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『Downwell』アップグレードTierリスト解説
井
戸
、
降
り
て
る
?
僕は毎日降りてる。面白いよね『Downwell』。特にアップグレードシステムいいよね。ステージクリア毎にアップグレードが入ってどんどんプレイが楽しくなる。3択から1つ選ぶので悩ましいんだよねえ。そんなアップグレードだが、人によって【これが強い】【これが弱い】が出てくるのではないかと思う。
というわけで。
独断と偏見による『Downwell』アップグレードTierリストを作るぞ!
Tierリストっていうのは要するに格付けリストだ。この記事ではS~Cでランク評価していくぞ。ではさっそく……
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はいドン。これが“答え”ですよそこのアナタ。各ランクは、以下のような意味にしている。
S:ほぼ全ての状況で真っ先に取るべき
A:状況によって優先すべき
B:状況によって取得する
C:取ってもあまり役に立たない
※AとBは状況によって価値が変動することが多い
AとBがやや曖昧だが、このゲームは現在ステージや現在ステータス、他のアップグレードの取得状況などでアップグレードの価値が変動すると考えている。これに関しては各アップグレードを語る際に、詳細に記述していく。
当たり前だが、独断と偏見なので異論は認める。むしろ異論をもらって「なるほど!そういう考えもあるのか!」となりたいくらいだ。
プレイスタイル
各アップグレードの解説に入る前に、僕のプレイスタイルを簡単に記述しておく。プレイスタイルによって各アップグレードの有用性は大きく変化するからだ。
僕のプレイスタイルは、基本的にはブンブンスタイルで常に25コンボ狙いだ。ガンモジュールは毎回なんでも取る。お店では基本的にカレー狙い。消耗していたらおすしで回復。1-1,1-2辺りでデンリョクが少なければでんちを買ってデンリョクを上げるが、それ以降はデンリョク系は基本買わない。とりあえずこんなところだろうか。
ちなみに最近はNintendo Switch版でしか遊んでいない。それ以前はスマホ版で遊んでいた。
あ、あと記事中での敵の呼称は全部僕が勝手に言っているだけなので、注意してほしい。まあ大体どの敵について言及しているかは分かるはずだ。ちなみに、敵の正式名称は恥ずかしながら知らない。
ではSランクから解説を始めよう。
Sランク
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ジェムハツデン
ジェムを ゲットするたび
ガンブーツが ジュウデンされる
ほぼ全ての状況で最優先取得する最強のアップグレード。4-2,4-3クリア辺りなら流石に取らない可能性があるといったところ。基本的には最優先で取るくらい重要視している。1-1クリアでこれが取れたらゲームクリアを確信するレベル。
『Downwell』においてデンリョク(残弾数)を回復させる方法は着地、もしくは踏めるものを踏むしか無い。が、ジェムハツデンを取ればその制約から解き放たれる。これにより、踏めない敵が連続して現れたとしても問題無くゴリ押せるようになる。つまり、デンリョクが0になりにくい状態を維持しやすくなり、安全落下が出来るようになる可能性が高まる。そうなると俄然コンボ継続もしやすくなる。クリアに向かって一直線よ!
