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note感想🌟 共作小説【白い春〜君に贈る歌〜】第4章「好きって伝えたかったら、嫌いって書けばいい」③
桜が見たい紗良さんのために、みんなが協力してくれたよ。
久しぶりに外出できて、良かったね。
でも、三浦さんには、複雑な想いもあるみたい。
花の雲シャッター押す眼の輝きて
雲のような桜の花々。
シャッターを押して焼きつけるように見る。
カメラのライトが光るように輝く眼。
心の中に描かれるのは、美しい桜。
三浦さんの絵に妖精が降りてきた。
桜の妖精は、2人を見守る。
桜には魔法がある。
夢のようなぼんやりしたところへ誘う。
紗良さんが歌う。
透き通る歌声が、やわらかい風に溶けていく。
彼女が、この場所の空気になっていく。
視界がぼやけてピントが合っていないように、世界が少し白くなる。燦々と光を浴びているように。連なる桜たちが重なって、一つの巨大な天の川を見ているみたいだった。
透き通る歌声が耳に心地よい。
やわらかな風をまとって、この場所の空気になる。
燦々と光を浴びて世界は白くなる。
淡く光る世界は、妖精たちの住む世界。
連なる桜は、天の川のように空を彩っていた。
タメ語になった三浦さん。
妖精の魔法かな。
紗良さん、喜んでる。
幸せな空気は、やさしさを運ぶ。
三浦さん、また、丁寧語に戻ってしまって、注意された。
いたずらな顔になる紗良さんが可愛い。
◇◇◇
【返歌】
どんな綺麗な花より あなたは素敵
どんな好きな歌より あなたは愛おしい
静かな空に俯かないで
一緒に夢を見ようね
並んで桜を見ながら
ずっと 待ってる
あなたに会えるまで
会えるよ 必ず
ずっと 待ってるから
◇◇◇
桜フェス。
三浦さんの過去。
そこから逃げないで。
「私、死ぬ前に三浦さんの歌が聞いてみたかったな」
あなたのファンがここにいるから。
心にひらりと舞う、桜の花弁。
時を止めるような、草の匂い。
地面を踏んだ、アディダスのスニーカー。
足を着いた場所から、白い波紋が広がるような感覚。
空に鳥が飛んでいた。
止まった時計の針を動かして。
そこから動き出すんだよ。
ここから未来へ続いていくんだから。
病院祭の作品展。
「三浦さん、考えすぎ。もっと楽な気持ちで発表すればいいんだよ。三浦さんの作品は必ず誰かに届くよ。注いだ愛の分、きっと世界は美しくなる……私はそう信じているんだ」
紗良さんが三浦さんの手を引っ張ってくれる。
作品にこめた愛は、世界を美しくするからね。
佐々木さんと三浦さんのプロフェッショナルな看護のおかげで、無事に外出成功。
紗良さんに問題なくて良かったね。
紗良さんがエッセイを読んだことに気づいた三浦さん。
過去を知られて。
過去を思い出していく。
🌸この記事は仲川光さんの企画参加記事です🌸
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