高鍋剛 Tsuyoshi Takanabe

民間都市プランナー。都市環境研究所、NPO日本都市計画家協会。仙台生まれ。業務では自治体のマスタープラン、地域まちづくり、開発企画など。NPOとしては震災復興支援や各種研究。趣味は写真、囲碁と人間観察、最近は韓国カルチャー全般。カメラを持って色んな街へ行くのは趣味&仕事。

高鍋剛 Tsuyoshi Takanabe

民間都市プランナー。都市環境研究所、NPO日本都市計画家協会。仙台生まれ。業務では自治体のマスタープラン、地域まちづくり、開発企画など。NPOとしては震災復興支援や各種研究。趣味は写真、囲碁と人間観察、最近は韓国カルチャー全般。カメラを持って色んな街へ行くのは趣味&仕事。

マガジン

  • 韓国紀行 2023-2024

    韓国の各都市、各地域の様子を気ままにスナップ

  • 写真散歩

    プライベート、仕事で撮ったスナップとちょっとした小話。 その他多少カメラ、レンズに関することなど。

最近の記事

8.緑の風景 | 녹색 풍경

緑に包まれた韓国、ソウル飛行機が朝鮮半島にさしかかると、緑に包まれた韓国の大地が見えてきた。上空から見ると山脈が思ったより存在感を持って見え、日本と同じ自然豊かな国だと感じ入った。寒い土地というイメージから、もっと乾いた国土イメージを持っていたがそうではなかった。山の高さはちょっと異なるが日本の地方都市上空を飛んでいる感覚だ。 ソウルの街も緑豊かである。ソウル都心は典型的な風水思想で構築されているので、南に水(漢江)、北に山脈が存在し、街中からも山が身近に感じられる。シン

    • 7.大田の若者達とDIT | 대전의 젊은이들

      大田のまちなかを歩く대전의 젊은이들과 함께 고기를 먹다. デジョンの若者達と肉を食べる。   大田。 「おや、韓国語を喋るようになりましたね。以前会った時は全くでしたけど。」 2018年に福岡の全国まちづくり会議で会って以来6年ぶりのユン先生は、相変わらずの明るい雰囲気で我々を迎えてくれた。 大田(デジョン)に来るのは初めてだ。韓国第五の広域市で、人口150万人、行政機関が集中する日本で言えば筑波のような都市だ。ソウルからKTXに乗ると1時間ほどで辿り着いた。Goog

      • 6.月の街② | 달동네

        梨花洞壁画村ーリノベの先進地域東大門駅を降りて少し歩くと東大門が見え、道を挟んで公園があった。公園のエッジには城郭がはるか遠くまで連なっており、城郭沿いに登って行けるようになっている。ソウルの城は基本的に山城で、ぐるりと城郭を巡らして防御を固めるというのが基本的な都市の作られ方だった。その点ではヨーロッパの都市形成の歴史と似ている。 現在も城郭な相当な距離で保存されており、ちょっとしたハイキングコースにもなっている。少し登って振り返ると下には東大門、少し奧には東大門デザイ

        • 5.月の街① | 달동네

          タルトンネ(月の街)という言葉韓国語にタルトンネという言葉がある。タル=月、トンネ=町(近所)という意味で、戦後に都市に流入した貧困層が主に斜面地にバラックを密集して建てて住み、その家の連なりが「月にも届きそうだ」と表現されたことから、この言葉が生まれた(これとは別に「月が綺麗に見える町」という解釈もある)。現在多くのタルトンネは近代的な住宅に建て替わったところが殆どだが、今でもその歴史の片鱗を見ることができる。 ソウルのヘバンチョン(解放村)も梨花洞ももともとはタルトン

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        • 韓国紀行 2023-2024
          8本
        • 写真散歩
          2本