プレイに圧倒的な安定性をもたらすジェムハツデンは説明不要のSランクだ。
Aランク
続いてAランク。だいたい強い性能を持つアップグレードを語ろう。
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ふんしゃモジュール
テキを ふみつけると
バクフウを オミマイ
ほとんどの状況で取っても損をしない強アップグレード。他のアップグレードの取得状況にもよるが、たいてい取得候補に挙がる。
ふんしゃモジュールが頼もしいシーンは、踏める敵の下に踏めない敵がいるときだろう。踏める敵を踏めば、その下にいる踏めない敵も同時に倒せる。ショットを撃つ必要が無くなり、より安全に落下出来るようになる。立ち回りに安定感が出る。
地形貫通効果もあるので、チカボチで踏めないガス状の敵を床越しに葬ることも出来る。他にもタイスウソウでイカの大群やタコを蹴散らすのにも使える。とにかく頼もしいアップグレードだ。このゲームを始めたときから印象が変わっていない。
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ナイフとフォーク
テキの シタイを
たくさん たべると
かいふくする
貴重な回復系アップグレードの一つ。僕のプレイスタイルが「常に25コンボを狙う」なため、死体を喰うチャンスがあまり存在しない……というより狙って食べるのが非常に難しい。が、実はコンボ中でも死体を楽に喰うチャンスが存在する。それがタイスイソウだ。
タイスイソウは水で満たされており、そのぶん重力が少し弱くなっている。その結果、敵を踏んづけて倒したときに死体がフワッと浮く。コンボを継続しながら確実に死体を喰うことが出来るのだ。これが出来るとタイスイソウの突破に大きく貢献する。さらにタイスイソウでの腹の満たし具合によってはラスボス戦でもHP回復機会が生じる。
したがって、僕がナイフとフォークを取るときはタイスイソウに突入する前、2-3クリアで取れるのが理想だ。3-1クリアでもまだ取る。3-2以降はほぼ取らない。そのため、ナイフとフォークは現在ステージによってランクが変動するアップグレードと言える。
・1-1~2-1辺りまではランクB
・2-2でA。
・2-3でSに限りなく近いA
・3-1でB
・3-2からは取る価値ほぼナシ
序盤そこそこの優先度で、タイスイソウ直前で価値が一気に高まり、以後Cランク相当になる珍しいタイプのアップグレードだ。タイスイソウの突破に大きく貢献するので価値は高い。序盤で取っても一定の働きはする。むしろ序盤の安定性も高まるくらいだ。ヘンゴクでほとんど機能しない点を差し引いても強い。
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ポンポンジェム
ジェムを とると
うえに ポン
うえに ポン ってなんだよって感じだが遊んでみると分かる。上にポンしてる。絵を見るとジェムが割れて中からポンしてるように見えるが、別にジェム獲得量が減ったりとかはしないので安心してほしい。
ご存じ対空アップグレード最強の一角。対空アップグレードとは、プレイヤーの上から迫ってくる敵に対抗するためのアップグレード、の意味だ。
ご存じのとおり『Downwell』ではプレイヤーは真下にしかショットを撃てず、上方向の敵を能動的に攻撃する手段を持たない。そのため上方向への攻撃を可能にしてくれる対空アップグレードの取得は、クリアを目指すにあたって非常に重要になる。
ポンポンジェムは発動条件と攻撃精度、そして攻撃力、全てにおいて他の対空アップグレードと比較して優れている。
対空アップグレード一覧
・ポンポンジェム(A)
・カヤクブロック(A)
・ハートのふうせん(B)
・アツアツヤッキョウ(B)
・ドローン(B)
まず発動条件。「ジェムを取ったら」というのはシンプルに強い。画面内に大量にジェムがばらまかれ、情報量が増加してごちゃごちゃしているときに最も発動しやすいのがありがたい。情報量が増加するとプレイヤーの認知リソースを圧迫し操作ミスによる被弾を誘うのだが、そんなときに上方向への攻撃が発動するのは防御力という観点で見たときに強い。また、ジェム取得タイミングは多少コントロール出来るので、ある程度狙って攻撃出来る。というか、ジェム取得は頻繁に行われるので、特に意識していなくても上に居る敵を迎撃してくれているときがよくある。
次に攻撃精度。必ずプレイヤー真上方向に攻撃が放たれる。うえに ポンだ。この精度もまたありがたい。上から迫る敵の対処を確実に行うことが出来る。
最後に攻撃力。小さいジェムを取ったらそこそこの威力の白ポン。大きいジェムを取ったら結構な威力の赤ポン。白ポンだけでも充分な攻撃力だが、赤ポンならたいていの敵を一撃で屠る。ふつーに強い。耐久力の高い敵に上を取られる機会は、実のところあまりないので、充分な威力なのは間違いない。
強みを紹介したところで、他の対空アップグレードと軽く比較してみよう。
ハートのふうせん:1ステージ1回しか発動しない
アツアツヤッキョウ/ドローン:精度と攻撃力に難がある
カヤクブロック:発動がブロックの有無と位置に依存する
詳しくは個別のアップグレード解説の際に語るが、どの対空アップグレードも【発動条件・攻撃精度・攻撃力】のどこかに欠点を備えている。しかし、ポンポンジェムはいずれも高性能を誇る。極端な話、ポンポンジェムが取得出来ていないなら、他の対空アップグレードが三つぐらい欲しい。しかしポンポンジェムが取得出来ていたら、他の対空アップグレードは無くてもいい。そのくらいの差がある。Aランクにふさわしい性能だろう。
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リンゴ
