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MBA出願準備とGMAT受験スケジュール

GMATは学習だけでなく受験スケジュールも重要です(でした、かもしれません)。「受験スケジュール」の重要性は過去と比較して下がっています。

・スコアを確認した上でキャンセルできるように変更された(過去はスコア確認 = キャンセル不可 というルールがあった)

・GREというプランBでもMBA合格できる

これら2つの変更により

「納得のいく or 合格が見込めるスコアを得るまでGMAT もしくは GREを受験する」

が戦略になっています。GMAT受験にあたり回数と頻度それぞれに制限がありますのでご注意ください。

また、出願にあたりGMATスコアは自己申告でよいのか、オフィシャルスコアの送付が必要なのか、MBAによって扱いが違いますので事前確認しておくようにしましょう。

MBA出願準備の中で、いつからGMATを受験するのがよいのでしょうか?。MBAのファーストラウンドと1月初旬のセカンドラウンドで出願する前提で考えるのが一般的でしたが、昨今の学費高騰、Early Decision、IELTSやGREの普及で出願準備は決まったスケジュールではなくなりつつあります。

Duke Fuqua
Virginia Darden

この2校のEarly Action締切は9月前半です。また、この流れを象徴するColumbia Business Schoolにおいては 

  • 日本からの出願 & 合格が大幅に増加

  • 25名以上の入学者の過半数がEarly Roundの出願

となっている年度があります。ColumbiaがTOEFL/IELTSが不要であることを差し引いても8月中にGMATを完了させて、学校調査とエッセイを書き上げて、第一希望か準ずるか否か判断する必要があります。

*Early Roundは「専願」のように合格したら入学します!と確約が必要なケースが多いですので出願はくれぐれも慎重にご判断ください

1stラウンド9月末に出願する場合、遅くとも8月初旬には受験したいです。GMATはスコアがぶれるのが珍しくありません。初回は緊張して実力が出し切れないこともあるでしょう。そう考えると初回受験をして及第点未満だった場合には、2回目/3回目を想定しておくのが無難です。

GMATの旧バージョンでは

[The standard error of measurement is 30-40 points.]

とされていました(←Focus Edition以前の記載です)。
目標スコアに満たなくても標準誤差による可能性もあります、というのもGMAT自体が膨大な問題プールの中から20問ちょっとを通じて推定されたスコアですので、同じ人が再度受験したらブレる可能性があります & 体調や運などもあります。

初回受験で志望校のGMAT80%レンジが獲得できた場合には、GMATは最低限だけ継続しながらエッセイをメインにシフトして、GMAT2回目はそのMBAのファーストラウンド出願後の10月でも良いのかもしれません。

​GMAT以外に注力する時期も英文を読む練習は継続しておくことをおすすめします。全くやらないとリハビリが大変になりますのでご注意ください。もしTOEFL/IELTSも未完の場合にはリスニングも毎日少しずつでも継続しましょう、こちらもコツコツ型の対策が必要になります。


TOEFL or IELTSはIELTS7.5が狙い目の模様

2024年現在、TOEFLよりもIELTSが多数派になり、特にIELTS 7.5でクリアしている方がトップスクールで目立ちます。この理由は「リスニング」の扱いがTOEFLとIELTSがかなり違います。

  • TOEFL:リスニングがListening/Speaking/Writing各セクションに含まれる

  • IELTS:Speaking/Writingセクションはリスニングがほぼ不要

英語力はそれだけで合格になることはない出願項目、かつ英語コミュニケーションは面接やビデオ課題でも評価されているので、英語試験スコアは効率的に進めてクリアしたらそれで終わりです。

実際のところ、TOEFL100とIELTS7.0を比較すれば後者が簡単に感じる方が多いと思います(特に海外経験が少ない方にとってはリスニングの比率が低いのが楽です)。同様にTOEFL7.5はTOEFL109よりも労力がかからない方が多いと思われます。



出願準備の中でGMATをいつやるか?について、一例として提案したく存じます。

1.いつからGMAT学習を始めるか
2.どの順序で学習していくか

を大まかに押さえればよいと考えています。

1. いつから学習を始めるか ⇒ いつ開始してもOK

GMATは1ヶ月では範囲学習が終わりませんが

  • GMATがどのような試験か

  • どのような出題内容か

  • 自分自身の英語力と各セクションに対する到達具合

は早いうちにスタートして問題ないと考えています。

​1 - 1 QuantitativeとData Insightsは英語力を問わず及第点(上位25%)を獲得可能
1 - 2 Verbalも英語力を問わず簡単レベルから出題パターンを習い始めて良いと考えております
1 - 3 GMAT Prep/Exam Packで実力を確認しつつ難し過ぎたら戻りましょう

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2.どの順序で学習していくか

2 - 1 簡単レベルから
2 - 2 TOEFL Reading 26を超えたら本格的なVerbal対策
2 - 3 Reading Comprehension難関レベル以上はTOEFL Readingが28以上で安定してから
2 - 4 1問あたりの​解答時間を意識するのは学習の後半
2 - 5 Verbalは平均点か中央値が五合目、上位33%が七合目

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おすすめ3ヵ月プラン

1カ月目: GMATを学ぶ、GMATに慣れる

Quantitative/Data Insights簡単レベルを仕上げます
Verbalの簡単レベルを丁寧に解き、問題パターンと着眼点を学ぶ
終わりにExam Pack(1回目)に挑戦し、どれだけ難しいかを体験

