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社会人
社会人2年目になった今の気持ちを綴りたいと思う。
社会人1年間経験してみて、案外悪くないな〜って感じている。
ただ、就職することをやめて夢を追いかけている友達は、僕の生き方を見て、ありきたりな人生を選んでつまらないなと今頃思っているのだろう。
平日は決まった時間に起きて
寝不足の状態で山手線に揺られ(たまに吐きそうになる)くたくたになりながら帰宅をする。
誰から見ても典型的な普通のサラリーマンで、
学生時代の僕が一番なりたくなかった道を歩んでいる。
具体的なビジョンもないくせに、だれかからすごいと思われることを成し遂げて特別な人間だと認められたいと承認欲求の塊だった2年前。
ネットに転がっている地に足がついていない持論を展開する事業家やインフルエンサーの言葉をあたかも自分の考えのように、特別な人間になったと錯覚しながら、日が昇るまで友達と語り合っていた。
社会的に責任を追っている今の自分からすると絵に描いた餅すぎて鼻で笑ってしまうような妄想に一生懸命になっていたなと振り返る。
幼い頃の自分の考えは全て無駄のように思ったりもしているが、
一つだけ今でも大事にしている考えがある。
短期間だが会員制のバーでアルバイトをしていた。
そこは警察官や、大学教授(関西だといいところ)や土木系の社長(元ヤン)上場企業の社長(あんまり有名ではない)など個性的で
いわゆる'特別な人間'と会話ができて刺激的だった。ただどんな肩書きの人との会話より最も刺激的だったのがオーナーとの会話だった。
そのバーのオーナーは、小太りでダサい黒縁メガネをかけていて宮川大輔っぽいみためをしている。
お世辞にもかっこいい見た目とはいえないが、そのオーナーが口をひらけば人々の視線は一点に集中する。
会話がおもしろいというのはもちろんなんだが、男の僕から見てもいい男。
なんていうんだろう。
これが大人の色気ってやつか〜?と感じていた。
ちょっと大人の色気の出し方を参考にしてやるかと思いながら、
仕草や口調を真似してみたり、オーナーのメガネをこっそりかけてみたりと色々試してみたが、一向に色気はでてこず、薄っぺらいまんまの自分だった。そんなこんなで試行錯誤しながら真似をしていたのだが、ある日お客さまが店のど真ん中で嘔吐をした。
いい年した大人なんやから自分のキャパくらいわかっとけよ、と思いながらイヤイヤゲロ掃除に取り組んでいる私をみてオーナーはせっせと手伝ってくれた。(手伝ってくれたというより、9割くらいやってもらった。)
その後私に、
『おれはお客さんのゲロを掃除して金もらって生きてんねん。
その稼いだ金で家族に飯食わしとんねん。このゲロ掃除がおれらの仕事や。真剣にできへんねやったらそこでみとけ』と真剣な目をして訴えてきた。
この言葉が自分史上もっとも印象的なセリフだった。
オーナーの色気の正体をようやく理解することができた気がした。
仕事に対して真剣に泥臭く取り組む姿がカッコいいということを初めて知ったし、愚直に頑張っている人間はとても魅力的にみえるんだなと感じた。
自分もこの人みたいにカッコ良い大人になりたいと素直に思ったりもした。
特別な肩書きや資産がたくさんある人が魅力的で特別な人だと思っていたが、何も持たないバーのオーナー(言いすぎた、小さな店は持っている)
に強く憧れをいだいた。この人は特別な人間だなと感じた。
この日から職業や役職で人を見ず、
仕事の取り組み方や人間性で人を見れるようになった。(とても当たり前のことですが、、、、)
自分が社会人になった今、
仕事をする上で泥臭く愚直な姿勢は欠かせない。
側から見れば、普通のサラリーマンの一人にしかすぎないだろうが、オーナーのように取り組めばだれかの憧れになれるかもしれない。
過去の自分が憧れる人間になれるよう、
ありきたりな毎日を懸命に生きてる。