4HP かいふくする
シンプルに強力な回復系アップグレード。こいつにお世話になったプレイヤーは井戸の数だけあるに違いない。4HP回復という分かりやすく強い性能だ。同じ回復系のアップグレードであるナイフとフォークは、最初のうちは効果が分かりづらい。その一方で、リンゴは分かりやすいのが長所だ。
正直、Sランクに入れるか迷った。『Downwell』はHPがMAXのときにHP回復するとゲージが溜まり、ゲージが合計4溜まると最大HPが増える仕組みになっている。したがって、HP回復はいついかなるときでもプレイヤーにとって有効に働く。リンゴを取って損をする瞬間は事実上存在しない。
ただ、先を見据えたプレイをする場合、リンゴよりも優先したいアップグレードが存在する。そのため、ランク評価はAに落ち着くことになった。
僕の場合、リンゴは可能な限り温存する方針だ。HPの消耗が3~4くらいになったタイミングでアップグレード選択に出て来たら優先的に取る。そうならずに済んだ場合、終盤にデザートとして美味しくいただくのだ。
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ジェムアトラクター
ジェムが よってくる
安定して性能を発揮してくれるアップグレード。ジェム回収率増加は意外とバカにならない。4-1以降ではこれがあると、特に回収が捗る。とはいえ、“単体では”Bランク相当だろう。BでもAでも構わない性能だ。
ぶっちゃけると、以下のTierリスト画像を用意した際に、
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B、あるいはAが多いと全体バランスが崩れて見栄えが悪いな……
と思ってBとAの数を同じに揃えた。したがって、いくつかのBランクといくつかのAランクは正直B,Aどっちでも構わなかったりする。実際、そのときの気分によって取るかどうか決めるアップグレードもある。ぶっちゃけちゃったね。
話をジェムアトラクターに戻す。ジェム回収がしやすくなれば、ジェムハイ状態への突入およびその維持が容易になる。また、ラスボス戦では左右に動くことでダメージを受ける可能性が大きく高まってしまうが、ジェムアトラクターがあればあまり移動せずにジェムが回収できる。そのため、このアップグレードが無いときよりも安全にジェムハイ状態になることが出来る。ジェムハイ突入およびその維持を容易にするのは、地味ながらプレイの安定化に一役買う。
また、ジェムを通常よりも多く回収できるので、当然お店で商品を買える可能性もグッと高まる。そうなれば必然、HP回復機会を多くすることが出来るので、これまたプレイの安定性が高まる。
しかし、ジェムアトラクターの真価はジェムハツデンやポンポンジェムと組み合わせたときに発揮される。ジェムを引き寄せる効果なため、ジェムを取ることで発動出来るアップグレードとシナジーが存在する。
ジェムハツデンと組み合わさったときの無双ぶりはたまらない。この二つが組み合わさったらもはや空中でデンリョクが切れることなどあり得ない。他方、ポンポンジェムと組み合わさった場合、対空性能により磨きが掛かる。上から迫る敵など恐るるに足らずだ。
常に発動するアップグレードなのも魅力の一つだ。ジェムの回収はプレイ中必ず発生する。リンゴ同様、取って損をすることが無い。やっぱりAランクだな!
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カヤクブロック
ハコを こわすと
うえに タマが でる
こいつは人によって意見が分かれそうなアップグレードだ。が、僕はAランク、あるいはBランク相当だと思っている。まず前提として、タイスイソウ以降ではハコがほとんど出てこなくなるため、事実上取るメリットが消失する。幼少期に神童って言われてたタイプだな?
カヤクブロックが輝くのは、チカボチおよびタイスイソウだ。ドウクツでも強いときはあるが、敵を踏もうと思っていたら誤って発動させてしまい被弾につながる、というのはよくあるパターンだ。それに序盤では別のアップグレードの優先度が高い。
チカボチおよびタイスイソウでは、ハコを壊さないと先に進めない状況によく遭遇する。そこでデンリョクを消耗させられ、落下の危険性が高まりがちだ。カヤクブロックはそうした消耗を抑えつつ、一定の対空性能を備えるのが良い。
また、タイスイソウでは上に逃がしてしまったイカやピラニアへの対処としても使える。タイスイソウでは、カヤクブロックの有無でプレイの安定性が大きく変わる。そのため、たとえヘンゴクからは無用の長物になるとしても取る価値がある。
なによりも、大量のハコが一斉に爆ぜつつ派手に弾丸を打ち上げる様は遊んでいてとても気持ち良い。アクションゲームでは、気持ち良さは全てに優先される。このアップグレードを取る理由なんてそれだけで充分なくらいだ。
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レーザーサイト
タマが とおくまで とぶように
+
タマの せいどが あがる
最近、僕の中で評価が高くなっているアップグレードだ。まあ正直な話、このアップグレードは恩恵が分かりにくい。前者の射程距離延長に関しては、そもそもな話、遠けりゃ近づけばいいのだ。だって落下してるんだもん。後者の精度上昇に至っては未だに認識出来ていない。今度詳しく検証してみようかな。
ではなぜAランク評価にしているのか。それは、【射程距離延長】が真価を発揮する瞬間に最近気付いたからだ。前述したとおり、ショットが届かないなら近づけばいい話だ。だが、それがやりにくい敵が居たら?
