ついに好きになれたよロマンシングサガ2
ロマンシングサガ2 リベンジオブザセブンを全クリ、追加ボスまで倒したので感想を書きます。一言でいうと、「ついに好きになれたよロマンシングサガ2」。
これまでロマサガ2は、SFCで2回、3DSのバーチャルコンソールで1回クリアしていた。SFCで遊んでいたのは20年くらい前で、最後に3DSで遊んだのは2017年だったので7年ぶりになる。過去に、ロマサガ1もロマサガ3も全キャラでクリアしているので、ロマサガ2はそれらに比べると遊んだ回数は少ない。というのも、ロマサガ2は自分の中でそこまで評価が高くなかったというのが理由になる。とにかく難しい、面倒くさい、そして世間的には人気が高いってのも天邪鬼の自分にはマイナスポイントになっていた。そんなこともあって、今回2024年10月に発売されたリベンジオブザセブンは見送りでいいかな、と考えていた。しかし、ロマサガは2が一番と言い切る床屋のあんちゃんに、絶対買えよと言われたこともあり、まあ付き合ってやるか、というくらいの雑な気持ちで買うことにした。実際やってみて、スルーしなくてまじで良かった。
難易度は、最初に選べる中では一番難しいクラシック(SFCと同等)で始めた。ロマサガを難易度低くして遊びたいという考えは全くないから。進めていくと、基本的にはSFC版と同じなので、新鮮な驚きは少なかったと感じる。でも、ストーリ、音楽といったそもそものポテンシャルが高すぎるので、ひさびさに遊んでみたら、シンプルにRPGというものを楽しめた。過去の思いがあるので、「次はあのイベントやるのか。めんどくせー!」みたいに思うことが多い。昔、火山の岩を壊すイベントを失敗して重要アイテムが取れなくなったトラウマがあったので、今回は序盤から棍棒強化を意識して進めていたら呆気なくクリアできてしまい、ちょっと寂しさを感じた。それにしても、このゲームが基本的には30年前の原作と変わっていないとか信じられない。どれだけ当時から完成されていたのか。今作がロマサガ2初見の人だったら、これが実は30年前のSFC版とほとんど変わっていないということに驚くと思う。
はるか昔、世界を災いから救う七人の英雄がいた。ある日突然、英雄たちは姿を消してしまう。いつの日か、英雄たちは再びやってきて世界を救うという。世界が荒れるたびに、人々は七英雄たちの伝説を語り、戻ってくることを望んだ。しかし、平穏が訪れるとまた忘れていった。世界が荒れた今、また人々は七英雄の伝説を語り始めた。そして、ついに七英雄たちは現れた。だが、英雄たちはバケモノになっていた・・。
というオープニング(意訳です)で始まる。ゲーム冒頭のイベントで、七英雄の一人クジンシーが帝国を襲撃し、帝国VS七英雄という構図になる。プレイヤは帝国の皇帝となり、1000年以上何代もの時を掛けて、世界中にいる七英雄を倒しながら、世界を統一するという流れになる。
帝国と七英雄たちが対立する必要なんてなかった。何故クジンシーは帝国襲撃という暴挙に出たのか、っていうのが、昔からずっと謎だったと思う。今作では、七英雄たちの過去を見られるようになっていて、クジンシーがそんな行動に出た理由がわかりやすい作りになっていたと思う。
七英雄たちとのバトルがSFC版よりも、難しくておもしろくなっているのが良い。SFC版では、戦う時期によって七英雄たちがパワーアップしていったけど、今作ではバトル中にもパワーアップしていく。20年以上前から知っているあのロックブーケが強くなって帰ってくるなんてなんか嬉しい。テンプテーションの見切りを覚えるためだけに戦うとか思ってると絶対驚くよ。
自分は昔から、七英雄の中ではダンターグが一番好きだった。七英雄の本来の目的を無視して、強くなることだけを考えてダンジョンのモンスターを狩っているゴリラ。昔、ダンジョンを進んでいたら唐突に現れて、実は俺は七英雄の一人だとか言って襲ってきたのが、子供時代にめちゃくちゃ衝撃を受けた。今作ではダンターグの過去とか事前情報を見たうえで遭遇するので、初見の人は驚きが減ってしまうことになるのは残念に思った。今作のダンターグが、人間じゃなくなりすぎてておもしろかった。でかすぎて建物かと思った。
