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息子と父の漆塗り自由研究
夏休みが終わった9月。
「漆塗りの自由研究をしました!」という嬉しい報告が寄せられたのでご紹介します!
自由研究といえば、小学生が興味のあることを体験を通じて調べ、大きな画用紙にまとめあげるという、夏休みの宿題の大定番ですよね。
「漆塗り自由研究」を提出したからには、漆を塗ったことがある先生も少ないと思うので、先生も驚きとお手上げの課題のようにも感じます!笑
ここで重要なのはタイトルにもつけた「息子と父の自由研究」というところ。
本来なら、自由研究は子どもたちが自由に興味のあるものを題材にしますが、今回の3組に共通しているところは、大人が面白いと感じて取り組んでいることを、子どもたちがそれを見て一緒になって夢中になっているところだと思います。
そして、共通するのがもうひとつ、不定期で開催するキャンプイベント「GNU CAMP」に参加してくれた3組だということ。
「大人も子どもも漆でつながり、感動を分かち合う」というコンセプトで開催しています。
ご両親の声も一緒にご紹介していきます。
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文化は子どもたちがつくる
大阪でアトリエを解放している知人が僕に教えてくれました。
「文化は子どもたちがつくる」
彼の夢は、大阪に大人も子どもも暗くなるまで目一杯遊んで学べるアトリエや公園を作ること。大阪の住宅街では、自然や公園も少なくなかなか子どもたちの感性が育まれるスペースがないのだとか。
どんな文化も、子どもに優しいものでないと発展はしていかない。
そんな想いのもと、今は週末になるとアトリエを無償で開いてワークショップや教室をしておられます。
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「漆文化を広める」という想いのもと活動しているヌーでは、アウトドア以外にも活動の幅は多岐にわたります。
文化は子どもたちがつくるという想いの活動でいうと、多治見中や新旭南小での漆体験授業などもそのひとつ。
GNU urushi craftが「アウトドアブランド」という位置付けなら、小中学校で授業をするという動きは考えにくいですが、「塗師 中川の漆文化を広めるプロジェクト」というくくりで考えると、ガテンがいきます。
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プロジェクトの中に、ブランドという一面もあるし、コミュニティという一面もあるし、体験授業をやったり、イベントを主催したり、病院に寄付活動をしたりと。
全てひっくるめて「プロジェクト」というのがわかりやすいかと思います。
学校で子どもたちと向き合っていていつも思うのは、子どもも大人と同じだということ。
「漆」という、触れたことのないものへの「ワクワク」と、みるみるうちに美しく変化していく塗料への「トキメキ」
そして、それを楽しむ大人と一緒に楽しむことが大切だと思います。
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夏休みの自由研究に、漆を選んでくれたことの知らせを聞いて、この活動を始めて四年目、続けてきて本当に良かったと感じる瞬間のひとつでもありました。
中山桃寿(なかやまとうじ)くん小学二年生
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桃寿くんは家族5人でGNU CAMPに参加してくれました。
イベントでは、一日中お父さんやお母さんや、当日参加してくれた20組のみなさんと一緒にククサを削ります。
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ワークショップの合間に、参加している友達と遊んだり、漆塗りのモルックで漆に触れ合ったり。
ただ漆のことを教える教室ではなくて、人との繋がりや遊びを通じていろんなことを感じられるイベントを心がけています。
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景品は漆塗りのモノばかり。
GNUから協賛させてもらったり、参加者の皆さんがご自身で塗ったものなど様々です。
イベントから帰る頃には、漆は「古くさい」というイメージから「かっこいい」「欲しい」「すごい」というイメージになってます。これも作戦通り。笑
漆塗りの工程では、まずはみんなで座学をしますが、基本的に難しい話はしてません。
大人も子どもも、「楽しい」とか「不思議」とか「やりたい」と思ってもらえるよう心がけて伝えます。
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箸は削るところから自分の手で仕上げたそうで、夏休みの宿題をやってる時間の8割くらいを漆塗りに費やしたそうです。
完成した箸を大阪から滋賀に見せに来てくれた時は、「楽しかった!!!」と一言感想を伝えてくれて、桃寿くんの頑張って仕上げた想いがしっかり伝わってきて、心が温まりました。
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桃寿くんご両親の声
最初は2年生の息子がナイフを使って箸を削り、拭き漆をするのは見るたびにヒヤヒヤしてましたが、一つ一つの作業を不器用ながらも時間をかけて真剣に取り組む姿を見て感動しました。
学校の先生や友だち、友だちのパパやママからの評判もよかったようで、照れながらもすごく嬉しそうに報告してくれました。
製作途中もムロの中にある箸を何度も眺めたり、何回塗ったかカレンダーのマルを数えたりしながら、1ヶ月以上かけてじっくり作りあげたものをこれから大事に使って欲しいと思います。
次は息子が大好きなけん玉に挑戦するそうなので、自分で考えて、自分で工夫して、自分で作る楽しみをこれからも追求していって欲しいと思います!
宮下カンタくん
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なんと、フリーハンドでGNUのロゴも書いてくれたカンタくん!彼も、東京から家族でGNU CAMPに参加してくれた1人です。
と、言いながらも、ヌーキャンはどちらかというと、まずは「大人が楽しむ場」
"子どもたちのため"と始めたイベントではありません。
でもファミリーで参加してくださる方も多くおられます。
僕たちは、「子どもは大人が楽しむところに興味を持って集まる」と考えているので、子どもたちも楽しめる導線さえあれば、みんなが一緒になって楽しむことができる。コレが1番だと思っています。
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カンタくんは、ヌーキャンで一日中コップを研磨していました。それがとにかく楽しかったようで、夜の焚き火をすることになると
「僕、漆塗り職人になる!!!」と豪語するほどに!笑
漆を心から楽しんでくれたことも、ご両親のご感想を読むと伝わってきます!