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2カ月目前半: Verbal対策の本丸

Verbalの簡単レベルの復習、標準レベルを一通り挑戦
Quantitative/Data Insightsを標準レベルを仕上げます
Exam Pack(2回目)に挑戦

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2カ月目後半: Verbal学習の仕上げ

Verbal RC/CR標準レベルの復習
Exam Pack(3回目)に挑戦(Vは平均点か中央値、Q/DI上位25 ~ 33%)が目安

3カ月目前半: 時間を意識した演習スタート

Verbal標準レベルを時間を測って解いてみる
Quantitative/Data Insights難関レベルまで完成

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3カ月目後半: 本番を想定したVerbal演習

Verbal 標準時間を測りながら解く + 難関レベルに挑戦
Verbal CR & Quantitative/Data Insightsの苦手分野を復習
Exam Pack(4回目)に挑戦(Vは33%、Q/DI上位25 %)が目標

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学習スケジュールについて当方の考え方や詳細は以下の通りです

(長いのでお時間が許す時もしくは勉強方針に迷った際にご参考になればと存じます)

1. いつから学習を始めるか

極端に言えば留学を本格的に考える前でもよいと思います。英語力がそれほどでない時点からGMAT学習を開始するのかについては三つの理由があります。


一つ目は時間の重みが一様ではなく佳境の時期に向けて負担を減らすべきだから

出願準備の終盤はエッセイや学校研究で忙しくなりますし、GMATを重視すればそれらがおざなりになってしまいます。RCの演習以外は忘却曲線がそこまで急ではありませんので、前もって準備してしまえばよいと考えています。


二つ目はGMATを理解すること、慣れることが英語力と同じくらい大切だから

GMATの出題パターンは狭くはないですが、ほぼ決まっています。一問一問「どういう問題なのか?正答するのに事前に知っておく必要があるか?問題/パッセージ中に着目すべき内容は?」と問題を解剖する感覚で解いてみることをおすすめします。

​英語力で勝負するのはネイティブレベルでこそ成立する戦略で、わざわざ形勢不利な勝負を挑む必要はないと思います。

三つ目はGMATはTOEFL/IELTSよりも合否に影響するから

受験者の母集団を考えるとTOEFL/IELTSは英語力のみだろうと思います。語学留学から大学院まで幅広い受験者層向けがTOEFL/IELTSです。実際、TOEFL/IELTSは英語圏の学部卒ならば免除になり、MIT Sloan, Yale SOMなどTOEFL/IELTSが不要なMBAもあります。

​一方、GMAT/GREは大学院用かつ全出願者に課せられます。これは英語力とは別の能力・スキルを測っていることを示し、大学院レベルで学ぶにふさわしいのか、ということです。

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これらを踏まえて以下を提案しております。

1 - 1 QuantitativeとData Insightsは英語力を問わず学習開始から完了まで到達でき、真っ先にこの2つを仕上げて安心材料にしてしまうことをおすすめします。およそ2ヵ月で及第点(上位25 ~ 33%)、GMAT Prep/Exam Packが上位10 ~ 25%で安定すればDoneです。

Data Insightsは分析する視点と表の見方、解答アプローチを押さえることが大切です

1 - 2 Verbalについても早めに始めてよいと考えております。オフィシャルガイドは簡単、標準と難関レベル別になっており、最初の1か月で簡単レベルを一通り挑戦してください。

GMATらしさは簡単レベルにも十分含まれていますので、ウォームアップに最適です。

​1 - 3 GMAT Prep/Exam Pack等で実力確認及びテスト形式に徐々に慣れていきます。この時点では点数に一喜一憂する必要は全くありません。Exam Packには各セクションのパフォーマンスが載りますので復習すべき分野を確認しましょう。

GMAT Official Practice Exams: https://www.mba.com/exam-prep

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​2. どの順序で学習していくか

2-1 Verbal/Quantitative&Data Insights全て簡単なレベルから

簡単レベルは英語力が難しくないからこそ、GMATの理解に最適です。出題パターン、着眼点、解法の学習が後々役に立ちます。いきなり難関レベルに挑戦して、解答を読んでも意味不明という状況は避けたいです。

2-2 TOEFL Reading 26を超えたら本格的なVerbal対策

簡単レベルで培った基礎とTOEFL Readingがあれば、標準レベル以降もどうにもならない難しさではないと思います。問題を解剖するように一問一問学びを大切に進めていきます。RC/CRの標準レベル、着眼点、解法アプローチを身に付けます。

標準レベルが7割解けるようになってから1問あたりの時間を意識すれば、自ずと解答時間も短くなっていきます。

2-3 Verbal/Data Insightsの難関レベル以上はTOEFL Readingが28以上

難関レベルは難しいです、特にRCの難関レベルはTOEFLよりも難易度がかなり上です。3ヵ月プランを紹介していますが、Verbal難関レベルは勉強量・学習期間だけでは測れません。

​巷でよく言われる「GMATは短期集中、短期決戦」ですが、上記の3ヵ月目後半や受験直前期は2時間ぶっ通しで演習して英語脳モードにしておきましょう。

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​TOEFL/エッセイとの同時並行については、GMAT学習のうち試験直前の追い込みを除いて大部分は可能とのスタンスです。 

​↕言い換えると

​GMAT学習はコツコツでも大丈夫です(もちろん3ヵ月一気に集中してやるのも良いことですが)。



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