【超短編小説】階段とすべり台の面接
私は、部屋の前に立ち、ドアを三度ノックした。
内側から「どうぞ」となめらかな声がする。
声が聞こえたのを確認して、部屋の中へと進もうとする。
…つっかかった。
部屋のドアが狭すぎて、ぶつかってしまったのだ。
なんで普通のドアなんだ。せめて引き戸にしてくれ。
気を取り直して部屋に入ると、目の前に面接官がいる。
すべり台の、すべる部分だ。
背丈は、私と同じ。よかった。
この世界では、まず面接官と私の背丈が同じでなければ、話にならない。
第一関門は突破した。私は一安心した。