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CTOが語る、ぐるなび開発部門のVision & Culture - 「人」こそが成長の鍵
岩本 俊明
株式会社ぐるなび Chief Technology Officer
2009年中途入社
大学卒業後、IT系情報専門誌の出版社に入社し、ネットワークエンジニアとしてキャリアをスタート。サーバー / インフラ周りのエンジニアとしてのキャリアを積むため転職を決意し、2009年にぐるなび入社。インフラストラクチャーサービスグループのマネージャー、開発部全体のマネージャーを経て、2022年8月よりCTOへ就任、現在に至る
こんにちは。ぐるなび開発部門のnote担当です。
今日はぐるなびCTOの岩本俊明に、開発部門の「今」をインタビュー形式で伺いました。
1、ぐるなびの開発部門について
-(インタビュアー 以下int.)
今日はぐるなび開発部門のことをたくさんお伺いしたいと思っております。よろしくお願いします。まず初めに全体的なお話から。
CTOから見たぐるなびの開発部門の特徴や、カルチャーについてお話を伺えますか。
(岩本)
ぐるなびの開発部門には、ディレクター、UIデザイナー、データエンジニア、データサイエンティスト、バックエンドエンジニア、フロントエンドエンジニア、アプリエンジニア、インフラエンジニア、システムセキュリティなど、システムを作る上で必要な要素がすべて一つの組織内に含まれています。
このような体制は、モノづくりを行う上で非常に仕事がやりやすいと感じます。異なる分野の技術組織が完全に分かれているのではなく、「一つのものを一緒に作っていく」という考え方が組織体制に反映されています。私が入社した当時も、インフラエンジニアと開発エンジニアとの距離がとても近いと感じたのを覚えています。さらに言うと、今では私が入社した頃よりも横の連携が強化されており、ますます仕事がしやすくなり、チーム間の距離も一層近くなってきています。
‐ (int.)
たしかに、距離感が近いというのは私も感じます。
(岩本)
WEBサービスというのは生き物のように常に変化・進化し続けるものです。新しい機能が追加されることもありますし、トレンドもどんどん変わっていきます。コロナ禍もその一例かもしれませんが、そういった世の中の変化や、我々が提供する新しいユーザー体験は、常に同じ状態で存在することはありません。常に変わり続けるのです。そうした状況において、ユーザー体験をより良いものに変えていくためには、この距離の近さがものすごく重要だと感じています。これは、私が初めてここに来た時から強く感じていたことです。
プロダクトを作るために必要な要素は、プロジェクト内で様々な役割を持つチームが円滑にコミュニケーションを取ることです。このような環境を提供している会社は、「ものづくり」において非常にやりやすいと感じます。
さらに言えば、単一のプロダクト内での連携だけでなく、プロダクト間での連携も重要だと考えています。ぐるなびには、楽天ぐるなび、ぐるなびFineOrder、ぐるすぐり、LIVE JAPANなど、多岐にわたるプロダクトがあります。しかし、各プロダクトが完全に独立した組織というわけではなく、横断的な連携が重視されています。例えば、Tech Leadは技術的な連携を担当し、ディレクターはディレクター間での連携を行います。このように、縦割りのプロダクト構造と横断的な連携がうまく統合されていることで、各プロダクトの制作がより円滑に進むのです。これこそが、ぐるなびの特徴であり、カルチャーであると感じます。
2、最近の取り組みについて
-(int.)
ありがとうございます。ぐるなびの開発部門らしさやカルチャーを伺ったところで、現在どのような取り組みをしているか教えていただけますか?
