りから本番スタートまでのイメージトレーニングを普段から行なっている自分にとってはまさにイメージ通り、計画通りでした。
予選
男性出場者50人中、上位10人が決勝進出というルールでした。
前日の事前練習でスタートからゴールまでのタイムを測った結果47秒だったことや、出場者一覧表や主催者の前評判から、予選通過ラインは60秒を切ること、50秒を切れば予選通過確定と読みました。
出場者の中にはSASUKE出場経験者やスパルタンレース経験者、ストリートワークアウトの第一人者、近代五種の選手などがおり、この辺りがライバルになると考えていました。特に、面識のない選手がいきなり好記録を叩き出す可能性もあったので、予選でも手を抜かず95%ぐらいの力でやろうと思って挑みました。
結果、42.40秒で予選3位通過することができました。
最後の障害物WAVE WALLを一気に駆け上がりたかった所ですが足が滑り、登る動作に時間がかかってしまったというロスはありましたが、予定通り95%の力やって95点の結果といった所でした。
予選1位通過はSASUKE第40回大会に向けて行われた「SASUKE最終予選」で500人の参加者中1位となりSASUKE本戦出場を果たした西村渉さん、
2位はSASUKE2023に向けて行われた、「SASUKE甲子園」で好プレーを見せた高校生の鈴木琉仁さんでした。
2人ともSASUKE界では実力者として有名だったので納得の順位です。
予選終了時点で、決勝で1位になるためには最低でも40秒を切り30秒台を出す必要があると考えていました。
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(予選10位の方は棄権)
決勝
予選10位vs9位から順に試技を行い、最終組が予選1位vs2位という形式でした。
私は予選3位だったので4組目、予選4位の選手と対決しました。
予選は95%の力で挑んだので決勝は100%で行きました。
特に障害物の間の通路のスピードを上げることを意識しました。
結果:40秒10。
予選同様、最後の障害物WAVE WALLで足が滑り2秒ほどロスしてしまいました。優勝には40秒切りが必須だと思っていたので、試技終了時点では暫定1位でしたが負けを悟りました。
最終組で予選1位の西村さんが37秒66を出したため、私の最終順位は2位でした。
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感想・反省
優勝を狙って出場したオブスタクルスポーツデモ大会2024in吉野川。本格的に準備したのは大会前日、当日の2日間だけでしたが、その2日間の中では最善を尽くしました。
2位という結果は悔しいですが、この準備で勝てる相手には全て勝てたと思っています。
1位の西村さんは1人だけ予選・決勝とも30秒台。決勝のタイム的にも3秒近く負けています。
事前練習で技術を上げて挑みましたが、付け焼き刃では敵わないフィジカルの差を感じました。
また、公認アスリートの山本遼平選手は同じコースを31秒40でクリアしています。山本選手の動きを見ると、敏捷性やバネが段違いで、SASUKEで培った障害物の技術だけでは太刀打ちできない差を感じました。心・技・体のうち、「体」の差を感じた大会になりました。
この原因として、近年のSASUKE1stステージが心・技・体の内、「技」に寄ってきているという点があるのではないかと思います。昨今のSASUKE1stステージはドラゴングライダーを始め、特有のテクニックが必要なエリアが多く、制限時間も長めに設定されているため、シンプルなジャンプ力・スピード・筋持久力・心肺機能といったいわゆる「体」のトレーニングの比重は少し下がっており、その分3rdステージの腕力トレーニングを徹底的に行う必要があるという構成になっています。
これにかまけて「体」のトレーニングの比重を落としていたのが如実に結果として現れてしまったといった所でしょう。
ただ、レベルの高い選手の動きを見ることができ、良い刺激になりました。
結果は悔しいものでしたが、大会そのものは大変楽しかったです。
観客、カメラ、生実況&解説、テレビ取材、生配信と本格的な大会で自分の競技映像を綺麗に撮ってもらえたこと、SASUKEで知り合った仲間と久し振りに再会できたこと、新しい出会いがあったこと。どれも良い思い出になりました。
そして、SASUKEの経験をフル活用して、一定の結果を残せたことは満足しています。
大会運営関係者の皆様、出場者の皆様、楽しい思い出をありがとうございました。
では、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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