ゲーム依存旦那と離婚した話4
3度目の結婚記念日をむかえた年、私は病気になった。ガンだった。
身体の異変に気づいて病院に行きはじめ、何度か検査をしてわかった。
ガンだと言われた時は頭が真っ白になったけど、一番に浮かんだのは遠方に住む両親だった。
きっと泣かせてしまうから、自分は強くいなきゃと思った。
冷静にならなきゃと思いながらも、動揺した頭で説明を聞いても覚えていられる自信がなかったので仕事中の元旦那に連絡をして来てもらった。
元旦那もさすがにショックを受けていた。
実はその様子は少し意外だった。
ゲームじゃなく、自分にも関心があったんだと。
治療のスタートは入院からだった。
最初の1週間入院しながら抗がん剤を投与して、退院後は3週間に一度通院での抗がん剤治療だった。
元旦那は看病のためと言って休暇をとってくれた。
入院初日には荷物を持って一緒に病院についてきてくれた。
治療は自分が想像していたよりキツかった。
抗がん剤による吐き気やら倦怠感やら。
けどそれ以上にキツかったのが造血剤の投与だった。
抗がん剤治療による血球の低下を補う為に増血剤を投与されるのだが、副作用の腰痛と背部痛が酷かった。
腰を内側からハンマーで思いっきり殴られ続ける様な痛み。
痛みで寝る事もできず、痛すぎてずっと泣いた。
成人して痛みで泣く日がくるとは思ってなかった。
自宅に戻り痛みで泣きながら転げ回る私と同じ部屋にいながら、元旦那はゲームをしていた。
看病のための休暇中、彼は毎日起きている間はほぼゲームをしていた。
痛みで泣いてる嫁を横にゲームできる神経が今考えてもわからない。
痛みをとってもらえるなんて思ってない。
けどこんな状況ならさすがにゲームより自分を見てもらえるんじゃないかと思っていた。
現実はそう甘くはなかった。
ゲームの合間に「大丈夫?」と声をかけるだけ。
もしかしたら声をかけて貰えるだけよかっと思っていた節もあったかもしれない。
数年後、治療がひと段落した時に当時の事を聞いてみたら「見ているのも辛かった」と振り返っていた。
みてたんだ。私はみてないと思っていたよ。同じ部屋にいたけど。