White Light/White Heat - 1976 France Reissue
The Velvet Underground
White Light/White Heat
Verve Records 1976 – France Reissue
1976年のフランス盤。フランス盤WL/WHは、現在まで、70年代にリリースされた2種のみしか存在しないため、あまりみかけないです。といっても、もちろんレア盤とかそういう類のレコードではなく、ヨーロッパで中途半端な年代にリリースされた、いち不人気リイシュー盤だと思います。どんな音がするんやろかと、なんとなく聴いてみたくなって入手。レコ屋でE式のふにゃい質感のジャケットを触った瞬間、なんというか、もうすでにWL/WHらしさはないんですが、百聞は一見にしかずの精神で。
参照 :
ジャケットの製法で、ボール紙の芯ポケットの表面に印刷した紙を貼り付けるA(アメリカ)式に対して、E(イギリス)式は、芯を使わずに、印刷した紙をそのまま折り曲げてジャケにする。USオリジナル盤は、もちろんA式です(ジャケ関連参照記事)。
音は良くない・テンポも遅い
このフランス盤、音は良いとは言えないです。中低域が落ちてしまっており、音量も小さい。下の画像でも波形は小さいです。ゴソッと抜けた帯域があることによって、ふだんあまり気にしてなかった音が聴こえ始めてハッとしてしまうようなレベルです(もちろんそれで、おーありがとうとはならない)。UKリイシュー盤(参照記事)のサウンドのマズさで先に立つのは、聴こえ方に手を加えてそれが奏功していない点かなと思ってるんですが、このフランス盤は、いじった印象はあまりなく、単に、ああダメなマスターを使ってるんだろうなあ、って感じです。
ちなみに、下の波形を並べて比較した画像、実は曲頭付近で両者のタイム位置をガチガチに合わせているのですが、フランス盤はテンポが若干遅いため、ご覧のようにUSオリジナル盤の波形と位置が合わなくなってきています。おそらくマスター音源のピッチもおかしいんでしょうね。
70年代の欧州盤ダメ説
同じ70年代のリイシュー・リプレス世代であっても、US盤であるHollywood ReissueもArchetypes Seriesもガッツのあるかっこいい音がするんですが、この'76仏リイシュー盤も'71英リイシュー盤も音はペラいです。この時代、米国内のマスターテープと、それ以外の国で使われたマスターテープのクオリティの差は大きかったと想像します。
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