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ナッジ研究者がお答えします⑨:暴走した両親をどうやって止める?

先日、「コロナ禍の出会い・生き方・働き方を語ろう!~モデファシトーク Vol.3~」に出演させていただきました(竹林出演は55:28~)。そこでMCの原薫さん・斉藤貴子さんから質問をいただきました。

質問 「千と千尋の神隠し」で、お父さんとお母さんがお店の食べ物を勝手に食べてしまうシーンがあります。ナッジを使うと、どうやって止めることができますか?

※タイトルの画像がその場面です(ジブリHPのフリー素材使用)。

まずは納得して皿を取り上げる 

今まで、たくさんのナッジの相談を受けてきましたが、こんなに難しい質問は初めてです(笑)。正解は「否応なしに皿を取り上げる」ですが、それだとアニメの世界観を壊してしまうので、行動経済学の知識を総動員してお答えします。

衝動的な行動をしている相手は、「ダメ」って言われると、かえって反発します。
とにかく目の前に御馳走がある限り食べ続けるので、まずは御馳走から目をそらすのはいかがでしょうか?私だったら「デザートは、アイスがいい?ポテトがいい?」と両親に聞きます。両親が「アイス!」と答えたら、「この皿に取ってくるから、1分間待っていてね」と言って、納得の上で1回皿を取り上げます。

置き換えて、気をそらす

待っている1分間で、両親が我に帰ればラッキーです。もし、衝動的なままだった場合、小さい皿に半分だけ取り分けて、最初の皿にあったポテトを目立つように盛り付けて、「ごめんね、アイスがなかったけど、ポテトがあったよ」と言って渡します。「満腹になったかどうか」は、時間や食器の大きさで決めるという研究があります。「もうデザートの時間か、食べ終わってもいいかな」という視点に切り替えて、小さい皿に山盛りになった食べ物で満足してもらい、半分だけでも残す作戦が現実的だと考えます。

(ちなみにアニメの世界観を壊さないようにしたため、私の提案は、研究倫理上は問題があることは知っています。研究関係者の方、見逃してください。)

記事に共感いただければサポートのほどお願いします。研究費用に充てさせていただきます(2020年度は研究費が大幅減になってしまい…)。いい研究をして、社会に貢献していきます。