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【ザゴール2編6:現状ツリーから未来実現ツリーへ】
このマガジンの過去の記事は上記に入れてます。
過去のマガジンで改善の理論学習と実践をしてきた紫耀(ショウ)も入社して15年になる中堅社員となりました。製造で現場管理を経験した後、IT推進課を経て再度製造部に戻ってきたようです。
そんな時、紫耀(ショウ)はある日工場長の哲也に呼ばれ、製造管理だけでなく事業管理についても携わってほしいと内示を受けます。そこで、参考に哲也は、問題解決とは何ぞやについてザゴール2を使って紫耀(ショウ)に解説していくことに。今回は第4章「コアの問題」の前半を解説します。
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🧒;おはようございます。
👨🦳;おはよう。今日は第4章に入っていく。ここから現状ツリーを使って売却予定の3社の収益改善を実践していくんだ。
◆製品の市場価値の向上
🧒:収益改善といっても売却自体を変更することはかなり難しいんですよね?
👨🦳;ああ、そうだ。だが3社すべての収益を改善できればまだ可能性があるという状態だね。ゴローさんにはまだ策があった。そんなある日、社外取締役の面々をゴローさんが呼び出すんだ。
🧒;呼び出す。。すごいですね。
👨🦳;そこで、「思考プロセス」を使って分析をしていること、そして、事業の価値を高めようとしていることを説明するんだ。
🧒:でも、実際ダイナ印刷という会社の業績向上見込みは見えていますけど、他の2社(アイコスメティック社とプレッシャースチーム社)はまだ改善のめどはたっていないのですよね。
👨🦳;そう。だから、売り上げを増やすためにそれら会社の製品の「市場価値」を上げなければいけないと説明するんだ。
🧒:市場価値?どうやって高めるのですかね?新製品を出すのですか?
👨🦳;質問は連続でするな(笑)現場に対しても気を付けろよ。価値を高めるというのは、製品を手にすることでの顧客の「メリット」を高めることなんだ。
🧒:メリット?
👨🦳;ポジティブなことを増やすメリットとネガティブなことを減らすメリットがある。市場価値を高めるのには、ポジティブな面を足すのが効果的なんだが、時間が限られているときはネガティブな面を減らしたほうが早く結果が出せることがあるんだ。ネガティブなことは客がよくわかっていることなので、いちいち存在を証明したりするのは不要だ。
🧒;もしかしてダイナ印刷も客が抱えていた、大量の在庫、多い廃棄ロス、高い発注額、余裕のないキャッシュフローというネガティブなものを「小さなボリュームで印刷を安く行える」というメリットを提供できたということですか?
👨🦳;その通り。結果として顧客のニーズをつかんだということになる。
◆未来実現ツリー
🧒;でも、顧客のニーズをつかむって基本中の基本ですよね。。
👨🦳:誰でもそう思っているんだが、実際に顧客ニーズをつかんでいる企業や部署ってってすごく少ないと思うよ。本当につかめていいたらほとんどの企業が大きく儲かっているはずだ。それに、ニーズって言ったって顧客のUDE(好ましくない現象)だけを集めて一つ一つ潰してもだめ。それらとつながる「コア」を見つけてその「コア」を解決しないといけないんだ。
🧒:難しそう・・。
👨🦳;そりゃそうだ。だが、その問題が解決すると大抵の市場の流れが変わるとゴローさんは言う。そして、その新しい市場が「明るい未来」になるよに前もって思考する、そのためのツールを「未来実現ツリー」というんだ。
🧒:未来実現ツリー?現状ツリーの他にそんなツリーもあるのですか・・・。
👨🦳:ああ、「現状ツリー」を構築すれば問題の全体像が分かる、つまり「何を変えるか」がはっきりする。そこで、現状ツリーを作るときに挙げたUDEを逆手に取り、「望ましい状況」略してDE(Desirable Effect)を考える。そしてそのDEをつなげて図式化し、明るい未来をどう創造するか。「何を変えるか」を考えるために使うのが「未来実現ツリー」なんだ。
🧒;なるほど、ゴローさんが社外取締役を読んで言いたかったのは、売却候補になっているアイ・コスメティック社とプレッシャースチーム者の2社の未来実現ツリーを作るということなのですね。
👨🦳:その通り、1か月思考する時間をもらえれば2社の「市場価値」を極限まで上げて見せるとここで言い切るんだ。
🧒;社外取締役たちはそこはもちろん了承ということですね。数字がだせるなら。
👨🦳;そして、本社に戻って作戦会議を行っていく。ちょっと短いが区切りがいいので今日はここまでにしよう。次回は具体案の検討に入っていくよ。
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本日はここまでです。現状ツリーについて前回の投稿で説明しましたが、今回は未来実現ツリーが出てきましたね。現状分析で問題を構造化し、コアを見つけ、そしてそのコアを逆手にとってどうあるべきかを明示し、解決策を考えていくということですね。次回は4章の後半で、実際の解決策について解説していきます。
なお、下記noteにものづくりに携わる人であれば、必要であろう知識について、本マガジン同様に対話形式で解説しています。もしご興味あれば、覗いていただければ幸いです。
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