私に愛を教えてくれたゲーム、「ドラゴンクエスト4~導かれし者たち」
こんばんは、いまかがみでございます。
#全力で推したいゲーム
こんなタグ、見つけました。
えぇっ!今日は好きなゲームについて語っていいんですか!!?
ってことで改めて推したいゲームについて考えた時に出てきたのが、タイトルのゲームでございます。
好きなゲーム、といえばやったゲーム全て!なんですけど、推したいとなるとDQ4なんですよねぇ。
超ざっくりこのゲームの概要を説明すると、魔王に故郷を焼かれ、家族と幼馴染を失った青年(少女)は、実は世界を救う天空の勇者としての使命を帯びていた。彼は神に導かれた仲間たちとともに世界を旅し、悪を討つ。
しかし本来悪であるはずの魔王にもまた勇者同様愛する人がいて…というお話。
私はDS版にて約15年(!)ほど前にプレイいたしました。
その頃の私はドラクエ歴は浅く、DQ8をある程度やりこんだのみでしたが…
まだまだ子供の私には、衝撃のシナリオだったのを覚えています。
村、焼かれてるじゃん…いや、DQ8も自分の仕えていたお城や主君が呪われてる状態からスタートなんですけど、まだ希望があるんです。呪いを解くための旅だから。でもこっちは最初からもう取り返しがつかないし、なんなら5章に行きつくまでの1章~4章の仲間たちの旅路もよく考えたらまぁまぁ悲惨です。
2章で自分の家族と国民が消えるサントハイム三人衆、殺された父の敵討ちに失敗し、頼れる仲間も失いながら失意の航海にでるモンバーバラの姉妹はもちろん、相棒と別れ独りどこにいるかも分からない勇者を探し続けるライアンさんの孤独も大人になると想像できてしんどいなぁと思います。
ほんと、トルネコさんが救い。彼がいないと仲間たちのメンタルやばそう。
その絶望スタートからだんだんと這い上がっていくあの感じ。
それはもちろんレベルアップで強くなっていくゲームシステム的な部分もあるし、あの時倒せなかったボスと再戦して勝てた時のカタルシス、反対にボスを倒したはずなのに状況が改善しないもどかしさ…プレイヤーの私の感情の揺さぶりが上手いんですよ。
その揺さぶり、に大きく寄与してるのが、タイトルに書いた愛なんですよ。
で、その愛って何よ?
私が一渡りプレイして思ったのは、この物語の登場人物、彼らの行動の動機づけが愛、それも恋愛由来の感情が目立つなということです。
それを一番端的に、そして分かりやすく示してくれるのが
本作のラストボスのデスピサロです。
魔物…魔族は決して言葉の通じない獣ではなく、意志も感情も社会もあります。それらが人間にとって都合がいいか悪いかは別にして。それはライアンさんの相棒のホイミン君がプレイヤーにしっかりと刻みつけてくれます。
5章のはじめ、魔族の王ピサロは主人公の勇者の村を焼き滅ぼします。それは、勇者が自分たちの社会を脅かす存在だから。それを承知の上で、勇者の幼馴染は自らを犠牲にして守り抜くんです。(彼女の行動が恋愛感情からくるものとは断言出来ませんが、私個人はただ勇者が運命に導かれたから~とかそういう義務的な理由じゃないと信じてます。彼女自身の意志で、大切な人を守るための行動だと思います)
ここでプレイヤーたる私はがっつりピサロを敵認定します。そらそうよ、自分以外皆殺されたんだから。
そのあとも悪い魔物がいっぱい出てくるんですよ。出てくるんですが、話が進むにつれて「魔物になった人間」が敵になっていく。魔物=悪い奴!じゃなくて悪い心を持った奴のなれの果てが魔物になっていく。
さらに私の頭には人間になりたいというカワイイ魔物(ホイミン)がちらつく。魔物と人間、善と悪の境界が曖昧になっていく。
このへんで、ロザリーの話が出てくるんですなぁ!
