ナッジ研究者がお答えします⑤:最後の挨拶は必要?
YouTubeを視聴してくださったN村さんから質問をいただきました。YouTubeで、多くの方が、最後に「最後まで聞いていただきありがとうございます」と言いいますが。これも、行動経済学のデータがありますか?
質問ありがとうございます。途中で多少面白くないことがあったとしても、終わり方が気分良いと、美しい思い出として記憶に残ります。これはピークエンドの法則(記憶に基づく評価は、ピーク時と終了時の印象の平均で決まる)といわれる心理です。だから、終わり方がとても重要になります。
講演では「私はあなたと楽しい時間を作り上げていくことができて嬉しい」という感謝の言葉を伝えて、満面の笑みを送り、拍手しやすい状況を作り出すのがよいでしょう。一方、短いトークの場合は、コンパクトにピークエンドの法則を利かせる必要があります。私は、感謝の言葉を伝えるようにしています。Youtubeの場合、途中で聞くのをやめる人も一定割合出てきます。にもかかわらず、最後まで聞いてくださった方に対しては、私は心から感謝します。それをフィナーレとしてきちんと伝えることで、相手も今回のYouTubeが楽しい思い出として記憶に残ることでしょう。
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