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勝手にアナリストレポート Vol.1032:アイスタイル(3660)
アイスタイルが運営する@cosmeの会員がついに1,000万人を越えてきました。MAUも約1,700万人と安定して推移しています。2024年11月1日現在、日本には6,355万人の女性がいます。うち、15~69歳の女性は4,001万人。今や男性も化粧をしますし、小中学生やシニア層も「美」に対する意識高いので、対象ユーザーはもっといるでしょうが、かなりの女性が@cosmeのお世話になっている計算です。
昔は、有料課金ユーザーを増やしてBtoC売上を増やそうとしていた時期もありますが、今は購買データ、口コミデータ、行動データ、を重視した経営に転換しているように見えます。月額会費を払うプレミア会員機能はまだありますが、以前と違い、より使い勝手をよくするための会員機能になっているようです。
前置きが長くなりました。本編に移りたいと思います。
@cosme会員が1,000万人を突破
唯一無二の立ち位置が生み出す波及効果に注目
<キーメッセージ>
日本国内最大級のコスメ・美容総合サイトとして25年の歴史を有する@cosmeの会員数が1,000万人を越えてきた(MAUは1,780万人)。
一時期はBtoC課金サービスでの成長に傾注した時期もあったが、この領域のポイントは単独での売上拡大ではない。プラットフォームに蓄積されていく商品データ、口コミ、購買データを相互活用することで生み出される相乗効果が、単なるECサイト、専門店との比較優位性に繋がっていくことを理解したい。
同社は、24年10月から統合データ基盤の整備や次世代口コミ分析ツールの開発に着手していることから、今後の更なるデータの利活用に期待したい。プラットフォームでの広告事業、専門店やECを通じた小売事業をSum of the Partsで分析されがちな同社だが、それぞれの事業ドメインが連携することで生み出される相乗効果、比較優位性にもっと注目すべきと我々は考えている。
<本文>
アイスタイル(以下、「同社」)は、12月11日に@cosmeの会員数が1,000万人を突破したことを公表した。コスメ・美容の総合サイトとして1999年12月にサービス開始した@cosmeは、25年の時を経て登録商品数40万件、累計口コミ数2,080万件、月間利用者数(MAU)1,780万人(24年6月末現在)を誇るこの領域では唯一無二のサイトまで成長してきた。
@cosme会員は@cosmeにユーザー登録した会員を指しており、この中にはプレミアム会員も含まれる(有料課金ユーザー数は非開示。その他事業BtoC課金サービス売上から10万人超の有料課金ユーザーがいると推計される)。かつてはBtoC課金サービス売上を伸ばすべく尽力していた時期もあるが、現在はその他事業に含まれていることが示す通り、ヘビーユーザーの満足度を高めるためのサービス提供としての意味合いが強いと思料される。
日本で最大にして唯一無二の美容プラットフォーム上で@cosme会員が生み出すMAU、口コミ数といったデータが、@cosme SHOPPINGという化粧品専門ECサイト(取扱商品数50,000SKU)や化粧品専門店(国内店舗数30店)を通じて、ユーザーのみならずブランドにとっても有用な販売データを生み出し、それが弾み車となって相互事業拡大に繋がっていることを、我々は改めて認識する必要があるだろう。
同社は、来期以降の業績拡大に向けた布石として統合データ基盤の整備および次世代口コミ分析ツールについて、トレジャーデータ(株)、(株)ベルシステム24、(株)シンカーとアライアンスを組んでの開発に24年10月から着手している。同社のみが有するユーザーの購買データとメディア内でのアクションデータを効率的に連携することで生み出される比較優位性にはもっと注目しても良いのではないだろうか。