それがラスボスだ。
ご存じのとおり、ラスボスは定期的にプレイヤーに向かって弾丸を放ってくる。このとき、距離はなるべく離しておいた方が避けやすい。でも同時に攻撃もしたい。そんなとき、レーザーサイトがあると遠くからでもラスボスを攻撃することが出来るのだ!
レーザーサイトの有無でラスボス戦の立ち回りやすさは大きく変わる。これに気付いてからは僕の中でレーザーサイトの評価は地味に高い。とはいえ、ラスボス戦以外でレーザーサイトが役立つ瞬間は少ない。タイスイソウで上から折り返してくるイカを狙うときや、ノーマルモードのヘンゴクで上から降ってくる尖ったモヤを狙うときくらいだろうか。
また、ガンモジュールのレーザーを装備している場合、完全に無価値なアップグレードになる。レーザーは素の性能で画面下までショットが届くからね。
ラスボス戦直前まではランクC,B相当で、ラスボス戦直前でランクA,S相当になる。レーザーサイトはそんな印象だ。
Bランク
結構語ったが、まだアップグレード解説は半分も出来ていない。しかし前後編に分けるのも気持ち悪いし、このまま降りきってしまうぞ。
ではBランク突入だ。
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ドローン
コンニチハ
ドローンデス ピポパ
最近のドローンはしゃべるのかー高性能だなー。他のアップグレードはだいたい効果の説明だが、これはドローンがしゃべっているテキストなのが面白い。『Downwell』はこうしたユーモアにあふれたテキストも素敵だ。ちなみに、このアップグレードの絵だけ赤色がどこにも使われていない。
では軽く効果説明をしよう。
まず、プレイヤーの頭上を追尾しながら∞の字を描く。そしてプレイヤーがショットを撃ったときに合わせてショットを撃つ。ドローンのショットの威力は非ジェムハイ状態のプレイヤーと同威力。効果はこんなところだ。
プレイヤーの少し頭上を∞字運動するため、多少の対空性能がある。ただし周期的な動きなため、プレイヤーがコントロール出来ず、安定性には欠ける印象だ。とはいえ、単純に撃つ弾数が倍増する計算なため、面制圧的立ち回りを可能にする。加えて、プレイヤーの側面の防御力も高くなる。
ただ、一つ気になる点がある。プレイヤーのガンモジュールによっては性能が大きく減じる点だ。プレイヤーのショットに合わせて弾を撃つ仕組みなため、プレイヤーが単発系のガンモジュール【ショットガン/レーザー】を使っている場合、ドローンの発射数は少なくなる。これは少し安定性に欠ける印象だ。ただ、これは見方を変えればドローンのショットを抑えることが出来るとも取れる。
それにしても、やはり攻撃箇所をプレイヤーがコントロール出来ないのが気に掛かる。特に、チカボチの浮遊するドクロをドローンがうっかり刺激してしまってダメージを負ってしまったプレイヤーはごまんといるはずだ。踏むつもりだった敵にドローンのショットが当たって予測がズレ、結果的に被弾してしまうなんて僕はしょっちゅう経験している。
ガンモジュールのバーストと組み合わさったときの圧倒的ラッシュ力、側面から対空まで一定の範囲をカバーする防御力など、魅力は十分に備えている。しかし細かな安定性に欠く部分がランク評価をBにした。
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ミジュク
アップグレードの
センタクシが ふえる
+
1HP かいふく
これまた状況次第によって評価が変化するアップグレードだ。瞬間的な効果は少し薄い。先を見据えた際に、選択肢に入ってくるだろう。地味ながら1HP回復も嬉しい。
アップグレード選択肢が4つになるのは、プランを組み立てる上で大いに役立つ。より自分が欲しいアップグレードが出現する確率を高められるのはありがたい。
僕は基本的にブンブンスタイルで遊ぶので関係無いが、ゴロゴロスタイルの場合、アップグレードの選択肢が初期状態だと二つしかないので、ミジュクの価値はより高くなるかもしれない。
とはいえ、ミジュクを選ぶ場合、アップグレードによる強化はステージ1つ分、遅れてしまうわけだ。この遅れは地味に気になるところだ。
というわけで、僕がミジュクを選ぶのは、
①他に欲しいBランク以上のアップグレードが見当たらない
②-①HPを1以上消耗している
②-②HP最大値アップまであとゲージ1つ分
