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【要約③】持続するフェミニズムのために(著:江原由美子)

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第2章:フェミニズムを社会変動の中に置く

第二波フェミニズムを生み出したのはどのような社会状況だったのか。

フェミニズム理論の現在

 近代フェミニズムには2つの波があると言われている。
①女性参政権運動を中心として19世紀後半から20世紀前半までの波
②雇用の平等と性と生殖に関する女性の権利の獲得を中心とした20世紀後半からの波

 現在の世界は、対立と混乱の時代にあり(この本の出版日は2022年10月)、例えば戦争など、フェミニズムが実現しようとする「性の平等」よりも急を要する社会課題が現れるかもしれない。つまり、「今は『性の平等』どころではない」というマジョリティ側の言い方である。そういった価値観の時代においてこそ、フェミニズムが普遍的に価値を訴求できる社会理論であるべきである。

 これまでの時代において作られてきたフェミニズム社会理論が、第一波・第二波フェミニズムの個別の社会状況・社会変動の中で作られた一方で、現在の社会状況にも有用な現在性を持つ社会理論であること、現在にも適合できることを検証する。

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