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勝手にアナリストレポート:チェンジホールディングス(3962 TSE-P 時価総額790億円)

継続的にレポートを書かせていただいているチェンジホールディングスが25年3月期1Q決算を発表しました。上期営業利益計画を3か月で達成しており、ポジティブな印象を持っています。持分適用会社となったディジタルグロースアカデミアの株式再評価益による押上効果が大きいため、人によっては一時的な利益嵩上げと受け止める方もいらっしゃるでしょう。一方、同社がM&Aを活用した成長戦略を標榜していることに鑑みれば、今回のアクションもきちんと評価できるのではないでしょうか。
これまでも何度となく伝えていますが、この会社はふるさと納税だけの会社ではありません。ふるさと納税事業を通じた地方自治体とのアライアンスをコアコンピタンスに公共DX事業の弾み車が回っていくことに目を向けていきたいですし、数値面での蓋然性も高まってきたように感じています。

25/3期1Q決算ファーストインプレッション:公共DX領域を起点とした弾み車醸成に期待

<キーポイント>
 25/3期1Qは、上期営業利益会社計画を3ヶ月で超過して着地した。株式の再評価益が利益を押し上げた格好だが、重要戦略の1つであるM&Aからの貢献であり、ポジティブに評価したい。

 各事業が堅調に推移した四半期だった。ふるさと納税プラットフォーム事業においても独自の打ち手を講じることで市場シェアの低下に歯止めがかかりつつある。

 LoGoチャットの浸透が公共DX事業全体に与える影響に今後はより着目していきたい。SaaSプロダクトを起点とした周辺業務や総合支援への波及効果が来期以降の成長ドライバーとなりつつあると我々は考えている。

<本文>
チェンジホールディングス(3962、以下「同社」)は8月14日に25/3期1Q決算を発表した。売上収益は前年同期比+59%の8,139百万円、営業利益は同+242%の2,453百万円。上期会社計画営業利益2,000百万円を超過しての着地。下期偏重の会社計画になっているため、通期会社計画の見直しは行われていないが、ポジティブな印象。持分法適用会社となったディジタルグロースアカデミアの再評価益1,569百万円が利益水準を押し上げているが、これは同社が重要視しているM&A戦略の成果として受け止めるべきだろう。なお、各事業が概ね堅調に推移しているが、あくまでも今期は来期以降の新中期経営計画(DJ3)を見据え事業の選択と集中及び来期以降を見据えた成長投資を粛々と行う期であることを改めて認識したい。
キャッシュカウであるふるさと納税プラットフォーム関連事業は前年同期比横ばいで推移した模様。ただし、長らく続いた市場シェアの低下には歯止めがかかってきた上、総務省からポイント還元に対する否定的な見解が示されたことから、今後同社の相対的立ち位置は改善していく可能性が高いだろう。
まだ全体業績に与える影響は小さいが、LoGoチャットを起点とした公共DX領域でのプレゼンスが一段と高まっていることに我々は着目している。LoGoチャットは日本の1,718自治体のうち1,433自治体が利用するサービスに成長した。この流れはLoGoフォームや周辺業務への波及効果を生み出している。今後はSaaSプロダクトの提供に留まらず、幅広い領域で総合支援を行うなど、事業領域の拡大も期待できよう。同社の弾み車が大きく回り出すことに期待したい。
24/3期2Qはふるさと納税の制度改正に端を発した駆け込み需要によって、売上・利益が嵩上げされたことを今一度思い出したい。

<ディスクレーマー>
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