①に加えて、②のどちらかの条件を満たしたときになる。とはいえ、そこまで厳密に遊ぶわけではない。今回のプレイではこの先、自由にアップグレードを選びたいな~と思ったときはサクッと取ってしまうこともある。
ミジュクの魅力は、選択の自由度を高める点にあるのだ。
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ロウソク
ダメージを うけたときの
ムテキジカンが ながくなる
最近はあまりこのアップグレードに頼っていないため、Bランク評価としたが、ぶっちゃけこいつもSランク級だろう。かなり強いぞ。
『Downwell』はアクションゲームの中でも、ダメージを受けたときの無敵時間が短い印象だ。さらに言うと『Downwell』はリズムが非常に大事なゲームだ。一度ダメージを受けてリズムが崩れると、立て続けにダメージを受けてしまうことも少なくない。
そこでロウソクの出番である。このアップグレードによる無敵時間の延長は素晴らしいものがある。「え?!いつまで無敵時間あるんだこれ?!」と言いたくなるほどの長さを確保してくれるのだ。これなら一度崩れたリズムを立て直すには十分である。
無敵時間をかなり延長してくれるので、残りHPによってはラスボス戦でひたすら攻撃だけ当てていれば勝てる状況になったりもする。これに頼りすぎるとラスボス戦で避ける技術が退化してしまいかねない。なので僕は最近「ロウソクは甘え」と言って、使うのを避けがちだ。
このアップグレードは、ダメージを受けたときに必ず発動するので安定性が高い。無敵時間を利用したゴリ押しも強い。総じてプレイの安定に役立つアップグレードだ。人によってはS、Aランクもあるだろう。
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あんぜんジェットパック
でんちぎれの ときに つかえる
ジェットパック
最初遊び始めたときはSランク級だったが、今はそうでもない。それもそのはず、ジェムハツデンがあれば電池切れなぞ起きないからだ。プレイスタイルにもよるだろうが、基本的には、
ジェムハツデン>あんぜんジェットパック
の性能差になる。あんぜんジェットパックが発動するときは電池切れでショットが撃てないので、触れるとダメージを受ける敵が下に来たときに対処しようがない。コンボ継続をしたい観点から見ると、やはりジェムハツデンに軍配が上がるのだ。
とはいえ、毎回ジェムハツデンがアップグレード選択肢に出るわけではないので、あんぜんジェットパックにも採用機会は残されている。序盤に出たら取得するのも全然アリだ。ゆえにランクBとした。
あと、発動時のフワーっとした動きは独特な気持ち良さがある。あんぜんジェットパックでしか味わえない感覚なので、コレ目当てに取ることもある。
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ハートのふうせん
かわいい ふうせん
最初はてっきり落下速度が低下するのかと思ったアップグレードだ。実際は、敵に触れたら大爆発を起こす火薬兵器である。一度爆発すると消滅し、ステージクリアで復活する。要は1ステージ1爆発だ。
追記:やっぱり落下速度が下がってるっぽい。落下速度が速いゴロゴロスタイルだと少し分かりやすい。しかしこうなるとふうせんの有無で落下速度が変化するので、リズムが掴みにくくてやはり少し扱いにくいかも。
対空アップグレードとしては、発動の確実性が高い+攻撃力が高い+範囲が広いのが魅力的だ。風船はプレイヤーの頭上に取り付けられるため、【風船が発動するとき=上から襲われてピンチのとき】となる。そのときに確実に爆発して敵を葬ってくれる。
だがしかし、敵を踏み損じてすれ違いざまに爆発させてしまうこともある。わりとしょうもない場面で爆発することはしばしばだ。そして爆発したらそのステージはもう二度と使えない。
1ステージに一回切りの保険として、そこまで悪くない性能を持つ。また、背中にひもと風船が取り付けられて見栄えが良くなるの悪くない。ただ、やはり他に取得を優先すべきアップグレードがあるだろう。悪くはない。悪くはないからこそのBランクだ。
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アツアツヤッキョウ
