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フレット位置の基礎

こんにちは!GOです!

普段何気なく触っているギターやベースには、ほとんど「フレット」が打ってあるかと思います。このフレット、実は指板上に ただ並べただけ では正確な音程にはならないのです。
では、どういう仕組みで"あの位置"になっているのか?
今回は、そんな「フレット位置の基礎」についてのお話をさせて頂きます。

今日のギターやベースのフレット位置は、「十二平均律」という音律に従って位置決めをされています。
この「十二平均律」というのは、「1オクターブ*を等しい比で12等分した音程」という音律となっています。

この十二平均律の「等しい比」が、ギターやベースのフレット位置においてとても重要となっていますので、この比率を求め、フレット位置を求めて行きます。

*1オクターブ:ある音の周波数から2倍、または1/2倍した周波数の音程

(noteの仕様上、数式を綺麗に書けないため外部ツールのスクリーンショットにて載せていきます。)

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以上のことから、下のように公式としてまとめることができます。

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 この公式に当てはめていけば、任意のスケール長で任意の平均律に従ったフレットを(理屈上)いくつでも割り出していくことが可能です。
 一般的なフレッティング(平行かつ弦に対して(ほぼ)垂直に打たれているフレッティングの場合)では、指板中心線上でブリッジとナットを基準に公式からフレット位置の点を割り出し、その点から中心線の垂直方向に指板端まで引いた線をフレットの中心線としてフレットが配置されています。ファンドフレットやカーブドフレットなどのマルチスケールはこれらの応用的な設計となっています。
 この公式では、12平均律以外にも7平均律や19平均律でもフレット位置を算出可能ですし(最近はLo-Fi Hip Hopなどで24平均律を使われていたりしますね)、開放弦の弦長を超える方向に拡張した”マイナスフレット”の位置も算出可能となっています。


以上、フレット位置の基礎 でした。
数式も登場し、少し難しい内容となってしまいましたが「ギターを設計する」際にこの仕組みの理解をしていると、”しっかりとした” ギターデザインにつながっていきますので、ギターを製作したい(orしている)方は是非押さえていただけたらと思います。

最後に、途中で登場した「マルチスケール」や「マイナスフレット」などを採用したGTIのギター/ベースの作例も載せておきます。
これらの設計の際の細かい話も、今後の記事にて詳しく全ての要素を解説していきますので、気になる方は是非ともよろしくお願いします〜

ではでは!

----応用的なフレット例----

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↑(ファンドフレットマルチスケールの7弦ギター)

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↑(カーブドマルチスケールの8弦ギター)

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↑(マイナス2フレット、リバースファンドフレットマルチスケールの2弦ベース)

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