宮下カンタくんのご両親の声
5月にGNUキャンプに初参加させていただきましたが、その時はGNUさんについては私だけがハマっていて子供達は、ただただ滋賀にキャンプに行くという感覚で参加し、何が始まるのかもよく分からない状況でした。
そんな状況の中でしたが、漆塗のククサのワークショップに参加して、中川さんはじめ、小栗さんや平馬さん達にアドバイスをいただきながら、
見様見真似で形をつくり、たくさん研磨をして、実際に漆を塗るという中々体験できない経験をさせていただくことができました。
3兄弟の中で、一番好奇心旺盛で、とにかくやってみたい性格で、どんな大人にでも積極的に話しかけに行けるカンタにとって、大人たちと一緒に参加できるGNUキャンのワークショップはとても刺激的な経験となったと思います。
今回の夏休みの自由研究で漆塗りをやってみたいと思った理由についてカンタに聞いてみたところ、「漆を塗る人がカッコいいと思ったから、そしてそれを学校の友達にも知ってもらいたいと思ったから」とのことでした。
見本として並べられていたHORNや数々の漆塗りのギア、平馬さん(カンタはコップ師匠と呼んでいましたw)の芸術的な木膨り作品にとても魅了されていましたし、GNUキャンに参加されていた皆さんがとても楽しそうにされているのを見て、カンタも漆はカッコいい!という気持ちが強くなったんだと思います。
夏休み期間中、長期間祖父母の家に行っていたりでカンタが実際に漆を塗れたのは数回ほどでしたが、私から言わなくても、「なんかキラキラしてきたね!」「コップが固くなってきてる!」と漆を塗り重ねることでの変化に気づいていました。
子供は勝手に成長してくれると言いますが、今回の経験はまさにそれだなぁと思いました。
子供達自身で興味を持ち、見て・触れて・やってみて、自分達なりの気付きを得て成長してくれました。
また、子供のやってみたいという気持ちを実現してあげることは大事なんだなと改めて実感しました。
これからもその気持ちを大事にしていきたいと思います
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原颯太郎くん小学5年生
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颯太郎くんは、GNUのイベントにいつも来てくれる常連さんで、子どもたちのお兄ちゃん的存在!
昨年に続いて漆の自由研究をしてくれました。
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今年の春で3回目を迎えたGNU CAMP。第2回のときは、なんと!みんなの名札を手作りでつくってきてくれました。
木の名札というところが、さすが颯太郎くん。
このキャンプイベントが終わると、みんな自分で漆を塗り重ねて、思い出の名札に変化します。
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その日できたヌーの友達は、イベントに来ると再開できる、学校以外の大切なコミュニティだったりします。
「漆に繋がる人をふやし、感動を分かち合う」
帰りは涙涙にお別れする子どもたちも、大人と同じで、感動を分かち合っているんでしょう。
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颯太郎くんご両親の声
自由研究は『今年も漆をやる」と、もう息子が自分で決めていました。息子は漆は何度か塗ったことはありますが、まだ1回目しか塗ったことがなく、自分で塗り重ねたのは初めてでした。
また、やすりをかけずに塗ったらどうなるか、やすりをかけたものと手触りはどれくらい違うのか見てみたいと言っていたので、対比させることにしたようです。やすりをかけるといかに光沢がでるか、手触りがいいかよくわかったようでした。
自分で塗る重ねることで、人生で初めて愛着というものを知ったようです。
そして、本物を長く大切に使うということはSDGSにも繋がることにも息子が気付き、改めて漆を通して多くの事を学んだようです。漆の奥深さを私たちも改めて気づかされました。
繋がり
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いつも多くの方が、漆と繋がったことで心豊かな感情になったと、感謝のメッセージをくださいます。
それは、ヌーキャンでの人と人との繋がりによって生まれた絆からだったり、親子で楽しいを共有したことで生まれた親子の時間からくる暖かい感情だったり、時間をかけて塗ったカップで淹れるCoffeeのひとときだったり。
それは人によって様々です。
でも、その中心には「漆」というものがあって、それを広めるヌーという"ハブ"がある。
人が感動し続けることで、それをまた周りの人に伝えて、広まっていき、文化は育まれていくと思います。
「漆文化を広めよう」
子どもも大人も。昔も今も、同じ。
自分が「最高だ」「素晴らしい」と思ったことは、人に共有して、分かち合っていきたいと思うのが人間の性です。
それさえ伝われば、放っておいても漆文化は広っていくと思います。
今日ご紹介した3人は、深い深い「漆沼」にハマってしまったキッズヌー!笑
これからもたくさんの人に漆の魅力を伝えてくれるんだろうなー!
GNU urushi craft / 中川喜裕
GNU urushi craftは、「漆文化を広めよう」を合言葉に、様々な”漆の新たな可能性”を探り、5代目塗師中川喜裕が”ヌーの群れ”と共に、漆文化を広める挑戦を続けるプロジェクトであり、コミュニティーであり、アウトドアブランド。
https://www.instagram.com/gnu_jp?igsh=eGx1aTA1bmdmeHo=
tsumiki salon KINDI / ちひろ
「子育ては幸せなもの」という、自身の出産後に感じた辛い経験を経て積み木に救われた感動を伝えたいと2023年12月活動を開始。
保育士であり二児の母であるCHIHIROが、おもちゃコーディネーターの知識をもとに、積み木の魅力を発信。
「子ども漆器」の開発も手がける。
募集後即完売の積み木サロンも不定期開催。