ヤッキョウも テキに
ダメージを あたえる
『Downwell』イチ渋いアップグレード。いぶし銀大賞はコイツをおいて他にあるまい。ショットを撃つときにプレイヤーの背後方向に飛び散る薬莢がダメージを与えるようになる。
薬莢はプレイヤーの背後、斜め上方向に弧を描くような感じで飛び散る。そのため、対空+側面への対応能力を持つ。上方向+横方向への攻撃が可能な点は、他の対空アップグレードのどれにもないオンリーワンの魅力だ。また、薬莢は結構遠くまで飛び散るので、横方向の射程も地味に長い。
扱う際の注意点としては、プレイヤーの背後へ薬莢が飛ぶ点だろう。そのため、狙った方向に薬莢を飛ばしたい場合、狙う方向とは反対を向いてショットを撃つ必要がある。渋い立ち回りが要求されるのだ。また、軌道は一定ではなくかなりのバラつきがあるため、方向を合わせたとしても狙った位置に飛ばせるとは限らない。
そんなアツアツヤッキョウが最も輝くのは、タイスイソウのピラニア相手だろう。ピラニアはプレイヤーの側面や上方向から襲ってくることが多い。薬莢で迎え撃つには格好の相手だ。もちろん、対ピラニア以外にも、上に撃ち漏らしてしまった敵を倒すのに“多少”使える。“多少”は。
“多少”と言ったのには理由がある。実は薬莢一発一発の攻撃力はかなり低いからだ。そのため、比較的耐久力が低い敵相手でも何発か根気よく当てる必要がある。薬莢だけで倒そうとせず、牽制程度にとどめておくのも良いだろう。
もう一つあるアツアツヤッキョウの弱点は、ドローンと同じだ。薬莢の排出条件がショットを撃つことなので、単発系のガンモジュール【ショットガン・レーザー】と相性が悪い。そのため、ドローンと同じで安定性に欠ける。その分、ノッピーやバーストで薬莢を撒き散らして弾幕を張るのは楽しい。
プレイヤーを追尾してくるタイプの敵は、ダメージを受けると軌道を変更する。そのため薬莢を当てて軌道を変えさせて、そこから態勢を整えて本命のショットや踏みつけで倒す、といったことがたまーに出来る。これを上や側面を取られた相手に対して決めることが出来るとめちゃくちゃ気持ち良い。実行難易度が高く、たまにしか成功しない分、上手くいくと自分に酔える。
他にも、ノーマルモードのヘンゴクで上から降ってくる尖ったモヤ相手に「置き薬莢」なんてのも出来る。移動先にあらかじめ薬莢を撒き散らして降ってくるモヤのHPを削るのだ。
こういういぶし銀な効果を持つアップグレードを使いこなしてこそ玄人!みたいな憧れがあるので、アツアツヤッキョウはロマン枠として好きだ。よってランクBとす。
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メンバーズカード
おみせが まいかい
さいしょに くる
10% プライスダウン
安定したゲームプレイをもたらしてくれるアップグレードだ。さらに、ブンブンスタイルで遊ぶ場合、シナジーが発生する。ブンブンスタイルはお店が出にくいのがいわば副作用として設けられているわけだが、その副作用を完全に打ち消してくれる。こういったコストの踏み倒しは全ゲーマーがニヤリと悪い顔になる。
お店が最初に来るのは地味にありがたい。お店は必ず右に出てくるので、開幕の着地ミスでコンボを途切れる危険性が下がる。
さらに、お店が必ず来るようになることで、ジェムの貯蓄プランが立てられるようになる。いま2000ジェム溜まってきてるからカレーを狙って貯蓄しよう。そんな動きが可能になる。もちろん、HPが減って危なくなってもジェムをしっかり貯めてさえいればおにぎりやおすしなどの回復アイテムを購入してリカバリーすることも可能だ。メンバーズカードは一種の回復系アップグレードとしても機能する。
言うまでもないことだが、10%プライスダウンもありがたい。単純計算すると1000ジェム必要な商品が900ジェムで買えるようになる。大きいジェム10個分安くなるのだ。地味に大きい。
ここまでのアップグレード解説で分かってきたかもしれない。必ず効果が発動するアップグレードというのは、ゲームプレイの安定性を確実に高める。メンバーズカードはその最たる例と言えよう。
しかし、必ず最初に来るというのはなんだかローグライクにおけるランダム性のワクワク感が少し薄れてしまうような……ギャンブルの楽しみが欲しいような……偶然の出会いにときめきたいような…………君はランクB!
