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【経営とビジネスのヒント】世の中への役立ち生産性=中長期生産性

今の日本は、生産性の改善が急務であるといえます。ただ、この新型コロナウィルスの影響下において表面的な生産性だけに着目すると世の中がギスギスしてきます。

生産性と言う言葉を、自社の中における付加価値をいかに多く出すかと言うことだけで考えると視点が狭くなる可能性があります。

図3

長い目で企業が存続するためには、世の中に選ばれ続ける必要があり、そのためには世の中に役に立つ必要があります。生産性と言う事についても、分子を自社の付加価値額だけにあげるのではなくその仕事でいかに世の中に役に立ったかと言う尺度で考えてみても良いのかもしれません。

例えば、この新型コロナウィルスの影響によって苦境に立たされている飲食店の方々に対して、無料でテイクアウト案内のポスターを配布した会社さんがあります。そういった活動は、今現在の付加価値をベースとした生産性で見ると生産性がない行為になるかもしれません。一方で世の中に役に立ったかと言う観点から考えると非常に生産性の高い行為なのだと思います。

特に苦しいときほど、このような支援は身に染みてそれがエネルギーになってさらに飲食店の方々は頑張ろうと思うのではないでしょうか。

短期的な生産性ではなく、長期的な生産性と言う観点に立てば、このような直接的な売り上げ・付加価値に数字の上で貢献しない行為であったとしても中長期的な付加価値をベースとした生産性に貢献するものなのだと思います。

その時その時だけの生産性をで考えるよりも、このような時間軸を長くした生産性と言う概念で捉えると、世の中に対して本当に何が必要なのかと言う根源的な問いから事業を考えることが出来るように思います。

もちろんこのような世の中役立ち生産性を発揮するためには、今のこの中のように世の中が苦しいときに支援活動ができるだけの財務的な余裕がある必要があります。

日ごろから財務規律をしっかり見極めながら、安全性の高い事業運営を行い、このようなこの中のような苦しいタイミングで世の中に対して奉仕をしていくということが実は会社の存在意義、社会貢献と言う観点からの会社の存在意義を最も効果的に効率的に実現させるものなのではないかと思います。

松下幸之助さんの本に、実践経営哲学と言う本があります。こちらに絡む重要なポイントを挙げてみたいと思います。

企業は社会の公器である。したがって、企業は社会とともに発展していくのでなければならない。企業自体として、絶えずその業容を伸展させていくことが大切なのは言うまでもないが、それは、ひとりその企業だけが栄えると言うのではなく、その活動によって、社会もまた栄えていくということでなくてはならない。また実際に、自分の会社だけが栄えると言う事は、一時的にはあり得ても、そういうものは長続きしない。やはり、共共に栄えるというか、いわゆる共存共栄と言うことでなくては、真の発展、繁栄はありえない。それが自然の理であり、社会の理法なのである。自然も、人間社会も共存共栄が本来の姿なのである。

アフターコロナの時代は、事業のお客様なくしては生きていけないです。そのために、今のこの苦しい時期をお客様も含めての共存共栄として様々な取り組みを行っていくことができれば、将来にわたって共存共栄が図られると言うことです。
アフターコロナにおける豊かな社会を作ることに貢献をするということが、世の中役立ち生産性と言う観点から非常に生産性の高い行為であるとともに、長い目で見た生産性の改善につながるものと考えます。

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