Mega Man X Max Speedruns 所感
12月4日(土)にJapanese Restream様で行われたロックマンXのイベント、「Mega Man X Max Speedruns」について所感を述べる。ここには慢心などはなく、すべて事実だと思っていることであることに留意してほしい。ちなみに大筋の流れは配信で説明している。
よかった点「情熱」
自分も大事にしており一番大きかったことは「全員が熱意を持っている」ことにあったと思う。特に主催者である自分の情熱は全員に伝わったのではないかと本気で思っている。ここに濁った感情、「名声」などが入ってはいけない。それはあとから求めるもので軸となる部分にそのようなものが入っていると確実に回りに伝わり人は離れていく。今後何をするにしても情熱を軸にして主催していくべきだと私は考える。
情熱はあらゆることに大きなブーストをかける。新しいことに挑戦する意欲を人に持たせ、できないこともできるようにしてしまう不思議な力を持っている。自分だけではない。自分ではできないことを実現できる人を巻き込むための一番大きな材料にもなりえる。人は情熱や夢という言葉に意外に弱い。面白いと思わせるだけで人は自然に集まるものだ。「そこに関わりたい」、「何かを成し遂げたい」という人の本能に語りかける。とても大事なことだと思う。裏方を見ていたすないぬさんもアジーンさんもCmaさんも本来の仕事とは関係のない部分なども兼任していただけた。
このように最後まで情熱をもつことが誰も途中で投げ出さず、全員が協力して絶対に成功させたいという気持ちにさせた要因だと確実に言える。今後のどのイベントでもここは絶対に譲ってはいけないことだ。
よかった点「運営経験ありが7割」
今回の運営は7割が何度もRTAイベントの運営にかかわってきた精鋭達だった(ここでさりげなく大事なのは招待制のイベントだったため走者もある意味で運営だったということ)。自分には運営経験があるといっても小規模なもので今回のようなチャンネルを借りての大規模イベントは行ったことがない。そこで考えたことは運営経験のある人を基盤に置くことだった。デザイン・プログラム・サーバー・解説・走者・裏方それぞれにイベント経験のある人を立たせた。これには大きな理由がふたつある。ひとつは運営上で問題が起きてもリカバリーが早いこと。もうひとつは仕事を頼む際の絶大な信用があること。これらは仕事を早く済ませることができ、イベントの定石もすぐに知ることができる。走者もイベント常連が集まっていたことがでかい。サーバーチェックなどは作ってもらった文書がかなりわかりやすいこともあったが特につっかかりもなく淡々とテストをこなしていた。
このようにイベントに関わるあらゆる人がイベントのプロフェッショナルだった。でかくなくてもある程度運営経験がある人を置くのは大事なことだと思う。
よかった点「バカみたいな話でも一緒に笑える」
固い話だけではなく「バカみたいなこと」を一緒に話せる人ばかりだったこともとても大きい。これは人との信頼関係を良好に築くことで軋轢をできる限り減らすことができる。またくだけた言い方がしやすいため、たった数文字で返信できることも大きい。例えばイベント本番では「はちみつさんよべないかな?」→「とりあえず呼んで」。たった21文字である。迅速な対応、無駄の削除、良好な人間関係、そして何より楽しくイベントを運営できる。
このように並べてみると意外に重要なのは明白である。ただ全員がそうなるとは限らないため人は選んでいいと思っている(仕事ではないから)。人を見極め話合うことは絶対に重要だ。なのでボランティアの方式はできる限り避けたいと考えている。
改善点「リストをつくる」
ここだけの話配信の直前に気づいたことはとても多い。事前の開始タイミングなどは最たるものだった。このような事故を防ぐために大事なのは「リスト作り」。当たり前のようで普通にやっていなかったことである。ただこのリスト作り、ひとりでやってはいけない。せっかく運営に慣れている人が揃っているのだから全員に思いついたら書いてもらうぐらいでどんどん書いてもらえればいい。当然イベント当日まで何かを思い出さないかもしれないが、少なくとも事前に事故は減らせる。
なお今回やったことは全部リスト化する予定だ。
改善点「解説の質」
正直しょうがない部分もある。なぜならたった数か月で8作品のRTAの技を覚えてくれと無茶ぶりしたからだ。しかしながらそれをフォローする立場である自分が肝心なX8で何も解説ができなかったことが悔しくてたまらなかった。アジーンさんの経験からなる華麗な解説がなければ確実に崩壊していた。なので次のためにもX8は必ず走る気概でいる。
もうひとつ解説でとても重要な要素を再確認した気がした。それは「解説者は視聴者に楽しんでもらうためにいる」ということだった。寄せられたコメントからは解説席の楽しんでいる姿と心からゲームが好きな気持ちが伝わってきた等々うれしい反応が返ってきていた。ただ、ここで重要なのは解説席が楽しそうだったことがよかったのではなく楽しそうな姿こそが解説に求められていたものだったということだ。つまり今後の解説をするうえで「うまい解説とは何か」と考えるのではなく、「楽しんでもらう解説とは何か」という別の観点から考えていくべきではないかと感じたのである。
今回我々は大きな軸として「Xシリーズがわからない人にも伝わる解説」を挙げて何度も打合せをした。ポイントを解説のおふたりに絞ってもらいその解説をするという形式だ。ここをもう少しひねって「Xシリーズがわからない人がどのような解説をすれば喜ぶのか」と考えてもよかったかもしれない(無意識のうちにやっていたりしている部分もあったが明確に意識づけていることではなかったと思う)。難しい話であることに加え確信があるわけではないが自分はこのような改善の方針で次に活かしてみたいと考えている。
改善点「広報」
ここは一概に改善点とは言えないかもしれない。なぜなら母数が増えれば配信の秩序が乱れるからだ。それもあって実は今回意図的に広報をあまりしていなかった。RTA in Japanのチャンネルを考えていなかった時点で広報がうまくいくとも思っていなかった。次回もそのスタンスを大きく変えるつもりは実はない。
ただ次回までに改善したい部分がふたつあった。
ひとつはアジーンさんやすないぬさんがやっていた、「今〇〇をしていますツイート」。これは現在ゲームが進行していることや面白そうなトピックを挙げられるので求めるべき客の集客に期待できる。これは自分でもクリックするようなレベルのものなので次回に活かしたい。
もうひとつはこれがどれだけすごいイベントなのかを伝えきれていなかった点だった。「X1-X8のWRが集まるイベント」、これだけ見れば単純でわかりやすくすごい感じがする。しかし、ロックマンXをあまり知らない人にとっては実はあまり刺さらない。今世の中には様々なゲームのWR保持者を簡単に視聴することが可能で配信もしている。このような状況下の中でレトロなこのゲームの魅力をしっかり伝えることは必要不可欠なことなのだと思う。具体的な方法はまだ思いつかないが今後のためにもしっかりと意識しないといけない。
総評
結果としては割と成功だったのかと思う。今後このイベントをどのような位置づけにするかは考えておきたいが、ひとまず無事終わったことを喜びたいと思う。
今回のイベントの運営陣には大きな力を感じていてまたこのメンバーでやっていきたいとも考えている。
是非また素晴らしいイベントを。
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