Cランク
もうちょいで全部語り終えるぞー。
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ジェムよい
ジェムハイじょうたいが
ながく つづく
僕がこのゲームで最も要らない子扱いしているアップグレードが来てしまった。あらためて僕のプレイスタイルを説明すると、「常に25コンボ狙い」だ。この立ち回りをしている場合、ジェムよいが無くともジェムハイ状態を容易に維持出来る。
したがって、僕が25コンボ狙いの立ち回りをし続ける以上、ジェムよいを取るメリットはほぼ皆無だ。逆に、慎重に下に降りていくプレイスタイルなら、ゆっくりプレイしていてもジェムハイ状態を維持できる可能性を高めるジェムよいは使えるアップグレードになるだろう。
僕にとって、ジェムよいが機能するシーンがごくわずかにある。タイスイソウ突入時だ。ここは最初に敵が登場するまでの落下時間が長いため、ジェムハイ状態が切れがちだ。ここでジェムよいを持っていると、タイスイソウ3-1開幕でジェムハイ状態を維持することが出来る。ジェムよいを取るのは、他に欲しいアップグレードが無く、きまぐれを起こしてこのレアケース目当てに取るときくらいだろう。全アップグレード中で最も採用率が低いと思う。
ちなみにラスボス戦のステージ移行シーンでは、ジェムよいはほとんど機能しない。いかにジェムよいといえど、ラスボスの長い移動シーケンスに耐えられるほどジェムハイ状態を保たせてはくれないのだ。ただ、タイスイソウパート終了時に都合良くジェムが残っていた、あるいは8コンボ以上でジェムハイに突入できたときに、ヘンゴクパートへの移行までにジェムハイ状態を保たせてくれるときはある。
プレイスタイル次第では全く機能しない。また、プレイし始めの頃は「ジェムハイ状態ってなんだ?」となりがちなので、最初から不遇だったりする。可哀想に……酔わせておくれよランクC。
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リバースエンジニアリング
ガンモジュールを うつと
いちど しゅるいを かえられる
『Downwell』のガンモジュールシステムは独特で面白い。【武器の種類変化+HP回復orデンリョクアップ】と二つの効果がセットになっているのだ。「HP回復が欲しいけど、武器の種類は変えたくない」といったジレンマを生み出す。そのジレンマに対抗するためのお助けアップグレードが、リバースエンジニアリングというわけだ。
しかし変えられるのは一度きり。しかもどんなガンモジュールに変えられるかはローグライクの神のみぞ知るのだ。プレイヤーの選択肢を拡張しつつも、ローグライクとしてのランダム性は崩さない……なかなかに興味深い仕組みである。
苦手なガンモジュールがある場合、これを使って装着を避けることが出来る。ユーザビリティへの配慮をゲーム内にアップグレードという形で落とし込んだ……そんなふうに解釈することも出来る。
ところで、僕は最近ノッピーがスゴく苦手だ。出来ることならこのアップグレードを使って違うガンモジュールに変えたいと思っている。だが、そんなときに内なるローグライクの神が囁くのだ……
与えられた選択肢でなんとかするのがローグライクの醍醐味じゃよ
ハイ!そのとおりです神よ!
