【ザゴール2編7:小さな変化で大きく動かす】
このマガジンの過去の記事は上記に入れてます。
過去のマガジンで改善の理論学習と実践をしてきた紫耀(ショウ)も入社して15年になる中堅社員となりました。製造で現場管理を経験した後、IT推進課を経て再度製造部に戻ってきたようです。
そんな時、紫耀(ショウ)はある日工場長の哲也に呼ばれ、製造管理だけでなく事業管理についても携わってほしいと内示を受けます。そこで、参考に哲也は、問題解決とは何ぞやについてザゴール2を使って紫耀(ショウ)に解説していくことに。今回は第4章「コアの問題」の後半を解説します。
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🧒;おはようございます。
👨🦳;おはよう、今日は前回の続きで4章の後半に入っていく。
🧒;お願いします。
◆未来実現ツリーを作る
👨🦳;ゴローさんは早速,本社にアイコスメティック社とプレッシャースチーム社の社長を集めて、未来実現ツリーの作成を開始する。まず、目指す状態についてゴローさんは話を始める。実際にこれがスタートだ。目指すものの一つ目は、「価格を下げず、すべての生産能力を販売する」もう一つが「はっきりとした競争優位を確立する」だ。
🧒;それが、その二社が目指すべき目標というわけですね。
👨🦳;そして、出発点を確認する。問題の出発点は、「わが社の製品の市場価値を高めるために何らかの解決策を行う」だ。
🧒;なかなか、現実味がない・・スタートですね。トートロジーというか、「サッカーで勝つためにゴールを決める」と言っているのと同じ感じが・・。
👨🦳;その通り、ここから大きなギャップを埋めるように思考していくんだ。次に現状のUDE(好ましくない現象)を挙げられるだけ上げる。そして、それらUDEをひっくり返してDE(Desirable Effects)を考えていくんだ。
🧒;でしたね。例えば、UDEが「わが社のマーケットシェアが低い」であれば、DEは「わが社のマーケットシェアは拡大する」という形になるのですかね。
👨🦳;ああ、そうだ。出発点から目標までDE(好ましい現象)でつなげられたら、未来に起こりうる現実に変わるという考え方なんだ。
🧒;すげー前向き・・。
👨🦳;ああ、そうだ。リーダーは前向きでいた方がいい、感情っていうのものは電場するからね。リーダーが前向きかどうかは、パフォーマンスにも影響するよ。さて、そうしてゴローさんたちはすべてのUDEを下記のようにひっくり返していったんだ。
-競争優位性がない→競争優位性がある
-価格が下がり続けている→市場はわが社の製品価格を高いと感じない(出発点とつながる)
-新商品の投入には時間とお金がかかる→時間とお金がなくてもできる解決策がある。(出発点とつながる)
-注文が少なくて製品の稼動率が低い→生産能力がすべて売れる。
そしてこれらは下記のようにつながる。
🧒;なるほど、つながってきている。でもまだ「未来を明るくするための解決策」は見つかっていないですよね?
👨🦳;その通り、そこでゴローさんたちはダイナ印刷での成功事例を思い返すんだ。時間もお金もかけず問題を解決したからね。ここでのポイントは、小さな変化で大きな成果を得れたということだなぜだと思う?
🧒;うーん、なんでしょう。
👨🦳;諦めが早いな。それはね、自社だけでなく、顧客が抱えていた問題も解決できたからなんだよ。自社のにとっては小さな変化でありながら顧客に大きなメリットをもたらしたちおうことなんだ。現状ツリーを使って、UDEとそれを引き起こしている原因を効率的に結びつける。そして、それを見れば二社が結んでいる取引条件で顧客にどんなUDEが起こっているかわかるはずなんだ。
🧒;おお。。なるほどです。つまり顧客に大きなメリットをもたらし、かつアイコスメティックとプレッシャースチームの製品市場価値を高められる、小さな変化を見つけていくというわけですね。
👨🦳;その通り。最終的にゴローさんたちは下記のように未来実現ツリーを作成した。そしてここから解決策をさらに考えていくんだ。顧客のメリットも大きくなるコアを見つけ出し大きな問題を小さな変化で解決していく。構造化ができていればアイデアは浮かびやすい。
🧒;おーそうなのですね。
👨🦳;でもそんなとき、売り上げ増が見えていた3社のうち一社ダイナ印刷の社長がゴローさんの部屋に飛び込んでくる。そして、予想していた数字がでないというんだ。
🧒;え?
👨🦳;営業スタッフが解決策を顧客にうまく説明できないことが理由だそうだ。まだ、アイコスメティックとプレッシャースチームの解決策が出ていない中で、もう一つゴローさんは課題を抱えることになる。そして、ゴローさんのアシスタントの藤堂さんが、ダイナ印刷の問題に対してサポートしていくことになる。ここで4章は終了だ。次回5章に入っていこう。
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本日はここまでです。つらつら書いてありますが、要するに、「顧客のメリットも大きくなるコアを見つけ出し顧客の大きな問題を自社の小さな変化で解決していくこと」を目指してみるということですね。そのアイデアを出すために問題を構造化する。それが未来実現ツリーであるということですね。そんなに上手く行くかというところですが、思考の最初としてはいい案だと思っています。次回は、第5章に入り各社の具体的なアクションを解説していきます。
なお、下記noteにものづくりに携わる人であれば、必要であろう知識について、本マガジン同様に対話形式で解説しています。もしご興味あれば、覗いていただければ幸いです。
休憩がてら、番外編マガジンもあります。