        記事

          4.水辺の風景 | 물가의 풍경

          漢江とソウルソウル都心部の南に流れる漢江はソウルのシンボルだ。雄大な川幅と数多くの橋梁、河川沿岸の景観や公園など魅力的な環境と風景を創出している。当然ドラマにも度々登場するわけだが、漢江についてはいくつか象徴的な使われ方があると思う。 1つは鉄道で漢江を渡る際の車窓からの川の風景。これは、南側にある庶民の街から、都市の中心部である北側のエリアに移動する、あるいは通勤するという富の格差を暗に象徴する捉え方だ。今や、富裕層が集まる江南も漢江南側に位置するので必ずしも南北問題を

          4.水辺の風景 | 물가의 풍경

          3.仁川とキムさん | 인천과 김대포님

          인천에서 연극인과 치킨을 먹다. 仁川で演劇人とチキンを食べる。 仁川。 ・・・・・・・・ 『文甲島に入る』 プロローグ ソウルという大都市に生まれ、成人になるまで当たり前に思っていたスピードと競争の中、一瞬自分を解放してくれた旅だった。海は私にとって、自然に出会い、心を鎮める良い場所だった。(中略) 私は今仁川に住んでいる。50年を超える人生の中、ここが最も長く住む街となったのだ。 ・・・・・・・・ ソウルに来るのは約30年ぶりだ。 30年前、正確には1995

          3.仁川とキムさん | 인천과 김대포님

          「その話、興味あります。」

          「相席させて頂いてもいいですか?」若い女性に声をかけられた。今時丁寧な言葉遣いの子だな、と思った。丸の内ストリートパーク。友人とキッチンカーのお弁当を食べながらおしゃべりをしていたときのことだ。 「どうぞ」と着席を促す。パソコンを広げた彼女はすぐに仕事モードに入った。我々は再びおしゃべりに戻る。彼のクライアントの経営の話しやら、関連して不動産投資の話から、都心部の不動産事業の展開などについてしばし放談していると、私がカメラのレンズを望遠ズームに取り替えようとしているのを見て

          「その話、興味あります。」

          写真、カメラ、レンズのことなど

          あるフォトグラファーとの出会いから写真を撮り始めたのは2018年ごろだから、6年ぐらいか。学生の頃、CanonのF1というフィルムカメラを持って精力的に風景を撮っていたが、社会人になり、仕事上必要な写真をデジカメで撮るようになって以来、「写真」として意識して撮ることがなくなってしまった。 まちづくりという私の仕事柄、実は写真は結構重要だ。 たまたまあるイベントで撮影をお願いしたプロフォトグラファーで石川望さんという方がいる。その後、色々な話をするようになり、彼と相談して

          写真、カメラ、レンズのことなど

          2.市場と韓国 | 시장과 한국

          チャガルチ市場ーローカルな時間が流れる「先週からぐっと寒くなりましたよ。暖かい格好で来て下さい。」 先に日本から釜山入りしていた韓国の知り合いがメッセージを送ってきた。彼は日本に留学中の学生だ。そして私の韓国語の先生でもある。 釜山、チャガルチ市場。 11月下旬に入った釜山は確かに寒く、いよいよ冬が到来するという感じだった。チャガルチ市場の近くに宿を取ってあったので、空港で合流した彼と共に、宿に荷物を置き、早速市場へ向かった。市場には6階建てぐらいの建物があって、1階

          2.市場と韓国 | 시장과 한국

          1.久しぶり、韓国 | 오랜만이야, 한국

          2023、2024年と立て続けに韓国を訪れることになった。韓国に来るのは概ね30年ぶりだ。 30年前、事務所の所属チームの旅行で、ソウル、慶州、釜山を駆け巡ったのだが、当時まだ事務所の新入りだった私は旅行の幹事となり、色々調べて30ページほどの資料集を作成した。そして、その資料集の表紙にタイトルをつけた。 「近くて遠い国、韓国」 このフレーズは当時良く色んな所で出されていたお決まりのフレーズだった。しかも2000年代後半ぐらいまではたまに見かけた。しかし今、この言葉を見

          1.久しぶり、韓国 | 오랜만이야, 한국