新たな技術を習得するには?
こんにちは!GOです!
僕は前回の記事にて、カーボンのメーターフードを自作(詳細: https://note.com/go_drums/n/n841795a651f7 )しました。
実はあのカスタム、塗装と3Dプリント以外の要素は全て完全に未経験状態からスタートをし、情報を収集し、完成まで到達しています。
─ 技術的には
このメーターフードの製作を通して、僕はFRP(繊維強化樹脂)とウェットカーボンによるCFRP(炭素繊維強化樹脂)の造形の技術を身につけました。
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日頃から僕はこんな感じでクリエイティブ活動に勤しんでいるのですが、今回は僕が新たな技術を習得する際の脳内がどうなっているのか?というお話となります。
「新たな技術」と書いていますが、これは「今までの自分にはなかった技術」というニュアンスの表現となります。ものづくりに限らず、楽器の演奏や話術、思考についてなんかも同じような流れなのかなと思います。
僕が新たな技術を習得する時、下のような流れで手をつけていきます。
1. 目標設定
2. 情報収集
3. 技術/環境と目標の照らし合わせ
4. 要素を用意
5. 実行
6. 完成
これらのポイントや、陥りがちな"沼"等が沢山ありますので、1項目ずつ見ていきましょう
目標設定
まずは何より「明確な目標」を設定することが重要となります。
ここで早速"沼"があります。それは
「技術習得そのものを目標にしてはいけない」
ということです。
これは一見、志高く進めるにあたって良さそうな目標に見えますが、かなり深い沼の入口となっています。
「技術習得」という目標が沼化してしまう理由は2つあります。
1. 「技術習得」には「終わりが無い」
これは文字通り、技術力というベクトルに重きを置くと無限に追求できてしまう為です。
2. 「技術」はあくまでツール
「技術」というのは、本質的に目標になり得ない場合が多いです。
なぜならば、「技術」は「結果を出すための道具/方法の一つに過ぎない」からです。
では、どういった目標を設定するのが適切か?
目標設定のポイントは
- 明確な達成条件を定められる
- 自分で管理できる範疇で達成条件を満たせる
の2点です。順に見ていきましょう。
まず1つ目「明確な達成条件が定められる」
これはつまり、ある程度 定量化出来るもので条件を設定するということです。
なぜ「定量化」をする必要があるのか?
それは、達成出来たか否かをはっきりYes/Noで判断可能であり、タスクや進捗の切り分けが明確に出来るから。という側面が目標達成において大変大きなメリットとなるからです。
2つ目「自分で管理できる範疇で達成条件を満たせる」
これは、「他人」や「運要素」などに依存してしまう条件は適切ではないということです。
「他人」や「運」など、自分の力では変えることがほぼ出来ない要素を達成条件に含んでしまうと、自分の中で完結せずに目標達成が出来ず、自責で取り組むことが困難になります。これは沼の中でも「かなり危険な底無し沼」となっているので特に注意が必要です。
情報収集
目標(の達成条件)が設定出来たら、次はその達成に関する情報を収集していきます。
情報を収集する方法はなんでも良いのですが、可能な範囲で色々な角度で収集すると情報の量や質が高まります。
僕の場合は、主にインターネットと、立てた目標を既に達成出来ている方のお話を伺う という2つの角度で情報を集めています。
ここで集める情報は
- 前例
- 環境
- 素材
- 方法
- 同じ技術を用いた別のもの
- 別の技術を用いた同じ/近いもの
1つずつ見ていきましょう。
1つ目「前例」
これは、同じような結果が得られている既出のものはないか?という点です。
「全く同じもの」はかなり少ないと思うので、「部分的に同じもの」の情報を沢山見ていくことが大切です。
2つ目「環境」
1つ目でみつけた前例は「どんな環境で」結果を出しているのか?という点に着目していきます。
環境においてもいくつか要素があります。
- どこで?
- 何人で?
- 何を使って?
- どのくらいの労力で?
「どこで?」
それは「工場」かもしれないし、「大きなステージ」かもしれないし、「4畳半の一室」かもしれません。
「何人で?」
ワンマン?複数人のチーム?有識者/有権者の力が必要?
「何を使って?」
既に所有しているもの?街のお店に行けば手に入れられるもの?家庭用?業務用?代替出来そうなものは?
「どのくらいの労力で?」
何時間くらいで?身体的体力的には?精神的体力的には?