(岩本)
最近は「データの民主化」についてよく議論しています。私たちが持つ資産を効果的に活用し、新しいメディアの形を構築する際に、ぐるなびが保有するあらゆるデータが連動する形が実現すれば、ユーザー体験は非常に興味深いものになると考えています。
技術的な視点で見ると、プログラミング言語やアーキテクチャが統一されていても、事業ごとに異なるため、データの活用がうまくいかないことがあります。その課題を解決するために、「データの民主化」という概念を取り入れ、データの連携を進めています。
実際、私たちが保有するデータ資産は多岐にわたり、横断的に活用できるものが多数存在します。これらは、飲食店情報サイトの「ぐるなび」(現:楽天ぐるなび)が1996年にスタートして以来、蓄積してきた重要な資産です。これらの資産をさらに効果的に活用するために、「データの民主化」の実現に向けた取り組みを進めています。
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もう一つは、「ぐるなびNextプロジェクト」です。
これは、生成AIを活用して「ぐるなびの社員の生産性向上」と「ぐるなびサービスへの生成AIの組み込みによる体験向上」を推進するプロジェクトです。全社員の生産性向上や、エンジニアの開発生産性の向上を目指して、すでに複数のプロジェクトが進行中です。
例えば、GitHub Copilotや生成AIを活用して開発の生産性を向上させる取り組みを行っています。AIと開発は非常に相性が良く、AIを利用した開発手法を日常化することを進めています。
実際の社内アンケートによると、半分以上のエンジニアが50%以上のコードを生成AIを活用していることがわかりました。この数値をさらに伸ばすために、社員が生成AIを活用した記事を日々社内ナレッジとして投稿しています。この結果はあくまで通過点であり、今後さらに利用が拡大していくと考えられます。
-(int.)
ほぼノーコードみたいな感じですね。
(岩本)
いずれは、そうなっていくかもしれないですね。ただ、現時点ではそう簡単にはいかない状況です。生成AIが生成したコードを全て鵜呑みにすることはできず、必ず人の手が入ります。最終的な判断は人間が行うため、経験も重要です。それでも、新たな言語に挑戦するハードルはかなり下がったと思います。今後は、皆がさまざまなチャレンジをできる環境が整っていくことを期待しています。
3、どんな社員がいますか?どういう方が合いますか?
-(int.)
良い技術はどんどん取り入れていく、そんな印象を受けました。そんなぐるなびですが、実際どんな社員が多いですか?また、どんな人と一緒に仕事をしたいと思いますか?
(岩本)
ぐるなびは、さまざまな実験や新しい取り組みに対するハードルが低く、チャレンジがしやすい会社だと思います。皆の意見を尊重し、それが良いと判断されればすぐに実行に移すカルチャーが素晴らしいと思います。
例えば、現在開発部門ではナレッジ共有会という場があります。これは週に一度開催される勉強会で、自分の仕事で得た知識を開発部門全体に発信することができ、聞いている人々も学ぶことができる場です。毎回異なる人が発表を行い、特定の人に強制されることはありませんし、情報を吸収する場所が多いのはとてもいいなと感じます。
週次のナレッジ共有会に加えて、日常的な情報発信にも力を入れており、例えば生成AI関連の社内記事は1か月で40件以上も投稿されています。
また、従業員のエンゲージメント向上を目的とした専門組織「Developer Engamenent Group」があり、さまざまな施策を検討・実施しています。
さらに、組織内には「分科会」という新しい取り組みを推進する場も多数存在します。分科会はTech Leadが開発内の課題を提起し、その改善を目的として個別に立ち上げられる形式です。現在、常時5つ以上の分科会が活動しており、Tech Lead以外のメンバーも積極的に参加しています。この自律的な取り組みがシステムの改善を加速させています。
こうした仕組みが整っているため、新しいことに挑戦したい人や独自の体験を創出したい人にとって非常に魅力的な環境といえます。また、自分のやりたいことにチャレンジし、「こうしたい」という想いを実現できる環境でもあるため、より良いものを追求する意欲がある人にとっては、非常に面白く刺激的な場となっています。
-(int.)
なるほど、ワンチームでモノづくりをするための組織があって、データやAIの活用も推進している。そして新たなチャレンジに挑戦できる環境があるという事で、ここまで色々お伺いさせていただきました。ありがとうございました。
最後に、この記事を読んでいる方へ一言いただけますか?
(岩本)
ぐるなびの開発部門は、ビジョンを実現するため、最新技術を駆使し、ユーザーニーズを捉えたサービス開発に日々取り組んでいます。今後も、ぐるなびは進化を続け、皆様の食体験をより豊かにするサービスを提供してまいります。
-(int.)
今回はCTOにぐるなび開発部門のお話を幅広くお伺いしました。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
また、現在ぐるなびでは一緒に働く仲間を募集しております。
もし興味がある方がいらっしゃいましたら、ご応募お待ちしております。
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