矛盾の中でやりたいケアを追究すること
研究の関係で、介護職の方々とお話をする機会があった。介護職の人達とは割とよく話をするほうだと思うが、その人の介護観に深く触れるという機会はあまりない。やはり真剣に仕事をしている人の価値観に触れると、聞いているほうは深く考えさせられ、自分には何ができるのかと思わずにいられない。
その介護職さんは、はっきりいって凄腕なのだ。ちょっとしたことからその後の様子を予測したり、ICTのデータもものすごく効果的に活用できる人で、仕事も楽しいと言っている。キラキラ✨して本当に素敵だ。でも、その素敵な凄腕は苦笑いしていう。「まだなんです、まだまだなんですよ」
え~、なんで?って思ったので、聞くと、「まだ、ここ、私が入所したい場所じゃないんですよ。、、、やっぱり、なんていうか、ちょっと上から目線のところあります。認知症の人たちに対してなど、、、まだまだです。」
それを聞いて、納得させられた。自分のいる職場が自分が入れるかどうかという物差しに正直で、かつ、そこを克服したいからずっと頑張れるのかもしれない。それにしても、ケア者の上から目線というのは、どんな時も消えないのだなと。上から目線って本当によく聞く。家族介護者さんと話していても、家族内でもそういう上下があり、多職種の間でもあり(医師→看護師、看護師→介護者、ケア提供者→家族、患者、、、、)、何とかならないのかなと思う。特に「ケア提供者→家族、患者」なんてあってはいけないのだけど、普段から相手をフラットに見るということが相手をリスペクトする目を養うっていうことが大事なのだと自分に言い聞かす。相手を大事に、相手の良いところ、俯瞰的に見る力が必要だと思う。優劣ではない相手の見方ができて生産的な力にできるほどのアセスメント能力が必要だと思った。【文責:アカデミックスタッフ 山川】