といった具合に。
これらの答えが分かってくると、段々とイメージが湧き、視界がハッキリとしていく感覚になります。
3つ目「素材」
イメージが掴めるようになってきたら、それはどんな素材が必要なのか?という部分を見ていきます。
これは具体的に「名前」や「型番」など。
これらが見えてくると、かなり現実味が湧いてくるようになります。
4つ目「方法」
環境と素材が把握出来てきたら、次はそれらをどのように組み合わせて目標達成をするのか?という部分を頭の中などで組み立てていきます。
この際、成功イメージももちろんの事、失敗パターンとその対処も同時に考えておくと、実行に移す際の恐怖感を低減することができます。
5つ目「同じ技術を用いた別のもの」
目標設定の項でもお話した通り、「技術はあくまでツール」です。なので、「同じ技術を用いた別のもの」というのは大抵の場合存在します。
これを押さえておくと、「技術習得後のイメージ」が分かるようになります。初めてにして既に応用も視界にある状態にあるので、この工程を入念に行うと「強くてニューゲーム」状態になります。
6つ目「別の技術を用いた同じ/近いもの」
これは「方法」と少し被る内容でもあるのですが、同じような結果を得たい場合の方法を沢山見つけていきます。
これらを調べていくと、「自分の環境でも可能な方法」や「よりコストを抑えたら/増したら」といった想定も可能になり、技術に「幅」を持たせることができます。
技術/環境と目標の照らし合わせ
情報が揃ってきたら、自分の今の技術や環境との比較、目標達成に適しているか否か、という部分を見ていきます。
ここであまりにも環境等が自分と乖離していた場合は、目標設定の達成条件を「これなら出来そう!」というくらいの難易度に下げて(/上げて)挑戦するのが良いかと思います。
(猪突猛進派の方はそんなの気にせず突っ走りましょう。)
要素を用意
さて、ここまでで「今すぐやりたい!」というレベルまでかなり現実味が増しているかと思います。
猪突猛進派は突っ走って頂いて構わないのですが、論理派/慎重派のあなたはここでしっかりと準備していきましょう。
目標、お手本、必要な素材、目標を達成するための方法、コスト あたりの要素の見積もりが可能なので、用意出来るもの(素材や道具など)を揃えていきます。「もう環境や物はそろったよ!」という方は次の項へ
実行
お待たせしました。今までで沢山頭を使って準備をしてきましたので、後はそれの通り実行するのみです。
もちろん「やんないと分からなかった要素」がこのフェーズで山ほど出てきますので、そんな部分も含めて楽しむのがオススメ。
完成
ここでいう完成は、「目標達成条件をすべて満たした」状態となります。完成おめでとうございます!
この時点で、あなたは何かを「完成させることに成功した人」となります。もちろんそれに伴い力強い「結果」も同時に手に入れることが出来ます。
それが一般的な水準よりも高くなくても、「成功」という事実は揺るぎないものとなっています。
ここで、「全然知らなかった時の自分」から「目標達成した自分」までの軌跡を思い返して見てください。
この「軌跡」こそが、今回あなたが「習得した技術そのもの」となります。
この方法で習得した「技術」は、誰かに自分の技術を伝える際に「こういった技術を持っている。」ではなく「○○を実現させることが出来る。」と、実績(結果)のみで伝えることが可能になるので、その分野に精通していない人にも分かりやすいものとなります。
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以上、僕が日々行っている「新たな技術の習得方法」でした!
「完成させる力」を強めると、説得力やそれに応じた技術力も強まっていくと僕は日々の活動から感じています。終わりなき戦いは良くも悪くも強いストレスになってしまいますしね。
P.S.
2020年もいよいよ大晦日ですね!
僕はこの1年、プライベートでもお仕事でも本当に色んな変化があり「自分を見つめ直す」1年だったなと感じています。
それと同時に、この記事の本題の "完成させる力" を強く出来た1年だったなとも感じます。
じわじわと「ギター工房」という枠組みを超えた様々なモノが作れるようになってきたので、2021年は それぞれの分野で相互にフィードバックし合い、もっと凄い "ワクワク" を周りの人に与えられるようになりたいなと。。。!
僕を応援してくれた方、支えてくれた方、僕と "ワクワク" を共有してくれた方、本当にありがとうございました。そして、是非とも、来年もよろしくお願いします!!
ではでは〜