そういうわけで僕はレンチをひっつかみ、ゴミ箱に勢いよく叩き付けてこう言い放った。「お前はCランク行きだッ!」
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ハードジョウブツ
シタイを うつと バクハツする
一番ブッソウなことを言っているアップグレード。ナイフとフォークという強力なアップグレードと、アンチシナジーを形成しているのが早速のマイナスポイントだ。
死体がどこに飛んでいくかはプレイヤー側でコントロール出来ないため、発動の確実性に欠ける。死体を撃つのも地味に難しい。そして死体爆破という第三の攻撃手段を与えられたとしても、結局のところ踏みつけとショットで事足りてしまう。ちと魅力に欠けるアップグレードだ。
一番のメリットは死体爆発のエフェクトがカッコ良くて絵的に映えるところだろうか。ただ、これは逆にそのままデメリットなり得る。というのも、爆発によって画面内情報量が増えた結果、認知リソースが圧迫されミスが生じやすくなるからだ。あと単純に爆発に紛れて敵が近づいてきたときに気付きにくい。
とはいえ、爆発エフェクトと効果音はマジでカッコいいので、それ目当てに入れても構わんだろう。Cランクながら爆発力を秘めているぞ。
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ロケットジャンプ
ボカン
ボカン。なんのこっちゃって感じだが、これも使えばすぐに分かる。効果は【ジャンプ力の上昇+ジャンプするときに左右に爆発攻撃】だ。
まずジャンプ力の上昇だが、これはあまり魅力的では無い。『Downwell』においては、高く跳ぶ能力よりも、敵を低い箇所に引きつけるテクニックが大事だ。ジャンプ力が必要になるシーンはあまり無いと言っていいだろう。
次に、ジャンプするときに左右に爆発攻撃。こっちは多少使い道がある。そもそも【着地状態+左右から敵が寄ってくる】という有効なシチュエーションがなかなかやってこないのだが、ラスボス戦に唯一その機会がある。ラスボス戦で現れる雑魚敵が寄ってくるときにロケットジャンプが活躍する瞬間がたまにある。ただ、そのシーンにおいては天井からトゲが迫ってきているので、高くなったジャンプ力が徒になるという、なんとも言えないオチが待ち受けている。
とはいえ、こちらも爆発エフェクトがカッコ良いし、ジャンプ力が上がるのは実用性に欠けるかもしれないが気持ち良さはある。派手なジャンプで気分を上げよう。
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タンマ
ダメージを うけると
じかんが とまる
バリアを つくる
これも未だに活用法が見出せていないアップグレードだ。ダメージを受けると発動なのはロウソクも同じで、発動の確実性は高い。ただ、時間が止まるバリアの生成はどうにも評価が難しい。
言い換えれば、ダメージを与えた敵を確実に倒すアップグレードと言えるかもしれない。また、バリア生成位置によっては一旦休憩を取ることも出来るだろう。そう考えると、ゆっくり進めたいプレイヤーにとっては重宝するかもしれない。
いずれにせよ、常にコンボを狙う立ち回りをしている僕にとっては扱いに困るアップグレードなのは間違いない。他には、ラスボスにわざと当たりに行って至近距離でバリアを生成し、時が止まった状態で一気にショットを叩き込むとかだろうか。そういった搦め手的な使い方があるかもしれない。
わざとダメージを受けまくって画面内にバリアを大量に作る遊びはどうだろうか。ラスボス撃破時に生成しておいて、撃破演出を一時停止して遊んでみたりとか。うーむ……
使い道が分からないので、保留のCランク行きとした。
一つの層(あとがき的な何か)
おわっっっっっっったーーーーー!!想像の3倍以上長かった!!!最初この記事のネタを思い付いたときはサクッと書けると思っていたのだが、とんだ見当違いだった。
考えてみれば、『Downwell』のアップグレードはプレイスタイルによって評価が大きく変わる。そのため必然的に、自身のプレイスタイルを交えた評になる。文字数が増えて当然だ。
これだけの文字数を費やしたものの、僕が書いたのはあくまで『Downwell』というゲームの一部分に過ぎない。アップグレードという、『Downwell』を構成する要素の一つを取り上げたに過ぎないのだ。
どこまでも深い井戸のようなこのゲームの、一つの層を。
いつか全ての層について語り尽くしたいものだ。今回の記事はその第一歩目となった。『Downwell』は大好きなゲームで、いつか語りたいと思っていた。自分の中で思いが膨らみ過ぎて巨大になっているゲームでも、一つの要素を切り出せばちゃんと語れる。それが分かったのは今回の収穫だ。
あ、そうそう。あらためて言うが、アップグレードの評価はプレイスタイルによって大きく変わる。だからこの記事も異論はいっぱいあると思う。人と自分とのプレイスタイルの違い、ひいては価値観の違いを聞くのはなかなか面白かったりする。
というわけで。
あなたのTierリストもぜひ教えて下さい。
井
戸
の
中
か
ら
お
送
り
し
ま
し
た
。