勝手にアナリストレポート Vol.1006:ベースフード (2936 TSE-G 時価総額400億円)
おはようございます。先週末はそれなりに決算発表ありましたね。私はいつも「みんせつ」で決算発表や説明会日程を確認しています(アナリストではないので、参加できる説明会はかなり減りましたが)。
今回はその中からベースフードの24/2期2Q決算を取り上げたいと思います。この会社とは上場する前からお付き合いさせていただいており、橋本社長は応援したくなる人です。今回は決算の簡単コメントですが、会社にもプロダクトにも関心を持つ人が増えたら良いなと思っています。
以前食べたことのある人には「美味しくない」という方々もいらっしゃいますが、定期購買している私からすると、味の改善は日々進んでいるように感じています。先入観で凝り固まっている人は是非コンビニで買ってみてくださいね笑。
では本文です。
24年2月期2Q決算概況
<キーメッセージ>
複利成長持続の実現可能性が高まった
・積極的なプロモーション効果と値上げ効果により、複利成長が継続
・逓増が続いていた原価率が、原材料費削減と値上げ効果によってピークアウトしてきたことはポジティブな印象
・2Q営業利益黒字化を実現したものの、下期は再び営業赤字となる想定。プロダクト改善やテクノロジーに先行投資することが要因だが、限界利益率の向上は鮮明になっており、来期以降の黒字化に向けた蓋然性は高まっていると言えよう。
<サマリー>
ベースフード(以下、「同社」)は、10月13日に24/2期2Q決算を開示した。2Q累計の売上高は8,110百万円(前年同期比+77%)、営業利益-126百万円。上期実績に鑑み、通期会社計画の増額修正も開示。
2Q(3か月)の売上高は4,372百万円(前年同期比+80%)と、増収率を加速させた複利成長を実現。1Qの積極的なプロモーションが奏功し、自社EC定期注文者が伸長したことに加え、新商品リリースや1Q後半の商品値上げ効果が複利成長を支えた格好となった。定期購入者の平均月間購買額は1Q5,000円から2Q5,200円に上昇した。下期もクロスセルの推進でもう一段の引き上げに取り組むようである。
1Qの定期注文者新規獲得が想定以上だったこともあり、2Qの売上高広告宣伝費率は1Q26.3%から2Q16.5%に戦略的に引き下げられた。原材料コストの上昇により逓増していた原価率も、原材料費削減と値上げ効果によってピークアウトしてきた。その結果、2Q営業利益(3か月)は254百万円と黒字を確保した。
上期実績に鑑み、通期会社計画を増額修正(売上高:16,078百万円→17,100百万円、営業利益:-804百万円→-427百万円)。下期売上高4,625百万円(前年同期比+74%)、営業利益-301百万円の想定。売上高内訳は、自社EC103億円(定期購入者数22.8万人、年間平均注文回数9.1回、平均月間購買額5,000円の前提)、他社EC14億円、リテール54億円。自社ECについては、値上げによって上昇した解約率をどこまで改善させられるかという課題は残るが、平均月間購買額は値上げ前の水準に据え置かれており、こちらはアップサイド余地があると考えて良いだろう。リテールについても下期以降ドラッグストア等への配荷が拡大予定であるうえ、1店舗あたり月間売上高も9,500円(修正計画は9,000円に据え置き)となっていることから、達成確度は高いだろう。全体では新商品販売(4~5種類)及び商品リニューアルの影響に注目していきたい。収益面では、原価率がアグレッシブな期初想定達成が困難になってきたことから、下期前提は2Q実績並みの水準に修正。一方、荷造運賃費率、広告宣伝費率は想定以上の効率化が実現できていることから、売上高営業利益率は2.5pts改善する計画となっている。
引き続きプロダクトの改善、テクノロジーへの投資は行われていくだろうが、増収効果により、来期以降の営業黒字化の蓋然性は一段と高まったと言えよう。利用者数、平均注文回数、平均購買単価を軸にした複利成長の継続に期待したい。
ディスクレーマー
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