リメイク💫 シッパイとセイコウの友情
昔々、あるところにシッパイとセイコウがいた。
シッパイは、みんなから嫌われていた。
失敗すると暗くなるし、落ち込むし、寂しくなる。
セイコウは、みんなから好かれていた。
成功すると明るくなるし、気持ちが高まるし、喜びにあふれる。
シッパイはセイコウに言った。
……でもさ、失敗しないと反省しないじゃん。なぜ、失敗はそんなに嫌われるんだろう。
セイコウはシッパイに優しく言った。
……みんな傷つきたくないんだよ。生きてるだけで、けっこう大変なんだから。
ある日、シッパイはどこかへ行ってしまった。
セイコウがひとり残された。
みんな上手くいくことばかり。
世界は喜びと明るさに満ちあふれた。
この世の楽園が成就されたように見えた。
しかし、それは夜の来ない世界のようだった。
誰も深く身をかえりみることが無い。
能力が伸びていかない。
このままでは、無駄に年老いるだけだと考えたセイコウは、シッパイを探して、戻るように説得した。
……シッパイ。戻ってきて。みんな成長しなくなった。シッパイが必要なんだ。
シッパイは、しょげている。
……俺なんかいないほうがいいんだろう。どうせ嫌われ者だよ。
セイコウは、シッパイの頬を叩いた。
……シッパイは、なんのために生まれてきたの! みんなの成長のために、失敗が必要なんだ。たしかに、落ち込むし、暗くなる。でも、夜が来なければ、寝ないだろう? 夜が来るから、休もうと思って、寝てる間に脳のデフラグツールが働くんだ。シッパイは、どうしても必要なの。
セイコウは泣いていた。
シッパイは、しょうがないな、という顔をした。
……嫌われ者が戻りますよっと。
セイコウは笑顔になって言った。
……私はシッパイのこと大好きだよ。それでは足りない?
セイコウとシッパイは、肩を組んで、長い間、語り合った。
【リメイク】
↓
↓
↓
ここから先は
¥ 100
よろしければサポートお願いします。いただいたサポートはnote活動費に使わせていただきます。