勇者も出逢って、話をしたはずのエルフのロザリー。ピサロを止めてほしい、これ以上罪を重ねてほしくないと言っていた心優しい彼女が人間の都合で惨たらしく殺される。ピサロが一生懸命守っていたのに。
ここでプレイヤーの私、困惑するわけです。大切な人をを殺された敵討ちなんてこっちが先にやってるわけで、大義名分がなくなっちゃうんですよね。どこに感情移入すればいいんだってなる。愛と勇気なんて主人公の専売特許じゃないんかいって。
そしてラストバトル。そこには異形になり記憶を無くしてまでなお、人間を滅ぼさんとする大魔王の姿があるのですが…その目的は世界征服などではなく、復讐の鬼そのものでした。
クリア後、世界が平和になった喜びとか、トルネコが家族といる場面とかを見た後の最後の勇者と幼馴染シンシアの再会…感動した、報われた!と思うハッピーエンドの裏でピサロのことを考えてしまう。
あのざらっとした甘苦い余韻というか、魔族でさえも好きな人のためにここまで出来るって説得力を与えたという意味では非常に印象に残っています。
そのあとの6章、リメイク版で追加された展開は各プレイヤーさんで大きく意見が分かれるようですが、私はあって良かった側です。
こちらの章ではなんと、「世界樹の花」という死んだ人間を生き返らせるアイテムで非業の死を遂げたロザリーを生き返らせ、彼女のルビーの涙でデスピサロを元に戻しラスボス戦回避!というびっくり展開になります。
勇者の村を滅ぼした魔王が仲間に!?しかもいくら可哀想だからって、シンシアを差し置いてロザリーを生き返らせるなんて!?という箇所が賛否の論点ですが、私もその感覚はめっちゃ分かりまして…でもそれが、まさに主人公の勇者と同じ感情を味わえてる感じがして良かったんですよね。きっと主人公は一発ぶん殴りたかったろうなw
ここでも活躍するのは愛の力。ロザリーのルビーの涙の不思議な力と、ピサロを想う気持ちがガッツリ描写されてて(・∀・)イイ!!んです。
まだまだ語りますよ!
この世界、主人公周りの他の皆様もまぁ浮足立った話が多いラブストーリーがそれなりにあるんですよね。
2章のアリーナ姫のお話にはロミオとジュリエット状態の王子と姫のカップルが出てきて、アリーナ姫が優勝することで二人のキューピッドになることが出来ますし、4章で追手から姉妹をかばって離脱したオーリンさんは助けてもらった女性とイイ感じだし、そもそものお話の始まり…主人公の存在も人間のお父さんと天空人のお母さんとの悲恋が前提にありますし。
(細かい話ですが、DS版の簡易移民の町では、町のルーツが「王族と平民の駆け落ち」から始まってるなんて話もあったと思います。)
そういや灯台下暗し、うちの仲間もクリフト君もガッツリ愛に生きてるキャラクターでしたね。ドラクエのキャラで、他の仲間(一緒に旅するプレイアブルキャラ)に恋愛感情を持っていると明確に描写されてるのって家族がテーマのDQ5を除けばクリフト君くらいじゃない?他のシリーズに誰かいたっけ?
(DQ11の結婚システムもちょっと違う気もする)
物語における恋愛って友情も家族愛も派生して書けること、恋愛から社会の最小単位である家族が形成される可能性が高いから主人公の成長や意識の変化がすごく描写しやすい、おまけに共感も得やすいといいことずくめだと思うんですよね。故にけっこう重要な立ち位置を任されることが多くて、お話のキモにもなるし、ここが合わないと苦手になる作品も多い。
DQ4は今までその辺があまりピンと来ないままただの娯楽としてゲームを楽しんでいた私に初めてストーリーを意識させてくれた作品なんです。
愛があるから理不尽なことや絶望にも立ち向かえるし、反対に悪事や暴力に手を染める理由にもなる。そしてその結末が決して良いものなだけではないからこそ、ハッピーエンドが輝いて見えるし、ハッピーエンドにするぞ!って思える。
DQ4は、私のゲーム観を支えてくれている素敵な作品です。
実家からDSソフトが見つかったから、またやってみることにします。
メタルキングを会心の一撃でボコボコにするぞ!