勝手にアナリストレポート Vol.1024:チェンジホールディングス(3962東証プライム 時価総額897億円)
ふるさと納税制度ルール見直しの話が出て、チェンジホールディングスの株価が6月25日場中大きく動意づきました。この制度ルール見直しは毎年行われていることですが、今回はポイント付与けしからん!という内容だったことから、株価が大きく反応した形です。
皆さんの中にもふるさと納税を行っている方多いと思います。その際、各自治体を見るのは大変なので、ふるさとチョイスはじめ情報が集約されたプラットフォームを活用していることでしょう。最近はNTTドコモやJAlなどポイント経済圏を作ろうとしていた企業体の参入も目立ちます。
とくに大手ECサイトは、自社のポイントを還元するなどして集客していました。以前より、寄付という行為にポイント還元するのはいかがなものか?との声はありましtが、利用者からしてみたらポイントもらえる方が良いのは当然のことですよね。各サイトを見比べると、同じ自治体でも内容が異なることも多々ありますが、そこでの比較ではなくポイントに目が行く傾向が強かったここ数年です。
総務省がこのタイミングで動いた背景は分かりませんが、トラストバンクからするとようやく動いたという感じでしょうか。トラストバンクは一時期ポイント施策を打ち出したことありますが、基本ポイントを使った訴求はせず、本質を突き詰めたサイト運営をやっていました。彼らからすると、これでスクラッチ勝負ができるようになるというところでしょうか?相手は大手ECサイトですので、囲い込み戦略では叶わないかもしれませんが、専門特化型サイトとしての強み・優位性を思う存分発揮してもらいたいところです。
レポートには円グラフのみ掲載しましたが、ここに今後起きうることが示唆されています。このレポートはスポンサードレポートですので、オブラートに包んだ部分がありますので、皆さんそのオブラートに包まれたものを是非考えてみてください。ではレポートの転載になります。
チェンジホールディングス(3962)
シェア低下には歯止めがかかるだろう~ふるさと納税制度ルール見直しのインプリケーション
<サマリー>
6月25日、総務省がふるさと納税制度の見直しの一環で寄付者に対しポイント付与を条件に寄付誘引することを禁止すると明言した。
ポイント付与をフックに寄付者を集めるプラットフォームの台頭により、同社の市場シェアは近年低下していた。今回の決定により、市場シェア低下に歯止めがかかることが予想され、ポジティブに反応するだろう。
この見直しによって、同社の戦略が影響を受けることはないだろう。同社はこれまで同様制度趣旨に合致した運営を行っていくとしている。ポイント付与に依存しない継続的な運営が、今後寄付者に評価されていくことに期待したい。一方、競合の大手の一部は総合ECサイトであることから、囲い込み戦略が一定の効果を維持する可能性も考えられる。特化型プラットフォームとして、各地方自治体との連携を強めていくことがより重要となっていくだろう。ふるさと納税以外でも強い関係性を有する同社がその優位性を発揮していくことができれば、この市場でも再度シェアを拡大していくことが可能になると考える。
<本文>
6月25日、松本剛明総務大臣は閣議の記者会見で納税制度のルールを見直すことについてコメントした。今回、寄付者に対するポイント付与を条件にした客付誘引の禁止が明言されたが、同社はかねてより制度趣旨に沿った運営を行ってきたことから、マイナス影響はないだろう。ここ数年、ポイントをフックに集客するプラットフォームが増えたことを理由に同社は市場シェアを大きく下げていたが、これについては一旦歯止めがかかると考えられる。
25年10月以降はポイント付与による客付誘引ができなくなることから、プラットフォームの差別化・比較優位性が新規寄付者の獲得では重要になってくる。既に他プラットフォームを利用している寄付者を奪い返すには工夫・努力が必要となるだろう。
我々は、ふるさと納税市場でのシェア低下が一段落することで、株式市場が同社の本源的価値(地方自治体との密接な関係を根源にしたLOCAL×SOCIAL×DXの実現)に目を向けるようになることを期待する。
総務省の具体的な発言は次の通り。ふるさと納税制度について、今回の見直しでは、募集の適正な実施に係る基準に関して、地方団体が、寄附者を集めるための手段としてポイント等を付与するポータルサイト事業者等を通じて寄附を募集することを禁止することにするというもの(2025年10月から適用)。その他、各地方団体において、食品の産地の適正な表示を確保するための措置を講ずることも言明した。ふるさと納税は返礼品目当てということではなく、寄附金の使い途や目的に着目して行われることが意義のあることというのが総務省の考え。制度の適正な運用を確保しながら、こうした地方団体の取組を後押ししていきたいとのこと。
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