ロマサガ2は過去に遊んだ回数が少ないのもあって、内容にはそんなに詳しくなかった。SFCで初めてプレイしたときは、術を全く使っていなくて、研究所の建設すらしていなかった。そしたら、ラスボスと全く勝負にならずにボコボコにされて、「RPGで、クリアできなくて最初からやりなおしになるなんてことあるんだ」って厳しい現実を教えてくれたのがロマサガ2だった。その後、攻略本を買ってもらって、研究所の存在を知り、術を覚えることができた。子供時代は容赦なく、クイックタイムという相手に攻撃させない術を使ってなんとか全クリした。あまりに難しいゲームなので、クイックタイムは公式が用意した救済措置という噂もある。それ以降も、ロマサガ2は2回クリアしているけど、2回ともクイックタイムを使ってクリアした。今回、リベンジオブザセブンで初めてクイックタイムなしで全クリできた。光の壁っていう術を初めて使ったけど、こんな強い術あったんだ。
そして、追加ボスまで倒した。たぶん無茶苦茶強いんだけど、ちょっと自分がうまくやりすぎたからか、2回目の挑戦で倒せた。さすがに人生で4回目のプレイなので何をしてはいけないかがある程度分かっているため、進行は完ぺきだったと思う。キャラを使い込むことでそのキャラのアビリティを習得でき、極意化すると他のキャラもそのアビリティを使うことができるというシステムが今作で追加された。それなら、ってことで9割以上のキャラを使い倒し、使えそうなアビリティを全部取った。大学の試験も全部クリアしたし、鍛冶屋の武器防具も全部作ったし、せんせいも全部見つけた。陣形は、龍陣を取ったのが大きかった。前衛に、重い防具でガチガチにしたうえでウェイトパージを付けた壁を置いておいたら、防御できるし先手とれるし敵に割り込まれないしで、あまりにも強い。ラスボスも追加ボスもほぼこれだけでいけた。ロマサガRSの高難度コンテンツのほうが何倍も難しい。そんなのに鍛えられたら、全部チョロく感じてしまった。
当時おじいちゃんに買ってもらったロマサガ2の攻略本は今も持ってる。その攻略本の復刻版が、今回のリベンジオブザセブンの特典でついていた。見た目当時のままで、リベンジオブザセブンの仕様に書き換わっているってのを期待していたんだけど、中身は当時のそのままだったので残念だった。
サガシリーズ音楽狂として、音楽の話を。まず、「バトル1」と「七英雄バトル」の演奏がDESTINY8らしい(サントラ情報)。追加されたメロディの感じがDESTINY8っぽいと思っていたんだけど、実際そうだったらしい。普段は、過去曲のアレンジにメロディが追加されていると蛇足だと感じてしまうことが多いけど、今回の「バトル1」と「七英雄バトル」に関しては必要なアレンジだったと思った。「バトル1」には「遥かなる戦いの詩」、「七英雄バトル」には「ラストバトル」のメロディが追加されている。「バトル1」の追加されてる部分、イヤホンでよく聞いてみて。ベースがめちゃくちゃ昔のロマサガだから。この曲を人生で1万回は聞いたはずなのに、また飽きないアレンジがされたことで、これからもまたずっと聞くことになる曲になった。
そして、ラストバトルもう文句ない。ラストバトルの曲が地味だったことが、自分の中でロマサガ2の評価が上がらない一番の理由だった。今作では、金管楽器の重めの音が追加された激しめのアレンジ。こうやって聞くとこんなにかっこいい曲だったのか、と初めて思った。今作の「七英雄バトル」の中に、この曲のメロディが追加されているのも、伏線みたいになっていてとてもよかった。
そして、まさかの新曲あるんかい!追加ボス戦でイントロ流れてきた時、新曲あるのかよ!!と、一瞬でswitchの音量MAXにした。正直、裏ボス感のない、雑魚戦みたいな曲だと思ってたら、直後に壮大なもう一曲来た。新曲をフリにするって何。「七英雄バトル」級に盛り上がる曲が欲しい、っていうプロデューサの思いも乗ってる曲みたい(サントラ情報)。「決戦サルーイン」や「星神・守護者たち」や「火を産みし者~ファイアブリンガー組曲3」のような、イトケンの壮大な曲の時にたまにある、1ループ目と2ループ目で演奏が変わるやつだ・・。
自分が作り上げた、1000年以上のアバロン帝国の歴史を振り返る。次々に起こるイベントに忙殺され、目の前のことでいっぱいになるので、最初の頃の皇帝のことはすっかり忘れてしまうんだけど、エンディングを見ると一気に思い出す。キャラ多すぎるし、ストーリを進める順番もプレイヤ次第で自由だから、エンディングは誰とも同じにならない。この自分だけのエンディングに心を打たれる。