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note感想🌟 ふたり旅



徳島に来た

十数年前のこと、高速バスが止まると私たちは初めてこの土地に降りた。

徳島県鳴門 ー ここでは私たち親子のことを知る人は100%いない。
それだけでも開放感は十分にあった。


息子さんが不登校になって、初めての夏休み。

物語がはじまります。


遠い四国の土地でも、家の近所と同じチェーン店がある。

ここでだって、同じように暮らせるんだよ?

日本は広いんだから。

息子さんにどんな情報よりもリアルな経験をさせたあぐりさん。


お遍路参りの旅へ

この旅のキッカケは … 随分前に見たあるTV番組だった。

不登校の(または不登校だった…)青年がマイwifiとパソコンを持ち、たった一人でお遍路参りをする旅を特集していた。

私の記憶では、まだ十代半ばくらいの若者だったと思う。


お遍路さんは、同行二人。


お遍路さんは一人で歩いているように見えますが、実は弘法大師・空海様と共に巡礼しているのだと考えられています。「同行二人」とは、お遍路さんと弘法大師が一緒に歩んでいるという思想です。お遍路さんの笠や笈摺りには、しばしばこの言葉が書かれています。これは、弘法大師の加護を受けながら、二人で霊場を巡っているという意味が込められているのです。お遍路の精神性を表す大切な概念となっています。

AIリートン


弘法大師とお母さんと【三人】で、自分を見つめ直す息子さん。



このお遍路の沿道では “お接待” といって、地元の人がお遍路さんに食べ物ををふるまったりする風習があるそうで
青年は地元の人達とのやり取りを通して人々の温かさに触れ、初めは心細そうだった若者が、だんだんたくましくなっていく様子が印象的だった。


息子さんが成長してくれるように、ここまでしてくれるお母さんがいて、幸せだと思います。


息子さんが春に不登校になってから3ヶ月。

昼も夜も寝てばかりいたけど、少し元気になってきた頃。

お遍路をOKしてくれたのは、お母さんとの信頼関係があったからだと思います。



外に出て日光に当たるのは “幸せホルモン” のセロトニンを増やす。
またリズム運動も同様の効果があると本で読んだので、自転車が最適だと思った。


運動する元気があるなら、大丈夫だと思います。

息子さんを封じ込めていた何かが、この旅で開放されたら良いですね。

あぐりさんの行動力。

我が子を思う気持ち。

誰にでもできることではないと思います。


宿泊はお遍路さんの泊まる宿やホテルが点在しているし、その日の午前中なら予約が取れるようになっているらしい
旅というよりほとんど冒険に近い。

人間切羽詰まった時は、結構大胆に行動できるものだと自分でもびっくりする。


息子さんとのかけがえのない思い出にもなりますね。


ママチャリでまわる
自転車をゲットしてスタートした。
手元の地図を見ながら先ずは一番札所『霊山寺』を目指す。

( 因みに八十八番札所『大窪寺』までの総距離は1200キロ、人間の足で歩くと40日から50日かかるらしい )


**1200キロを自転車で走るのにかかる時間**

自転車の平均速度は、一般的に15~25km/hです。

1200キロを平均速度20km/hで走ると、走行時間は60時間(2.5日)となります。 しかし、実際には休憩時間や食事時間、その他の要因を考慮する必要があるため、総走行時間は90時間前後(3.75日)と見られます。

世界初の"1200キロをロードバイク・90時間で駆ける腐女子"の事例もあり、熟練したサイクリストなら90時間以内に1200キロを走破できる可能性があります。

**その他の考慮点**

自転車の種類や走行環境、サイクリストの体力レベルなどによって、所要時間は大きく変わってきます。

長距離走行には十分な体力と装備が必要不可欠です。

安全運転と定期的な休憩が重要です。以上のように、1200キロの自転車走行には約90時間前後の時間がかかると考えられます。

ただし、個人差も大きいため、実際の所要時間は状況によって変わってきます。

AIリートン



炎天下を想像していたけれど、幸運なことに台風の影響で曇り空だった。 

台風と言っても太平洋のはるか南の方を進むらしく、直撃するようなことにはならない予報だ。そんなことならまず中止するに決まっている。


天候にも恵まれましたね。



真夏のお遍路は歩く人も少ない
私たちも当然、全部の札所をまわるつもりではない。

今度来るときは、わが子も自分の意志で来るべきだし

私もこういうかたちで来たものの、本当に来るべきは今じゃないということがわかっていた。


息子さんがこの旅でつかんでくれるものに期待。

今度、お遍路に来るときは、いろんなことが解決されてますように。


誰に言われたわけでもない。

それでも走る
ひたすら走る
汗と一緒に煩悩が消えたかどうか
それはわからない

でも・・・
御朱印が増える度に前に進んでいると思えた。


息子さんは、何を考えていたのだろう。

お母さんと一緒に、汗を流し、お寺をめぐる。

自分を見つめていたと私は思います。



ところが3日目の後半あたりから息子が身体の不調を訴えていた。

この3日間は飲み物を制限していない。
コンビニに寄るたびに何かしら好きな物を買っていたから、とうとう胃の方がくたびれて来たみたいだ。

3ヵ月自宅に籠りきりだったわが子の体力に限界が来た。

「帰ろうかー」

どちらともなくそう言った。


お遍路が目的じゃないんだから。

息子さん、頑張ったね。

あぐりさんも、お疲れ様でした。



2日半の移動は
一番札所から十一番札所まで

  
累計距離 (㎞)
1番 霊山寺 ー
2番 極楽寺 1.4 
3番 金泉寺 4.0
4番 大日寺 9.0   
5番 地蔵寺 11.0 
6番 安楽寺 16.3
7番 十楽寺 17.5
8番 熊谷寺 21.7
9番 法輪寺 24.1
10番 切幡寺 27.9
11番 藤井寺 37.2

鳴門から計算すると、これまでの移動距離は大体40キロくらいになる。



この旅は、息子さんにとって、とてもとても大きな経験だったと思います。

弘法大師とお母さんと【同行三人】

どんな説教よりも、心に響いたでしょう。

お母さんの行動力と優しさに感謝してくれると思います。




あぐりさん、素敵な記事をありがとうございました♫



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